第3回OZマーケティング会議議事録



第3回OZマーケティング会議議事録
平成12年2月8日 14:00〜16:00 岡崎商工会議所中ホール 出席者36名
岡崎商工会議所コーディネート活動支援事業


1.講演「One to Oneマーケティング」 株式会社 名鉄エージェンシー 情報開発室長 宮島仁司 氏
バーチャルの部分のビジネス化が私の今の仕事で、これで6年間インターネットのビジネスに特化してやらさせて頂いております。その前は、広告代理店ですので、製造、リテール、不動産などの流通に関するマーケティング支援をやってまいりました。6年ほど前から日本にもインターネットが入ってきて、商用化する段階で、インターネットの世界へ飛び込んだいう事です。
一番始めに名古屋地区でインターネットが接続できるようになったのは、94年の後半で、IIJ東海という形で出資をし、販売会社を作ると同時に、インターネット・プロバイダーを立ち上げました。
セントラルジャパン・ネットワークというブランドでやっております。
次に、そのネットを利用して情報発信をやろうという形で、一番最初にこの地区から情報発信したのが徳川美術館と明治村でした。これは、日本語と英語でやりまして、海外からのアクセスが非常に多くありました。その当時は、インターネットが、日本では接続できる環境にはありませんでしたので、英語版に対して海外からのアクセスが多くありました。
すぐにインターネットを使ったエレクトロニック・コマースをやろうではないかということで、名鉄グループ300社の中で、ショッピングからホテルの予約、レンタカーから諸々をグループの中でモールを創ってやろうということを考えていた訳です。
そういう枠組みでは、実験としては面白いが実用的でないということがあり、又、通産省の方からも全体に枠を広げたモールでないと予算が付かないということで、名古屋商工会議所をベースとしてオープンなモールを設計してゆきました。
ですから、私は、それ以来ECという、電子モールの中に人を集めて、売る為にはどうしたら良いかという事を1つの柱としております。
合わせて、インターネットの方は、単なるモールという意味ではなくて、人が発言し、交流して自立するコミュニケーションツールという要素が多くて、学的コミュニティーや趣味のコミュニティー等色々なものがあり、今で言うNGOみたいなところの領域と、ショッピング等ビジネス・フェイスという領域があり、大海原ですがそこを上手に仕組む事によってECモールもうまくゆくし、もう一つのEコミュニティとが両輪となってネット社会を進化させてゆくと考え、そちら側の仕事をやっております。
今、ECの部門で言いますと、愛知県の高度情報推進室や、名古屋商工会議所のEC部門のアドバイザーを努めております。
あらゆる意味で去年からECが変わるつつあります。本格的な日本型のECに行き着くにはもう少し時間がかかると思いますが、はるかにスピードが速くなってきており、岡崎のOZというモールも、ショッピングの面から見ればまだまだだという事が出来ますが、タイミング的にいうと、最後のチャンスだと思います。それは、1年後にモールを創ろうといってもばかみたいな話ですし、去年立ち上げ、とりあえず基盤を作られたそれ自身がすごい事だと思います。
色々なところで、やるという構想はあっても手を付けずにいるのが現状です。やるかやらないかが大きな差で、やってみて人が集まらなければ、何とかしなければならないと手を打ってゆく訳です。日本のECは、僅か3〜4年の歴史しかないので、3年前に戻ってみれば、そこでスタートしたところが今やっと上がってきている訳です。このOZというモールはよいタイミングでスタートされたと思います。
今日は、前半でECのトレンドについてお話しし、後半はOne to Oneマーケティングのお話をしたいと思います。
どの様に現在を捉えて頂くかというと、ネットの時代が来ると言われて久しく、約30年の前史がある訳ですが、初期にはアナログでテクノロジーが語られ、テレビ、ラジオ、印刷などが焦点で、これらはどちらかというとハードで、それを使ってどういうビジネスをするかテレビや映画会社からでたアナログのサービスです。続いて、この10年程前からディジタルのテクノロジーが動くようになりました。これが使えるようになってきて、それをベースにビジネス化が始まって、サービスをやろうとしているのが現状で、いわゆる、第4世代の時代に突入しつつあるという認識を持って頂いて、技術ではなくて、それを使って何をするのかという時代に来ているということです。
それと、もう1つは、枠組みが大きく変わりつつあり、一番利用者に近いところに端末が有り、端末に情報を届けるインターネットやCATVなどのデリバリーするツールが有り、今まで、どちらかというとデリバリー側の情報が主として語られていたが、今はご存知のようにそれに流すソフト(コンテンツ)が問題とされております。商品だけ良いものがあれば良いかというと、それを編集して、分かり易く利用者に届けるナビゲーションが必要という枠組みにどんどん変わりつつあります。
もっと整理すると、既存の事業も新しい事業もコンテンツ、インテグレーション、トランスポート、端末と言う4つの領域に、分解して再生しつつあるという時代です。
アメリカのモーターショーのテーマは、今まではエンジンの性能とかトランスミッションがどうのこうのというハードの要素が非常に多かったが、この1〜2年は、車にインターネットを付けるという商品化や、車を売るツールとしてのインターネット、車を作る際の調達システムが大きく取り上げられ、その本格化が始まっております。日本でも当然同じ事が起こっております。
