岡崎市内景況調査結果
(平成17年7〜9月期分)
〜景況DIは1.2ポイント下降〜
岡崎市内の今期の景況DIは、前年同期と比較し△16.3と前回調査より1.2ポイント下降、小幅ながらも3期連続で低下した。業種別では、建設業、サービス業で改善がみられたが、製造業、小売・卸売業でマイナス幅が拡大した。特に、原材料価格が高騰している製造業で大きく下降したことが影響した。
来期の景況DIについては6.1ポイントの上昇を予測しており、4期ぶりに改善が期待される。
1.調査対象
(1)対象企業数 本所各部会役員・幹事事業所 500企業
(2)回答企業数 有効回答234企業(回答率46.8%)
2.調査対象時期
平成17年7〜9月期
(1)前年同期(平成16年7〜9月)と比べた今期の状況
(2)今期と比べた来期(平成17年10〜12月)の先行き見通し
3.調査時点
平成17年9月26日〜10月5日
4.調査方法
ファクシミリによるアンケート方式
5.有効回答企業数内訳
業 種 | 回答企業数 | 構成比 |
製 造 業 | 67 | 28.6% |
建 設 業 | 56 | 23.9% |
小売・卸売業 | 54 | 23.1% |
サービス業 | 57 | 24.4% |
合 計 | 234 | 100.0% |
6.その他
本報告書中のDIとは、「ディフュージョン・インデックス」(景気動向指数)の略で、各調査項目について「増加」(上昇、好転)した企業割合から、「減少」(低下、悪化)した企業割合を差し引いた値である。例えば、売上額で「増加」30%、「不変」50%、「減少」20%の場合のDIは、30−20=10となる。
<概 況>
(1)景況判断DI(「好転」した企業割合から「悪化」した企業割合を差し引いた値)
今期(平成17年7〜9月)の景況は、前年同期(平成16年7〜9月)と比較し、全業種で△16.3と前回調査(平成17年4〜6月、△15.1)より1.2ポイント下降し、小幅ながらも3期連続でマイナス幅が拡大した。
業種別では、建設業で8.3ポイント増の△25.0、サービス業で7.8ポイント増の△14.2と、それぞれマイナス幅が縮小した。逆に、製造業で13.4ポイント減の△14.9、小売・卸売業で4.0ポイント減の△11.1と、それぞれマイナス幅が拡大した。特に製造業は下降幅が大きく、これが全体を引き下げる要因となった。
一方、来期(平成17年10〜12月)の先行き見通しについては、全業種で△10.2と6.1ポイントの改善を見込んでいる。全ての業種でマイナス幅の縮小を予測、中でも小売・卸売業は11.1ポイント上昇し、+−0と大幅に改善する見通しである。
(2)売上額DI(「増加」から「減少」を差し引いた値)
今期の売上額は前年同期と比較し、全業種で△5.1と前回調査(△9.4)より4.3ポイント上昇した。業種別では、小売・卸売業で16.2ポイント下降、製造業でも7.6ポイント下降し、それぞれマイナスに転じた。逆に建設業は前期の反動もあって24.3ポイント上昇しマイナス幅が大きく縮小、サービス業でも19.7ポイント上昇しプラスに転じた。
一方、来期の見通しについても、全業種で4.6ポイント増の△0.5と、引き続きマイナス幅の縮小を予測している。業種別では、サービス業で5.4ポイント減の△3.7とマイナスに転じる他、建設業でも2.1ポイント減と僅かながら下降を予測している。逆に、製造業では今期の反動から18.3ポイント増、小売・卸売業でも5.6ポイント上昇し、それぞれプラスに転じる見通しである。
(3)資金繰りDI(「好転」から「悪化」を差し引いた値)
今期の資金繰りは前年同期と比較し、全業種で△6.5と前回調査(△7.6)より幾分改善した。業種別では、製造業で10.3ポイント悪化しマイナス幅が拡大したが、他の業種では小幅ながらそれぞれ改善した。中でも小売・卸売業は5.5ポイント上昇しプラスに転じた。
来期については、建設業でマイナス幅が拡大するが、他の業種では改善を予測、全業種で2.6ポイント増の△3.9と、さらにマイナス幅が縮小する見通しである。
(4)採算(収益)DI(「好転」から「悪化」を差し引いた値)
今期の採算(収益)は前年同期と比較し、全業種で△17.5と前回調査(△22.2)より4.7ポイント増と改善された。全ての業種で上昇したが、中でも建設業は前期の反動から10.3ポイント増と上昇幅が大きい。
来期の見通しについても、建設業で幾分水準を落とすが、他の業種ではさらに改善を予測、全業種でも4.7ポイント増の△12.8と、マイナス幅が縮小する見通しである。
(5)その他
@製造業における原材料仕入価格DI(「上昇」から「低下」を差し引いた値)
今期は前年同期と比較し、68.2と前回調査(67.2)より僅かながら悪化したが、来期の見通しについては逆に2.6ポイント増と幾分持ち直しを見込んでいる。
A製造業における製品在庫DI(「増加」から「減少」を差し引いた値)
今期は前年同期と比較し、1.6と前回調査(3.2)より幾分改善した。来期の見通しについても+−0と、さらに改善を見込んでいる。
B建設業における受注(新規契約工事)額DI(「増加」から「減少」を差し引いた値)
今期は前年同期と比較し△3.6と前回調査(△35.8)より32.2ポイント上昇し大幅に改善されたが、来期についてはその反動により△20.3と、一転マイナス幅の拡大を予測している。
