平成11年度コーディネート活動支援事業成果報告書(抜粋)





1.事業の題名
 情報通信ネットワークを利用したバーチャル商用事業およびバーチャル教育事業等の創出に対するコーディネート活動

2. 事業実施者
T.コーディネート機関名;岡崎商工会議所
U.コーディネータ名  ;草間晴幸 : 大阪大学大学院助教授
             服部良男 : 服部工業株式会社取締役社長
                   岡崎商工会議所常議員、情報化委員会委員長

3. 事業内容
T.事業全体の概要
・事業の目的、ねらい
 需要動向の変化、情報化の進展等による経営環境の変化の中、中小企業が大企業と伍して競争していくためには、比較優位性のある技術・経営ノウハウを発掘、特定し、人材、資金等を重点投入するとともに、それ以外については、外部専門家からのアドバイス、他企業、研究機関等との提携等をニーズに応じて組み合わせ、外部機関との連携の形で確保(外部経営資源を活用)することが極めて重要である。
 そのため、中小企業からの相談をもとに個々の課題を分析・特定し、その課題解決に最適な外部経営資源を引き合わせ、連携を側面的に支援することを目的とする。

・事業の概要[B事業]
 平成10年度の「コーディネート活動支援事業」の成果をふまえ、新事業の創出ならびに創業支援を推進するため、中小企業等と外部経営資源や外部知的資産のマッチングを行う。

(1)バーチャル・ベンチャー・コーポレーション・フロンティアの法人化支援
市民起業家によって設立された任意団体バーチャル・ベンチャー・コーポレーション(VVC)フロンティアの法人化を進めるため、他の外部経営資源に対し広報活動を行ない、最適な外部経営資源の引合わせ活動を行う。

(2)「21世紀を創る会・岡崎」の法人化支援
 特定非営利活動法人(NPO)への発展を計画している任意団体「21世紀を創る会・岡崎」に対し、NPOが目途としている活動目的(「地域の情報化」、「地域の福祉対策」、「地域の街づくり」、「地域の観光事業対策」等)を達成するために最適な外部経営資源との引合せ活動を行なう。その一環として大学教官の講演会等による知的資産の活用等を計画する。

(3)アクティブ・バーチャル・モールの検討と試作
・岡崎市内中小企業者が現存のバーチャル・モールの短所(アクセスの初動が購買者から始まる等)を解決する新しいシステムをVVCフロンティアのサーバ上に試験構築するため、現存するバーチャルモールの現状と問題点の調査を行う。
・アクティブ・バーチャル・モールの試験構築のために、新事業創出研究会(バーチャルモール研究会)を設置しシステム構成等について検討させ、システム構築に最適な外部経営資源との引合せを行なう。
・試験構築したアクティブ・バーチャル・モールへの参加企業を募り、テスト運用を行い、その結果を報告書またはインターネットのホームページ上で中小企業に公開し、新たな中小企業者の参加および発掘を行う。

(4)通信制大学院の設立に関わる検討とシステムの試作
・岡崎市内で外国人に対して日本語教育を行っている言語文化研究所を通信制大学院(米国ではバーチャルユニバーシティと呼ばれる)に発展させる事業課題を解決するため、通信制大学 院および遠隔教育システムに関する調査および情報収集を行い、通信制大学院の設立に協力的な外国の大学との引合わせ活動を行う。
・通信制大学院のプログラムおよびコンテンツ開発への参加企業を募り、バーチャルユニバーシティ研究会を結成し、システム構成等について検討させるとともに、システム構築に最適な外部経営資源との引合せを行なう。
・研究会構成員のアイデアによる試作システムをVVCフロンティアのサーバ上に試験構築するため、VVCフロンティアとの引合せを行なう。
・テスト運用結果を報告書あるいはインターネットのホームページ上で公開し、今後の問題点を把握し、問題解決のために最適な外部経営資源を引き合わせる。



