岡崎市内景況調査結果
(平成17年10〜12月期分)
〜景況DIが7.6ポイント上昇、4期振りに改善〜
岡崎市内の今期の景況DIは、前年同期と比較し△8.7と前回調査より7.6ポイント上昇し、4期振りに景況感が改善された。全ての業種で上昇しマイナス幅が縮小、中でも受注が好調な製造業が大きく好転した。また、売上額DI、採算(収益)DIも改善、特に売上額DIはプラスに転じた。
来期についても、景況DIは12.3ポイント、売上額DIは6.2ポイント、採算(収益)DIは4.5ポイント、それぞれ上昇を見込んでおり、回復に向け明るい見方が増えている。
1.調査対象
(1)対象企業数 本所各部会役員・幹事事業所 498企業
(2)回答企業数 有効回答201企業(回答率40.4%)
2.調査対象時期
平成17年10〜12月期
(1)前年同期(平成16年10〜12月)と比べた今期の状況
(2)今期と比べた来期(平成18年1〜3月)の先行き見通し
3.調査時点
平成17年12月26日〜平成18年1月11日
4.調査方法
ファクシミリによるアンケート方式
5.有効回答企業数内訳
業 種 | 回答企業数 | 構成比 |
製 造 業 | 61 | 30.3% |
建 設 業 | 44 | 21.9% |
小売・卸売業 | 52 | 25.9% |
サービス業 | 44 | 21.9% |
合 計 | 201 | 100.0% |
6.その他
本報告書中のDIとは、「ディフュージョン・インデックス」(景気動向指数)の略で、各調査項目について「増加」(上昇、好転)した企業割合から、「減少」(低下、悪化)した企業割合を差し引いた値である。例えば、売上額で「増加」30%、「不変」50%、「減少」20%の場合のDIは、30−20=10となる。
<概 況>
(1)景況判断DI(「好転」した企業割合から「悪化」した企業割合を差し引いた値)
今期(平成17年10〜12月)の景況は、前年同期(平成16年10〜12月)と比較し、全業種で△8.7と前回調査(平成17年7〜9月、△16.3)より7.6ポイント上昇し、4期振りに景況感が改善された。
業種別では、製造業で11.6ポイント増の△3.3、建設業で2.3ポイント増の△22.7、小売・卸売業で5.3ポイント増の△5.8、サービス業で9.1ポイント増の△5.1と、全ての業種で上昇しマイナス幅が縮小した。特に製造業における改善幅が大きく、全体を押し上げる要因となった。
また、来期(平成18年1〜3月)の先行き見通しについても、全業種で12.3ポイント増の3.6とさらに改善を見込んでいる。全ての業種で引き続き上昇を予測、中でも製造業で23.0ポイント、小売・卸売業で11.6ポイント、それぞれ上昇しプラスに転じる見通しである。
(2)売上額DI(「増加」から「減少」を差し引いた値)
今期の売上額は前年同期と比較し、全業種で3.1と前回調査(△5.1)より8.2ポイント上昇し、プラスに転じた。業種別では、サービス業は前期の反動もあって△15.4とマイナスに転じたが、その他の業種では改善が見られた。中でも製造業で24.0ポイント増、小売・卸売業でも15.3ポイント上昇し、それぞれプラスに転じた。
また来期の見通しについても、全ての業種で引き続き上昇を予測しており、全業種では6.2ポイント増の9.3と、プラス幅がさらに拡大する見込みである。
(3)資金繰りDI(「好転」から「悪化」を差し引いた値)
今期の資金繰りは前年同期と比較し、全業種で1.6と前回調査(△6.5)より8.1ポイント改善され、プラスに転じた。業種別では、製造業で15.2ポイント上昇の3.3、建設業で2.1ポイント上昇の△6.8、小売・卸売業で9.7ポイント上昇の11.6、サービス業で0.2ポイント上昇の△5.1と全ての業種で改善、特に製造業と小売・卸売業ではプラスに転じた。
一方、来期の見通しについては、製造業で引き続き改善を見込んでいるが、逆に建設業では6.8ポイント悪化を予測、全業種でも0.6ポイント悪化の1.0と、小幅ながらプラス幅が縮小する見通しである。
(4)採算(収益)DI(「好転」から「悪化」を差し引いた値)
今期の採算(収益)は前年同期と比較し、全業種で△12.2と前回調査(△17.5)より5.3ポイント改善された。全ての業種で上昇したが、中でも小売・卸売業では8.9ポイント増と上昇幅が大きい。
来期の見通しについても、全業種で4.5ポイント増の△7.7と、引き続きマイナス幅の縮小を予測している。業種別では、建設業で2.3ポイント減、サービス業でも5.0ポイント減と悪化を見込んでいる。逆に、製造業では18.0ポイント増の9.8とプラスに転じる他、小売・卸売業でも2.0ポイント増と改善が進む見通しである。
(5)その他
@製造業における原材料仕入価格DI(「上昇」から「低下」を差し引いた値)
今期は前年同期と比較し、63.9と前回調査(68.2)より悪化幅が縮小した。来期の見通しについても、さらに32.7ポイントの大幅な改善を予測している。
A製造業における製品在庫DI(「増加」から「減少」を差し引いた値)
今期は前年同期と比較し、4.9と前回調査(1.6)より幾分悪化したが、来期については△4.9と9.8ポイントの持ち直しを見込んでいる。
B建設業における受注(新規契約工事)額DI(「増加」から「減少」を差し引いた値)
今期は前年同期と比較し+−0と前回調査(△3.6)より幾分上昇したが、来期については△20.5と、一転マイナス幅の拡大を予測している。
