●前年比、金額96円減、上昇率0.07ポイント増 本所では岡崎市内主要事業所120社を対象に標記調査を実施しているが、5月28日現在で63社から回答を得た。このうち、妥結または決定済みの事業所は55社で、妥結・決定額は全業種平均で3,394円、上昇率は1.34%(年齢38.8歳、勤続年数12.1年)となった。 現時点の妥結・決定済み事業所について前年の実績と単純に比較すると、[表−2]のとおり金額では96円減、上昇率でも0.07ポイント増で、金額・上昇率ともにほぼ前年と同水準の結果となった。 ●業態間の格差拡大。製造業が非製造業を大きく上回る 業態別では[表−1]のとおり、製造業(29社)で平均金額4,026円、上昇率 1.61%(年齢38.5歳、勤続年数12.6年)、また非製造業(26社)で平均金額2,603円、上昇率0.98%(年齢39.1歳、勤続年数11.6年)となった。 前年と比較すると製造業は金額・上昇率とも上回り(前年比655円増、0.33%増)、反面、非製造業では金額・上昇率ともに下回る(前年比1,047円減、0.28%減)結果であった。 製造業と非製造業との業態間では、単純比較すると金額では1,423円・上昇率では0.63%の差が出ており、金額・上昇率ともに製造業が非製造業を大きく上回った。 業種別では、『製造業:化学』が前年比金額929円増・0.69%増に対し、『非製造業:卸・小売業』は前年比金額1,697円減・0.34%減との結果となり、平成19年以降、業態間の格差が縮小傾向にあったが、一転、大幅に拡大する結果となった。経済の回復の兆しが反映されつつも、非製造業は依然厳しい状況といえる。 また、賃上げゼロ(ベアゼロ・定昇凍結または見直し)とする事業所は全体で8社あった。 ●金額・上昇率とも全業種で約3割が「増加」 一方、前年の妥結・決定実績と比較すると、全業種で金額が増加した事業所は27.9%、横ばい34.9%、減少37.2%。また、上昇率では増加36.1%、横ばい22.2%、減少41.7%となった。 金額・上昇率とも全業種で「増加」が約3割を占める結果となったが、依然として「減少」が「増加」を上回っている。業態別でみると非製造業は前年同調査時と同様の結果であったが、製造業では「増加」と回答した事業所が前年同調査時に1割にも満たなかったが、今回調査時では金額で4割強・上昇率で6割となり、製造業が全体の回復を牽引する結果となった。 |
金額 | 上昇率 | 基準内賃金 | 年齢 | 勤続年数 | |
全業種(55) | 3,394円 | 1.34% | 267,898円 | 38.8歳 | 12.1年 |
製造業(29) | 4,026円 | 1.61% | 250,268円 | 38.5歳 | 12.6年 |
繊維(6) | 3,641円 | 1.36% | 220,489円 | 43.0歳 | 15.2年 |
化学(6) | 3,891円 | 1.82% | 260,234円 | 37.5歳 | 11.3年 |
機械金属 (11) | 4,130円 | 1.51% | 264,831円 | 37.4歳 | 12.7年 |
その他(6) | 4,387円 | 1.74% | 233,456円 | 37.1歳 | 11.1年 |
非製造業(26) | 2,603円 | 0.98% | 287,732円 | 39.1歳 | 11.6年 |
建設 (8) | 1,818円 | 0.66% | 310,060円 | 41.4歳 | 10.7年 |
卸・小売(8) | 2,931円 | 1.45% | 274,860円 | 35.9歳 | 10.7年 |
サービス・その他(10) | 3,086円 | 1.06% | 281,808円 | 40.2歳 | 13.1年 |
金 額 | 上昇率 | |
13年 | 4,384円 | 1.61% |
14年 | 3,219円 | 1.19% |
15年 | 3,210円 | 1.18% |
16年 | 3,500円 | 1.30% |
17年 | 3,903円 | 1.42% |
18年 | 4,240円 | 1.62% |
19年 | 4,503円 | 1.73% |
20年 | 4,534円 | 1.74% |
21年 | 3,460円 (3,490円) | 1.27% (1.27%) |
22年 | 3,394円 | 1.34% |
※表−2は年次により集計対象数および調査対象が同一でありませんので、ご注意ください。 平成22年については、5月28現在の集計結果。 平成21年の( )は、平成22年5月28日現在妥結・決定事業所の平成21年実績。 ※表中の計数は全て単純平均によります。 ※本調査では、組合のない事業所については「改定」「決定」、組合のある事業所については「交渉」「妥結」という語句を用いています。 |