U.事業結果の詳細

(1)バーチャル・ベンチャー・コーポレーション(VVC)フロンティアの法人化支援

1.株式会社インターフロンティアの創業

2.平成7年12月、「21世紀を創る会・岡崎」を母体として情報通信分野のベンチャー事業創出の支援を目的としたOkazakiマルチメディア研究会(略称OMS)が設立された。
平成9年6月、OMSの設立発起人を中心とした岡崎市内の市民起業家の篤志により、バーチャル・ベンチャー・コーポレーション(VVC)フロンティアが設立された。VVCフロンティアはインターネットのサーバ上にバーチャルスペースを保有し、ホームページの運営管理とメイリングリストによる電子メールの交換を行うことにより、地方自治体、企業間の協調活動ができるようになっている。このホームページでは、市内商工関係者から建設が熱望されていた市内中核施設のハイコンプレックス21のコンピュータグラフィックスを始め、中三河地域の市町村の活動、小中学をも含んだ教育関連施設やジャンル別企業の紹介情報を閲覧することができる。また、VVCフロンティアは通商産業省の認可団体ニューメディア開発協会の平成9年度事業「知的資産ネットワーク形成事業」のホームページとしても活用された。VVCフロンティアの運用を通じて、産学官協調活動のノウハウを取得できた。

3.2の経過と平成10年度に実施した「コーディネート活動支援事業」の成果をふまえ、地域活性化を目的とする任意団体VVCフロンティアが、情報通信分野のベンチャー企業・株式会社インターフロンティアとして法人化するため、必要となるインターネットサーバに関する技術支援、並びに、株主として出資できる可能性のある外部経営資源との引き合わせ事業を行った。

4.「コーディネート活動支援事業」の支援によって、平成11年10月下旬に、株式会社インターフロンティアが創業し、地域内の中小企業あるいは市民起業家が協調することでベンチャー企業を創出できることを、地域の内外にアピールしてインパクトを与えることができた。

(2)「21世紀を創る会・岡崎」の法人化支援

1.「21世紀を創る会・岡崎」のNPO[21世紀を創る会・みかわ」への発展

2.平成7年5月に、岡崎市の地域の活性化をめざす任意団体「21世紀を創る会・岡崎」が設立された。この団体は、地域における真の豊かさを実現するために、中心市街地活性化を始めとする街づくり支援事業、歴史・文化の再発見を通して地域の資産を見直す事業などを行ってきた。
 また、平成9年11月には、地域における産学協調活動に寄与するため、岡崎市内の2大学4短期大学との連携による「岡崎大学懇話会」が設立された。この会は米国のシリコンバレー地区の発展に寄与したスマートバレー公社を模倣したスマートバレージャパンおよび三河スマートバレーネットワークにも協賛し、岡崎地域のみならず三河地域および全国のネットワーク活動に大きく貢献した。

3.任意団体「21世紀を創る会・岡崎」が「特定非営利活動法人(NPO)21世紀を創る会・みかわ」として法人化し、岡崎市を中心とする三河地域において、民・産・官・学が連携、協調活動を推進して、医療・福祉・社会教育・文化・芸術・スポーツ・情報・市民活動の分野におけるまちづくりを積極的に取り組む組織となるために、必要となるインターネットサーバに関する技術支援、並びに、NPOへの発展途上である「21世紀を創る会・岡崎」の活動目的「地域の情報化」、「地域の福祉対策」、「地域の街づくり」、「地域の観光事業対策」等に貢献するために、岡崎市内2大学4短期大学の研究者を中心とした組織・岡崎大学懇話会と連携して、講演会・交流会を年5回開催した。

(第1回)まちづくりシンポジウム
 平成11年 7月23日(金) 13:15〜15:15 参加者 32名
  第1部 基調講演『都市の蘇生 ―まちづくりにおける手法と展開―』
      講師 愛知産業大学造形学部建築学科 助教授 山田雅美 氏
  第2部 パネルディスカッション『まちづくりの実践と提案』
      パネリスト 愛知産業大学造形学部建築学科 助教授 山田雅美 氏
            ノブギャラリー        代表  鴨下延弘 氏
            株式会社宝金堂     専務取締役  佐谷 智 氏
(第2回)平成11年 8月27日(金) 14:00〜16:00 参加者 34名
     講演『人がまちを創り、まちが人を創る』
         講師 愛知産業大学造形学部建築学科長 教授 田島 學 氏
(第3回)平成11年 9月24日(金) 14:00〜16:00 参加者 52名
       講演『観光という名のまちづくり』
         講師 愛知学泉大学家政学部 教授 内田州昭 氏
(第4回)平成11年11月24日(水) 13:00〜17:00 参加者 28名
     講演『小売業態の革新と顧客満足:米国における消費者行動を中心に』
         講師 岡崎学園国際短期大学 英米学科 助教授 岡本 純 氏
       『近世中国の学校教育』
         講師 岡崎学園国際短期大学 国際文化学科 助教授 渡 昌弘 氏
(第5回)平成12年 1月26日(水)13:00〜17:00 参加者36名
     講演『お金よもやま話』
         講師 岡崎女子短期大学 教授 飛田 紀男 氏
       『企業の役割と地域福祉の課題』
         講師 岡崎女子短期大学 教授 加藤 佳子 氏