C建設業における資材仕入価格DI(「上昇」から「低下」を差し引いた値)
今期は前年同期と比較し63.6と前回調査(53.5)より悪化したが、来期については50.0と、逆に13.6ポイントの改善を予測している。
D小売・卸売業における商品仕入価格DI(「上昇」から「低下」を差し引いた値)
今期は前年同期と比較し40.4と前回調査(35.1)より悪化したが、来期については34.6と、逆に悪化幅の縮小を見込んでいる。
E小売・卸売業における商品在庫DI(「増加」から「減少」を差し引いた値)
今期は前年同期と比較し△9.6と前回調査(△3.8)より改善されたが、来期については△3.8と水準を戻す見通しである。
Fサービス業における利用客数DI(「増加」から「減少」を差し引いた値)
今期は前年同期と比較し△10.3と前回調査(+−0)より大幅に下落したが、来期については+−0と、前期水準への持ち直しを予測している。
(6)経営上の問題点
今期直面している経営上の問題点(3つまでの複数回答)としては、製造業では「原材料価格の上昇」、建設業では「請負単価の低下」、小売・卸売業では「需要の停滞」、サービス業では「利用者ニーズの変化への対応」がそれぞれ第1位となり、前回同様の結果となった。また、第2位には、製造業で「従業員の確保難」、建設業で「材料価格の上昇」、小売・卸売業で「仕入単価の上昇」、サービス業で「需要の停滞」がそれぞれ挙げられた。
「従業員の確保難」については、建設業と小売・卸売業でも順位を上げており、全業種的に「需要の停滞」「材料価格(仕入単価)の上昇」と併せ、人材確保難もここにきて懸念材料として顕在化してきた。
@製造業(上位5項目分)
1.原材料価格の上昇 22.7%
2.従業員の確保難 16.2%
3.需要の停滞 10.4%
3.製品ニーズの変化への対応 10.4%
5.製造単価の低下 9.1%
A建設業(同)
1.請負単価の低下 25.4%
2.材料価格の上昇 15.3%
3.需要の停滞 13.6%
4.従業員の確保難 8.5%
5.経費(人件費以外)の増加 7.6%
B小売・卸売業(同)
1.需要の停滞 18.5%
2.仕入単価の上昇 15.1%
3.従業員の確保難 12.6%
4.大企業の進出による競争の激化 10.1%
4.販売単価の低下 10.1%
Cサービス業(同)
1.利用者ニーズの変化への対応 18.9%
2.需要の停滞 16.8%
3.新規参入業者の増加 12.6%
4.利用料金の低下 9.5%
5.従業員の確保難 8.4%
<データ>
【全業種】
項 目 | 前年同期比(前回) | 前年同期比(今回) | 来期の見通し |
景 況 | △16.3 | △ 8.7 | 3.6 |
売 上 額 | △ 5.1 | 3.1 | 9.3 |
資金繰り | △ 6.5 | 1.6 | 1.0 |
採算(収益) | △17.5 | △12.2 | △ 7.7 |
※売上額は、建設業では完成工事(請負工事)額
【製造業】
項 目 | 前年同期比(前回) | 前年同期比(今回) | 来期の見通し |
景 況 | △14.9 | △ 3.3 | 19.7 |
売 上 額 | △ 6.0 | 18.0 | 27.9 |
原材料仕入価格 | 68.2 | 63.9 | 31.2 |
製品在庫 | 1.6 | 4.9 | △ 4.9 |
資金繰り | △11.9 | 3.3 | 6.6 |
採算(収益) | △13.4 | △ 8.2 | 9.8 |
【建設業】
項 目 | 前年同期比(前回) | 前年同期比(今回) | 来期の見通し |
景 況 | △25.0 | △22.7 | △18.2 |
完成工事(請負工事)額 | △14.6 | △13.6 | △ 9.1 |
受注(新規契約工事)額 | △ 3.6 | 0.0 | △20.5 |
資材仕入価格 | 53.5 | 63.6 | 50.0 |
資金繰り | △ 8.9 | △ 6.8 | △13.6 |
採算(収益) | △28.6 | △25.0 | △27.3 |
【小売・卸売業】
項 目 | 前年同期比(前回) | 前年同期比(今回) | 来期の見通し |
景 況 | △11.1 | △ 5.8 | 5.8 |
売 上 額 | △ 1.9 | 13.4 | 13.5 |
商品仕入価格 | 35.1 | 40.4 | 34.6 |
商品在庫 | △ 3.8 | △ 9.6 | △ 3.8 |
資金繰り | 1.9 | 11.6 | 11.6 |
採算(収益) | △16.6 | △ 7.7 | △ 5.7 |
【サービス業】
項 目 | 前年同期比(前回) | 前年同期比(今回) | 来期の見通し |
景 況 | △14.2 | △ 5.1 | 0.0 |
売 上 額 | 1.7 | △15.4 | △ 5.1 |
利用客数 | 0.0 | △10.3 | 0.0 |
資金繰り | △ 5.3 | △ 5.1 | △ 5.1 |
採算(収益) | △12.2 | △10.3 | △15.3 |
●平成17年7〜9月期分
●平成17年4〜6月期分
●平成17年1〜3月期分
●平成16年10〜12月期分
●平成16年7〜9月期分
●平成16年4〜6月期分
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