C建設業における資材仕入価格DI(「上昇」から「低下」を差し引いた値)
今期は前年同期と比較し53.5と前回調査(51.9)より幾分悪化した。来期についても58.2と、さらに悪化幅の拡大を予測している。
D小売・卸売業における商品仕入価格DI(「上昇」から「低下」を差し引いた値)
今期は前年同期と比較し35.1と前回調査(23.3)より悪化した。来期についても40.7と、さらに悪化幅の拡大を見込んでいる。
E小売・卸売業における商品在庫DI(「増加」から「減少」を差し引いた値)
今期は前年同期と比較し△3.8と前回調査(△5.4)より幾分悪化、来期についても同様の水準を予測している。
Fサービス業における利用客数DI(「増加」から「減少」を差し引いた値)
今期は前年同期と比較し+−0と前回調査(△12.0)より大幅に改善したが、来期については△1.9と、小幅ながら悪化を見込んでいる。
(6)経営上の問題点
今期直面している経営上の問題点(3つまでの複数回答)としては、製造業では「原材料価格の上昇」、建設業では「請負単価の低下」、小売・卸売業では「需要の停滞」、サービス業では「利用者ニーズの変化への対応」がそれぞれ第1位となり、前回同様の結果となった。
第2位には、製造業で「従業員の確保難」、建設業で「材料価格の上昇」、小売・卸売業で「仕入単価の上昇」、サービス業で「需要の停滞」がそれぞれ挙げられた。中でも、製造業の「従業員の確保難」については前回の6位(7.2%)から急上昇、また小売・卸売業、サービス業でも5位に食い込むなど、全業種的に材料価格(仕入単価)の上昇と併せ、人材確保難が懸念材料になりつつある。
@製造業(上位5項目分)
1.原材料価格の上昇 25.6%
2.従業員の確保難 13.7%
3.需要の停滞 12.5%
4.生産設備の不足・老朽化 8.9%
5.経費(人件費以外)の増加 8.3%
A建設業(同)
1.請負単価の低下 20.5%
2.材料価格の上昇 19.9%
3.需要の停滞 11.9%
4.経費(人件費以外)の増加 9.3%
5.新規参入業者の増加 7.9%
B小売・卸売業(同)
1.需要の停滞 23.6%
2.仕入単価の上昇 14.2%
3.販売単価の低下 13.4%
4.大企業の進出による競争の激化 9.4%
5.従業員の確保難 8.7%
Cサービス業(同)
1.利用者ニーズの変化への対応 18.8%
2.需要の停滞 15.0%
3.利用料金の低下 10.5%
3.経費(人件費以外)の増加 9.0%
5.従業員の確保難 8.3%
<データ>
【全業種】
項 目 | 前年同期比(前回) | 前年同期比(今回) | 来期の見通し |
景 況 | △15.1 | △16.3 | △10.2 |
売 上 額 | △ 9.4 | △ 5.1 | △ 0.5 |
資金繰り | △ 7.6 | △ 6.5 | △ 3.9 |
採算(収益) | △22.2 | △17.5 | △12.8 |
※売上額は、建設業では完成工事(請負工事)額
【製造業】
項 目 | 前年同期比(前回) | 前年同期比(今回) | 来期の見通し |
景 況 | △ 1.5 | △14.9 | △12.3 |
売 上 額 | 1.6 | △ 6.0 | 12.3 |
原材料仕入価格 | 67.2 | 68.2 | 65.6 |
製品在庫 | 3.2 | 1.6 | ― |
資金繰り | △ 1.6 | △11.9 | △ 7.8 |
採算(収益) | △13.9 | △13.4 | △11.0 |
【建設業】
項 目 | 前年同期比(前回) | 前年同期比(今回) | 来期の見通し |
景 況 | △33.3 | △25.0 | △20.0 |
完成工事(請負工事)額 | △38.9 | △14.6 | △16.7 |
受注(新規契約工事)額 | △35.8 | △ 3.6 | △20.3 |
資材仕入価格 | 51.9 | 53.5 | 58.2 |
資金繰り | △18.5 | △ 8.9 | △14.6 |
採算(収益) | △38.9 | △28.6 | △30.9 |
【小売・卸売業】
項 目 | 前年同期比(前回) | 前年同期比(今回) | 来期の見通し |
景 況 | △ 7.1 | △11.1 | ― |
売 上 額 | 14.3 | △ 1.9 | 3.7 |
商品仕入価格 | 23.3 | 35.1 | 40.7 |
商品在庫 | △ 5.4 | △ 3.8 | △ 3.8 |
資金繰り | △ 3.6 | 1.9 | 5.6 |
採算(収益) | △19.6 | △16.6 | △ 9.2 |
【サービス業】
項 目 | 前年同期比(前回) | 前年同期比(今回) | 来期の見通し |
景 況 | △22.0 | △14.2 | △ 7.5 |
売 上 額 | △18.0 | 1.7 | △ 3.7 |
利用客数 | △12.0 | ― | △ 1.9 |
資金繰り | △ 8.2 | △ 5.3 | 1.8 |
採算(収益) | △18.0 | △12.2 | ― |
●平成17年4〜6月期分
●平成17年1〜3月期分
●平成16年10〜12月期分
●平成16年7〜9月期分
●平成16年4〜6月期分
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