4.まとめ

今回のアンケート調査によって岡崎にある企業の情報化の現状をはっきりさせることができた。それによって現れた平均的企業は以下のようなイメージとなる。

(1) 3/4が既にパソコンを導入しており、2/3は既にインターネットに接続済みである。しかしながら9割は現状の情報化について不満を持っている。また、8割近い企業がこれから情報化は必要であると考えている。
(2) パソコンやインターネットによって「新規顧客・市場開拓」や「作業効率の向上」が期待できると考えており、それらの導入のきっかけは「時流に乗り遅れない」ために、「経営者自らが判断」してというのが大半である。その導入時には「使いこなす自信がない」と「コスト負担」という不安を抱えている。
(3) パソコンやインターネットを導入していない理由としては「必要性を感じていない」と「使いこなす自信がない」というもので、経営者の本音と建前が出ている。
(4) インターネット活用はwebページ検索による情報収集が大半で自ら情報発信する企業はまだ少ない。1度でも経営者自ら電子メールを利用したことがある企業は6割にも満たない。
(5) 人材は専任者、詳しい従業員、外部スタッフそれぞれ4割前後の企業しか確保できていない。また、そのような人材を養成しようとしている企業は3割も満たない状況であり、このような状況下では効率的な情報化推進は困難を極めている。
(6) 商工会議所に期待するサービスは「ネットでの情報発信」と「教育機会の充実」が多く、外部相談者としての重要な立場にあると思われる。

 本報告の最初のほうに述べたように小規模企業は全回答企業数の半数を占めている。そのような状況でも3/4の企業にパソコンが導入されているということは、情報化が企業経営に大きく影響することを企業の経営者は十二分に理解しているということが言える。
 情報化のステップとして一般的に言われているのが1)業務効率化、2)企業内、企業間ネットワーク、3)戦略的活用である。ところがインターネットの普及・発展はこのシーケンシャルなステップを崩してしまっているように思われる。ということはノーランの発展段階説が当てはまらなくなってきているということである。そういった点に注目して次の調査を行いたい。


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