4.「特定非営利活動法人21世紀を創る会・みかわ」に対して、岡崎市内の2大学4短期大学の協調支援活動へのネットワークが確立された。

(3)アクティブ・バーチャルモールの検討と試作
1.アクティブ・バーチャルモールOZ(オズ)への参加テナント企業(73社) <50音順>
  株式会社アーテック 〔食品安全(厨房・台所)〕
  愛知中央三菱自動車販売株式会社 〔自動車ディーラー〕
  株式会社アイナ [輸送(トラック輸送)]
  青山産業株式会社 [産業資材(フェルト)}
  合資会社旭軒元直 [和菓子]
  有限会社アンファン [婦人服]
  有限会社イーエルプランナーズ [パソコン(組立・パソコン操作指導)]
  有限会社飯田看板店 [看板]
  泉屋酒店 [酒類販売]
  磯部ろうそく店 [ろうそく]   株式会社一心堂印房 [印鑑(印章販売)]
  株式会社稲垣屋 [玩具(花火)]
  株式会社イナック [設計試作品の製作・加工]
  株式会社イフ [収納(システム収納)]
  岩瀬食品有限会社 [食品加工(製麺)]
  上地自動車学校 [自動車学校]
  エスパスビルディング株式会社 [物件仲介]
  M&Pレーベル [音楽(プライベートライブ・ライブ情報)]
  太田油脂株式会社 [食品加工(食用油)]
  リビングセンターHANDS<岡崎製材株式会社> [インテリア]
  株式会社岡崎ニューグランドホテル [ホテル]
  Officeニュートンズ・アイ [企画(マーケティング・販促代行)]
  株式会社小野ふとん店 [寝具]
  画房鴨下 [画材販売]
  グリーンクラフト [カッティングシート(カード印刷)]
  くるま工房元気屋 [自動車(車検・修理・整備)]
  有限会社コンドウ靴鞄店 [靴・鞄]
  さえぐさ [旅行(横型スーツケース)]
  さ五徳サムラート珈琲 [お茶・珈琲(珈琲豆卸)]
  澤田繊維産業株式会社 [靴下・手袋]
  柴久園 [ファーム]
  株式会社サンガーデン [生花・園芸用品・イベント企画]
  サンヨウー建設株式会社 [インテリア(備長炭)]
  志賀為株式会社 [リサイクル(生ゴミ処理機)]
  柴田石材工業所 [石の総合工房、アートストーン]
  SIM NET(柴田 祐作) [コンサルタント(経営コンサルタント)]
  清水組石材工業株式会社 [石材]
  株式会社正文館書店 [書店(教科書・参考書販売)]
  株式会社スギウラくろーど [婦人服]
  株式会社第一ナンブ [医療・介護(薬局)]
  タイヤショップ ヒッツ<有限会社ヒッツ> [自動車(新品・中古タイヤ販売)〕
  有限会社竹田鍍金工業 [鍍金塗装]
  有限会社たくみ産業 [収納(手作り無垢素材家具)]
  竹千代温泉 [レジャー(温泉)]
  合資会社多々内モータース商会 [自動車(車検・修理・整備)]
  呈峰会館 [習い事(フルコンタクト空手)]
  東亜システム株式会社 [防犯グッズ]
  東進衛星予備校 岡崎南校 [進学塾]
  有限会社ときや小林呉服店 [呉服]
  株式会社名古屋カラー三河現像所 [現像(フィルム現像・F‐Diサービス)]
  西日本電信電話株式会社岡崎支店 [通信(電話)]
  有限会社ニュートンプラスイー [写真(記念撮影・CD製作)]
  株式会社庭善造園 [造園・剪定]
  ノブギャラリー [画廊(絵画販売)]
  有限会社ホタルヤ [写真(現像・写真教室)]
  ホテル平成 [ビジネスホテル]
  合名会社備前屋 [和菓子]
  ファンシータカバ [靴]
  株式会社フカツ電化社 [音楽(レンタルCD・TVゲーム)]
  フリーエージェンツ [美容・健康(サプリメント・ダイエット)]
  ブレイン株式会社 [携帯電話]
  株式会社宝金堂 [装飾品(宝石・時計・カメラ)]
  株式会社まごころ [フードサービス]
  株式会社むらかみ [珍味・特産品]
  めぐみワンダーランド [託児所]
  有限会社メナード上和田販社 [化粧品販売]
  株式会社ヤマサ [デジタル化(DTP・ネット継続・PC講座)]
  YAMASA言語文化研究所 [習い事(子供英会話教室)]
  ヨシダデンキ<株式会社吉田無線電気商会> [家電]
  シルバーネット岡崎<有限会社レミックス> [医療・介護(介護用品)]
  六本木 [洋風懐石料理]
  バイシャンタン((有)ワイワイカンパニー) [飲食業(ラーメン)]

