3.回答結果集計 1

問1.パソコン導入状況

 全体でほぼ3/4の企業が導入している(図3-1-1)。導入済み企業の割合はほぼ予想通りであった。未導入企業において、導入を全く考えていない企業が2/3強(77件)となっている。97年に行った同様の調査と比較すると導入を考えている企業と全く導入を考えていない企業の割合が逆転している。このことは導入に関して二極分化がかなり進んできたということを示していると思われる。
もう少し詳細を見てみることとする。情報化、グローバリゼーションの波をもろにかぶっている金融・保険業、情報関連企業においては100%導入されている。一方、小売・飲食業、サービス業、建設業は従業員規模も小さいこともあり、導入に関して他の業種に比べて遅れていることがわかる(図3-1-2)。また、従業員規模で調べてみると従業員が20人以上いる企業では90%以上導入されている。ところが5人以下の小規模企業になると6割強しかない(図3-1-3)。予想された結果とはいえ、情報化に関する企業の規模間格差が進んでいると言わざるを得ない。
 付問として導入台数も調べてみた。その結果を図3−1−4、図3−1−5に示す。全体での平均導入台数は8.79台である(本データにはサービス業にある特異的な値(1,800台)を除いて集計してある)。業種別でみるとやはり小売・飲食業、建設業が平均を下回っている。ここで注目すべきは金融・保険業である。導入台数は平均をかなり下回っている(3.75台)。これはパソコンが企業全体の業務のみに利用されており、営業活動などには利用されていないことと考えるのが妥当であろう。従業員規模別でみてみる。平均従業員数が集計されていないためアバウトな数字になるが、どの企業においても1人1台にはほど遠い数字になっている。


(2)問2.パソコンを導入しない理由

 本設問は問1で判明した未導入企業に対してその理由を問うものである。
 回答として最も多かったのが「必要性を感じない」(52.5%)で、「使いこなす自信がない」(50%)、「コスト負担」(27.5%)と続く。「人材がいない」の回答は当初の予想よりも若干少ないものとなった。
自動車関連の製造業は「必要性を感じない」と思い、「使いこなす自信がない」とは感じていない。ところが、その他の製造業においては両者とも感じている。一方、建設業の多くの企業が「必要性を感じない」(80%)と答えており、ポイントで「使いこなす自信がない」の2倍ある。これは回答企業の大半が従業員規模が5人以下であることも大きく影響していると思われる。
 従業員規模別でも面白い結果が出ている。従業員数が20〜49人の回答全企業において「コスト負担」と「相談相手がいない」の2つを選択し、「人材がいない」には選択していない。これは「なんとか使える人材は揃っているのだが、導入台数もある程度まとまった数が必要でコストがかかるし、導入するからには成功させなければならない。それにはやはり相談相手が必要である」というストーリーが思い浮かぶことができる。これが従業員数が100〜299人になると、コストと社内の人材がおおきく導入を阻んでいる。


・前のページに  ・次のページに  ・最初のページに