「岡崎学は岡崎を越えて」


<受講者アンケート質問結果>

・・・・青井先生からの質問の返答・・・・


Q1.ものづくりのホームページを見たいのですが?
名称は「人間環境大学ものづくり研究会」です。
万博開催にともない、県民参加の理念の下、愛知県地域連携プロジェクトの一貫として広く県下で展開されたグリーンマップ運動のひとつ、「西三河グリーンマップ」の作成のために学生有志を集めて結成したグループです。
ものづくり研究会のHP(ブログ)はこちら↓
http://semi.uhe.ac.jp/~aoao/monokenblog/

*こちらは活動日誌のようなものです。ものけんの公式HPは鋭意作成中ですのでご期待ください。
西三河グリーンマップのHPはこちら↓
http://www.nishimikawagreenmap.jp

*開いたページの右上、「西三河きわめつけものづくり」というボタンを押して、12市町のなかからご覧になりたい市・町を選んで、地図やメニューからお楽しみください。



Q2.ものづくり研究会の万博後の展開について今考えていることは?
万博後の「人間環境大学ものづくり研究会」の展開については、岡崎大学懇話会主催「第5回学生フォーラム」(3月4日/コミュニティ・サテライトオフィス=松坂屋7F)で、メンバーが「宣言」することになっております。ひとつだけ予告的に申しますと、活動の舞台は「岡崎」になりますので是非ご注目と応援をお願いします。是非「第5回学生フォーラム」にお出かけください。



Q3.講義の中で、「今後岡崎が開発すべき場所、力を入れるべきエリアが明確 ではないことはかなり問題」とおっしゃっていました。青井先生の持論ではど のような展望が望ましいと思いますか?
Q4.駅、公共施設の分散している現状ですが、このデメリットは何かに活かす ことは考えられないか、先生の意見を聞かせてください。
(→Q3,4はまとめて答えます)

たとえばバス会社の立場になってください。分散型の都市では、人があまり乗らない路線が四方八方に広がってしまい、運転手も燃料もたくさん必要です。同じ人口でも、もっと密度の高い集約型の都市なら、短くて少ない路線に人がたくさん乗ることになって、バス会社の経営はずっと楽になり、サービスが改善されます。こういう都市の中心部はきっとにぎやかで、効率がいいし、そもそもバスがちゃんと走るということは高齢化時代にとても重要なことです。同じように、道路とか、公共機関とか、商業とか、駅とか、様々なものが分散していればいるほど、都市は賑わいも効率も福祉も失ってしまうわけです。

分散の「デメリット」は、他にもいくらでもあげていくことができます。逆に、分散に「メリット」があるとしたら、それはよほど過密・過大な都市(=東京)だけではないでしょうか。

市街地の拡散は日本全国の都市に多かれ少なかれ共通する問題なのですが、多くの市民が「ここが中心です」とそれなりにはっきり認識できる都市は少なくありません。そういう核があれば、たとえそこが衰退していても、それを強めるように努力することができます。中心部を強くし、様々な機能が集まった、便利で活気のある核をつくることが、都市全体を生かす道です。

岡崎はこの点で難しい状況にあります。市街地が非常に拡散しており、明確な中心が定まってない、あるいは中心がいくつもある、という状況です。この状況では、たとえば市がどこかに集中的にお金を使ったら反発もあるでしょうし、かと言って「薄く広く」では効果があがらず、しかも拡散状態をいつまでも打開できません。

私は、基本的には昔の城下町=いわゆる中心市街地を、「岡崎の中心」と考えるべきだと思っています。たとえば市は、公共的な機能を30年かけてでも次第に中心部へ集める、という方針を樹てられないものでしょうか。市役所、図書館、警察署、税務署、郵便局、病院、商工会議所、・・・全部バラバラですが、それをいくつかでも集める。図書館(生涯学習拠点施設)はまもなく中心市街地に建設されますが、他の施設も老朽化のタイミングなどを見ながら、順次中心部へ戻す計画をつくる。そういう大きなロードマップが示されれば、商業サイドも目標が持てます。商店街活性化はもちろん商業者が主役ですし、地道な取り組みが不可欠ですが、都市政策の長期的な裏付けが、持続的な積み重ねを支えなければなりません。市民が時代の波に翻弄されずに、より着実な積み重ねをしていけるように、大きな柱を樹てることが必要だと思います。

もっとも、鉄道駅の分散は解消できないだろうと思います。ですから、たとえばJR岡崎駅前などもひとつの「小さな中心」とみなす必要があります。「小さな中心」では、基本的には地区に密着したサービスを徹底的に考える一方で、公共機能についても何を立地させるか、しっかりしたヴィジョンを持たなければなりません。

いずれにせよ、30年あるいは50年先の都市の全体像を描き、そこに到達するためのロードマップを首長が責任をもって描くこと、これが出発点だと個人的には考えます。いま方針が樹てにくいのは事実だと思いますが、それならば次の世代が方針を樹てやすい都市をつくるしかありません。