2.岡崎商工会議所は、平成8年10月に新たなビジネスシーズの発掘や新事業創出の検討を目的に「新事業創出研究会」を発足した。平成9年度には、26事業所が参加し、19回の分科会と8回の全体会議を重ね、「マルチメディアプロジェクトからの提案」をまとめた。
 平成10年度には、「コーディネート活動支援事業」で行った「新事業創出研究会」から生まれたニュービジネス構想「いながらNet」(宅配システム)について事業化の検討を行った。今年度は、それに関わる情報発信システムの部分を具現化するために、現存するバーチャル・モールの現状と問題点の調査を行った後、既存のバーチャル・モールの短所(アクセスの初動が購買者から始まる等)を解決する新しいシステムをVVCフロンティアのサーバ上に試験構築した。

3.地域の中小企業と外部経営資源とを引き合わせる手段として、アクティブ・バーチャルモール研究会を設置し、以下のように11回の研究会とテナント相談会、マーケティング会議を開催した。

 (第1回) 平成11年7月16日(金)  14:00〜16:00  参加者 39名
     「バーチャルモールの現状と課題」
 (第2回) 平成11年8月 6日(金)  14:00〜16:00  参加者 24名
     「アクティブ・バーチャル・モールの概要とデモンストレーション」
 (第3回) 平成11年 9月10日(金)  14:00〜16:00  参加者 31名
     「アクティブ・バーチャル・モールの構築・運用に向けて」
 (第4回) 平成11年10月13日(水) 14:00〜16:00  参加者 38名
     「アクティブ・バーチャル・モールの運用方法・ルールにつき確定」
 (第5回) 平成11年10月21日(木) 14:00〜16:00  参加者 32名
     「アクティブ・バーチャル・モールのデモンストレーション」
 (第6回) 平成11年10月27日(水) 14:00〜16:00  参加者 34名
     「決済システムの現状とOZにおける決済テナントの考え方について」
 (第7回) 平成11年11月11日(木)  14:00〜16:00  参加者 34名
     「アクティブ・バーチャル・モールOZの現状について」
 (第8回) 平成11年12月9日(木)  14:00〜16:00  参加者 37名
     「インターネットの動画像について」
 (第9回) 平成11年12月22日(水) 15:00〜17:00  参加者 29名
     「アクティブ・バーチャル・モールOZのルールついて」
 (第10回)  平成12年 1月12日(水) 14:00〜16:00  参加者 27名
     「アクティブ・バーチャル・モールOZのルールついて」
 (第11回)平成12年 2月23日(水)  14:00〜16:00  参加者 37名
     「アクティブ・バーチャル・モールOZの試験運用の評価と今後の展開について」
 (テナント相談会)平成11年10月18日(月)13:30〜16:00  参加者 13名
     「アクティブ・バーチャル・モールにおけるテナント情報の発信手法」
 (インターネット体験講習会)平成11年11月1日(月)13:30〜15:30 参加者 6名
     「アクティブ・バーチャル・モールOZにおけるテナント会議室へのメール送信の仕方」
 (インターネット研修会)[入門コース]平成11年12月14日(火)13:30〜16:00 参加者11名
     「インターネットの概要説明」
 (インターネット研修会)[初級コース]平成11年12月20日(月)13:30〜16:00 参加者 6名
     「アクティブ・バーチャル・モールOZを有効活用するために」
 (第1回OZマーケティング会議)平成11年12月22日(水)14:00〜14:50 参加者25名
     「モールの演出とマーケティングついて」
 (第2回OZマーケティング会議)平成12年 1月27日(木)14:00〜16:00 参加者30名
     「アクティブ・バーチャル・モールOZの決済システムについて」
 (第3回OZマーケティング会議)  平成12年2月8日(火) 14:00〜16:00 参加者36名
     「One to Oneマーケティング」講演会

