(16)問16.情報化教育について

 前設問(問15)で人材の確保状況を調べた。しかしながら情報化に詳しい人材は簡単に見つかるとは限らない。そこで現状の人材を教育することで「詳しい人材」を作り上げることが可能である。そのための方策を企業はどのように行っているのかを調べるための設問を3つ用意した。

 1)情報化教育(社内・外)について

 まずは、従業員に情報化教育を受ける機会を与えているかどうかを調べてみた。すでに「行っている」企業は、業務に直接には関連しないこともあり、情報化教育に関しては25.4%しかないが、「行いたい」まで含めると約半数の49.0%となる(図3-16-1)。やはり企業全体の情報リテラシーの向上についてはある程度の危機感を持っていると思われる。
業種別で見てみると、小売・飲食業と建設業で意欲が低いことがわかる(図3-16-2)。現状の景気動向も影響しているが、やはり業務に直接関連しない情報化教育に手が回らないということであろう。
 従業員規模別で見ると5人未満の企業は全体平均より低い数字が出た(図3-16-3)。従業員規模とは一応比例している。しかしながら、5〜19人、20〜49人、50〜99人では教育を「行っている」割合は3割弱であまり差がない。これが100人以上になると50%を超えるようになるのである。これはやはり従業員数におけるスケールメリットが出ていると思われる。

 2)業務時間中の情報化の研修・勉強会について

 1)では情報化教育全体の調査を行ったが、本設問では業務時間中における教育をどの程度受け入れられるかを調査するためのものである。無条件に認めている企業は20.8%で、全く認めていない企業(24.1%)より少ない(図3-16-4)。大半の企業は「受講内容による」で(55.1%)ある。75.9%の企業は条件付きであったとしても業務時間においても教育機会があればそれを認めるという結果である。このことは若干予想を上回るものであるが、非常に喜ばしいことである。
 業種別での傾向は、金融・保険業の全企業が「受講内容による」と回答し(図3-16-5)、小売・飲食業で認めているのが63.2%で一番低い。それ以外の業種は8割ほどでそれほど業種間の差異は認められないと思われる。
 従業員規模別で見てみると概ね従業員と比例関係にあると認められる(図3-16-6)。300人以上になると「全く認めない」回答はない。これが5人未満の企業になると条件付きであれ受講を認めるのは67.6%で全体平均(75.9%)より低い。それ以外は平均を上回っている。

 3)社内で情報化の研修・勉強会などについて

 本設問は1)、2)を1歩進めて社内で積極的に勉強会等を行っているかを調査するものである。結果としては61.7%の企業は「行っていない」と回答し(図3-16-7)、19.9%の企業が「行いたい」と回答している。結果81.7%の企業が研修・勉強会は行われていない。これはある程度予想されていた数字である。
 業種別で見ると、情報関連以外の業種では、多くても回答企業の1/3しか行われていない(図3-16-8)。その中でも保険・金融業においては「行っている」と「行いたい」との回答で占められ、「行っていない」の回答は皆無である。
 従業員規模別で見ると100人以上の企業にならないとなかなか行うことは難しいように思われる(図3-16-9)。本設問にもスケールメリットが現れている。

・前のページに  ・次のページに  ・最初のページに