式 辞
本日、ここに岡崎商工会議所創立108周年記念式典を開催いたしましたところ、ご多忙の中を、ご来賓ならびに役員・議員・会員のみなさまには多数ご臨席賜わり、厚く御礼申しあげます。
岡崎商工会議所は、明治25年11月15日に、西三河一円を区域として設立されました。全国では16番目、愛知県下では、名古屋に次いで2番目の歴史をもつ商工会議所でございます。
創立記念式典にあたり、今日の隆盛の基盤を築いていただいた先輩各位のご努力をたたえ感謝申しあげます。あわせて商工会議所の運営や事業活動に対しご指導、ご協力いただいております国、県、市ならびにご来賓、会員各位に厚く御礼申しあげます。
さて、わが国経済は、政府の経済政策の効果により、景気は緩やかながらも回復の兆しを見せております。
しかしながら、昨今の生命保険会社や百貨店の相次ぐ破綻に象徴されますように、企業倒産の増加など経営環境は改善されておらず、中小企業にとりましてはまだまだ厳しい状況にあります。
こうしたなか、国ではいま、臨時国会において、景気回復と構造改革を柱とした11兆円もの補正予算が審議されております。これら経済対策の効果が一日も早く現れることを期待するものであります。
加えて、当地域では、発展の鍵を握る国家的プロジェクトが本格的に動きはじめました。中部国際空港は2005年の開港に向け、本年8月に着工となりました。また、愛知万博は、本年12月のBIE総会での正式承認に向け、その準備が進められております。
また、首都機能移転は、本年5月に候補地を一箇所に絞り込むとの国会決議がなされました。愛知と岐阜地域が移転候補地に選ばれることを期待し、今後も積極的に誘致運動に取り組んでまいりたいと存じます。
岡崎市では、このほど柴田紘一新市長が誕生し、新しい執行部も決まりました。新しい市議会のもとで新たな市政運営がなされるものと期待いたしております。商工会議所といたしましても、従来にも増して、市との連繋を深め、地域の発展に寄与してまいりたいと存じます。
21世紀を目前に控え、商工会議所の運営にも大きな転機が訪れております。
IT革命の言葉に象徴されますように、従来に見られないスピードで経営環境は大きく転換しようとしております。私どもはこうした大きな流れに取り残されないよう、中小企業のために一層の支援をしなければなりません。
商工会議所自らも対応を図る必要があります。そのため岡崎商工会議所では今年度始めから「21世紀アクションプログラム」の見直し作業をすすめております。
これは、21世紀に向けて岡崎商工会議所のあるべき姿や活動の重点目標を示す指針となるものです。
こうしたなか、岡崎商工会議所では、現在、地域活性化のため、3つの大きな課題に取り組んでおります。
まず、1つ目が「中小企業のIT化支援」であります。
第3次産業革命とも言われておりますITの進展は目を見張るものがあります。IT革命は、新しいビジネスチャンスをもたらす代わりに、乗り遅れると取り返しのつかない危険もはらんでおります。企業は、こうした流れに対応した新しい経営環境を整えることが大切になってまいります。
商工会議所では、中小企業の情報化支援活動を「ミレニアム・プロジェクト」と位置付け、会員向けのパソコンを用意して、インターネットの接続、ホームページ作成まで一貫したサポート体制のもとに、中小企業の情報化を支援してまいります。
そして、企業のインターネットを活用したビジネスの創造を促進してまいります。
2つ目が「中心市街地の活性化」であります。
商工会議所では、中心市街地活性化法のもとに、具体的な街づくりを推進する組織、いわゆる「街づくり会社 TMO」の設立に向けて準備を進めております。
また、新しい特産品の開発を目指し「特産品開発推進事業」に取り組み、地場産業の振興と販路開拓にも努力いたしております。
本年7月からは中心街の空き店舗を利用して「街情報ステーション」を開設いたしました。インターネット教室としても市民から好評を得ております。また「フラワーコンテスト」などの事業を通じ「花づくりから街づくり」をテーマに、美しい花に彩られた魅力あるまちづくりにも取り組んでおります。
これらの活動を推進するにあたっては、地域の大学や団体、市民のご協力が必要です。商工会議所を中心にJAや医師会など市の各界で構成する「21世紀を創る会・みかわ」が7月にNPO法人の認証を受けました。今後とも、情報ネットワークの活用による各分野での市民活動を支援し、地域活性化に貢献してまいりたいと思っております。
3つ目が「創業と経営革新の支援」であります。
本年1月から、商工会議所内に「岡崎中小企業支援センター」を開設し、新規創業の相談、創業塾をはじめとしたセミナーの開催、専門家の派遣などにより新規開業や小規模事業者による業態変換を支援し、雇用の創出に努めております。
今後とも情報、介護、福祉、環境などあらゆる分野で新たな産業・創業が起ってくるものと期待いたしております。
これらの事業活動に対しまして、ご来賓ならびに会員各位の一層のご支援とご協力をお願い申しあげます。
さて、本日は、この創立記念式典におきまして、創業310周年を迎えられた事業所をはじめ、10年毎の節目を迎えられた351事業所を「永年継続事業所」として顕彰させていただきます。いずれも永年にわたり、事業経営を通じ地域商工業の発展に寄与された事業所でございます。ここにあらためて、深く敬意と感謝を申しあげます。
また、永年にわたり商工会議所の運営にご協力いただいております役員・議員の方々に対し感謝状を贈らせていただきます。これまでのご支援、ご協力に対し、心より感謝申しあげます。
終わりに、岡崎市ならびに本市産業界の発展と、みなさま方の事業がますます繁栄されますよう祈念いたしまして式辞といたします。
平成12年11月15日
岡 崎 商 工 会 議 所
会頭 大 川 博 美
戻る