4.研究会は、アクティブ・バーチャルモールOZ(オズ)と命名されたバーチャルモールを11月1日から 2月15日までの107日間に渡り試験運用し、バーチャルモールに組み込むプッシュ型情報配信や動画像情報などの先端的技術、ならびに、電子決済手法やバーチャルテナントが備えるべきルール等について研究を行った。
 試験運用に対して、73のバーチャルテナントの参加があり、かつまた、バーチャルモールのシステム構築に協力参加を希望する企業も数社あり、中小企業と外部経営資源との引き合わせを行うシステムとして、バーチャル・モールが非常に有効であるということが実証されただけではなく、200人を超えるバーチャルユーザーの参加、および、試験運用中におけるバーチャルモールへのアクセス件数が42,357件であったことは、地域におけるビジネスの道具としてもバーチャル・モールの有効性を認識させることができた。

(4) 通信制大学院の設立に関わる検討とシステムの試作
1.ヤマサ言語文化研究所の通信制大学院への発展

2.平成10年度「コーディネート活動支援事業」で行った「新事業創出研究会」から生まれたニュ ービジネス構想(通信制スクールシステム)より、岡崎市内で外国人に対して日本語教育を行っている言語文化研究所を通信制大学院(米国ではバーチャル・ユニバーシティと呼ばれている)に発展させるため、VVCフロンティアのサーバ上にそのシステムを試験構築する可能性を検討した。

3.岡崎市内で外国人に対して日本語教育を行っているヤマサ言語文化研究所を通信制大学院に発展させるために、通信制大学院および遠隔教育システムに関する調査並びに情報収集を行った。その手段として、バーチャルユニバーシティ研究会を3回開催し、米国、英国、スウェーデン(国内大学兼務)の大学の教授を迎え、通信制大学院の設立への協力大学としての引き合わせ活動を行った。それをふまえ、通信制大学院のプログラムおよびコンテンツ開発への参加企業を募り、通信制大学院のシステム構築に必要な外部経営資源との引き合わせを行い、教材のデジタル化、音声ソフト組み込み化、アニメーションソフト組み込み化、ネットワークシステム効率化などの検討に基づき試作システムの構築を行った。

(第1回)平成11年 7月23日(金) 15:15〜17:15  参加者26名
    「米国での日本語教育 ―バーチャルユニバーシティの1事例―」
     講師 ノースキャロライナ大学ウイルンミントン校日本語専任講師 加納洋子 氏
(第2回)平成11年12月 4日(土) 13:00〜17:00  参加者 18名
    「日欧の地域活性化事例紹介 〜地域の活性化と産業連携について〜」
      講師 The University of Nottingham,助教授  崔 宏昭 氏
         北海道東海大学 国際文化学部 教授  川崎一彦 氏
(第3回)平成12年 2月 9日(水) 14:00〜16:00 参加者 9名
    「バーチャル・ユニバーシティの現状とシステム構築について」

4.コーディネート活動は、ヤマサ言語文化研究所や外国の大学が主体であったが、教材のデジタル化、音声ソフト組み込み化、アニメーションソフト組み込み化、ネットワークシステム効率化など、システム開発には多くの人が関係し、人的ネットワーク構築という意味で、コーディネート活動の目的を果たしたと考えている。

4.事業の継続性について
1.来年度以降のこの事業の方針、計画
米国シリコンバレー地域の活性化に貢献したスマートバレー公社や米国ノッティングガム市の活性化に貢献しようとしているInstitute of Enterprise and Innovationのように、地域活性化を達成するためには、その活動の中心的組織が必要と考えている。
2.年間のコーディネート活動支援事業から得られた地域活性化の技術と知識をさらに発展させ、かつまた、それらを集約できる仕組みを岡崎商工会議所内に創り、それを母体としたコーディネート活動を継続する予定である。事業化(有料化)の可能性
岡崎市を中心とした地域活性化の活動主体は岡崎商工会議所であると考えていたし、また、2年間のコーディネート機関の経験を通じ、益々その感を強めた。コーディネータはあくまでコーディネート機関に属し、コーディネート機関を支援する立場であるとした方がコーディネート活動の中立性、広域性、信用性を保持できると考えている。労務費等を有料化した場合もコーディネート機関から支払らわれる形態が望ましいとを考えている。


<参照ホームページ>
 http://www.okazakicci.or.jp/newb/new.html

 http://www.frontia.co.jp/oz




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