ECとは、ネットワークをベースとした情報性(独自性や付加価値とか情報の組合せを構築した新ビジネスモデル)で、具体的に言うと、BtoBの領域、BtoCの領域、CtoC(消費者間)の3つに区分して、それに対して情報提供、受発注、物流、事後のマーケティングなど今までリアルな世界であったかなりの部分がネットに乗ってきている。何故かというと、かなりのコストダウン要素があるわけで、その部分がECの領域として語られる様になっている。
商品情報だけをインターネットに載せればECなのか、また、受発注や決済が出来るようになったからECなのかというとそうではなく、機能だけの事ではなく、繰り返しそこに人が集まる仕組を創る事に焦点が移りつつある。機能の時代は終わり、モールも一から創るのではなく、既存のモールを使ってゆくという判断もあろうかと思います。
BtoBの話を簡単に致しますと、メンテナンスとかリペアーとか調達等を行なうMROと呼ばれる領域、トレードエクスチェンジ(売手と買手が系列を超えてネット上集まり、お互いの条件を示して取引を行なう)と呼ばれる領域、販売促進(One to Oneマーケティング)の領域等がBtoC以上に起こってきております。
BtoCでは、従来は8割が物で2割がサービスであったものが、今は物の比率が下がり、サービスと情報の比率がどんどん上がっている。インターネットは、このサービスと情報の分野を活性化している。
今、メディアポートの中で最も売れている商品は、カラオケのダウンロードでです。ここ数年を見ますと、パソコン関連の商品を買った経験のある人の割合は、97年には18.5%であったものが、99年には41.5%となっている。書籍やCDは2年前に比べて2.7倍に伸びている。これはアメリカの2〜3年前の状況に近づいている。その中でも、チケットが2.6%であったものが、25.2%へと広がっている。ファッションも5倍に拡大し、やっとネットで売れるようになってきている。金融も昨年の10月に自由化された事で大きく伸びるものと予想される。アメリカにおいては、自動車の販売では、3分の1程度がインターネット経由となっており、日本でもそのようになる可能性はある。
ECの1番の問題として、物は売れるようになったが、期限までに購入者の元に商品が届かないなど、物流の問題がクローズアップされてきていることです。又、ユーザーが男性から女性に移行してきていることも大きな変化と言えます。
最近の日本におけるテーマは、ECからもっと上位の概念であるEビジネス化しないと生き残れない。
、更に上位のEエコノミーという段階の論議に移行しつつある。これは、本業の中にECを組み込まなくてはいけない時代が来ているということです。アメリカと異なり、日本の場合は、電子商店が資金を集めてEビジネスになるところは非常に少ない。この空白のマーケットを狙ってアメリカの企業がソフトバンクと組んでビジネスを始めている。
モールの出店料について言うと、楽天というモールが月額5万円からやっていて2000店舗ほど集めています。メディアポートは月額1万円からやっていて現在400店舗程度です。出店料が只というモールもあります。自社モールを創るところも増えています。モール側の問題は、出店料が只というのはお店が努力しなくなってしまいうまく行かない。モールが販売を目的としている以上は、どのような行き方をするかきちんとしたビジネスのモデルを作ってやる必要がある。
一番のポイントは、BtoBとかBtoCとかの枠組みがなくなって、CtoBtoBというように両方を再編したところが勝つということです。
今、ビジネスモデルによってお金が集まるという時代になっている。例えば、日本の株式市場は、上場しようとすると、過去の実績を重視した上場基準が採用されているが、ナスダックは将来の市場価値を評価する、つまり、提出されたビジネスモデルが資金を集めるという構造です。ビジネスモデルが市場に評価されるかどうかがポイントで、現在赤字でも将来性があれば資金が集められる訳です。
ネットの中でも、今までに無い、差のあるビジネスモデルを構築してゆくことが重要です。
本格的なECは、本業の外でやっているのでは成功しない。また、BtoBとかBtoCとかいうのではなく、Cを中心に再編したところが本格的なECがやって行ける。例えば、日本レンタカーという会社は、予約センターをきちんとコンピュータで結んでおり、現在、個人会員が150万人、企業会員が50万社集まり、会員利用率が80%となっており、こういう枠組みになると本格的なECとなり、Eビジネス化してゆく訳です。
まず顧客があるというCtoBtoBという見方の方がネット社会では妥当です。併せて、CtoCというところが非常に活性化して、これがコミュニティであり、これを上手く取り込まないとうまく行きません。あらゆるサイトがこのCtoCをうまくやらないと成功しない。
簡単に言うと、ネット時代のビジネスモデルは、サプライヤーが直接供給するというモデルと、需要と供給を仲介するモデルの2つに集約される。要するに、流通業者を中抜きするモデルと、新仲介業のモデルが出来つつあるということです。
既存の事業も新しい事業もコンテンツ、インテグレーション、トランスポート、端末と言う4つの領域に、分解して再生しつつあるという時代です、と先ほど申し上げましたが、ネットの社会ではインテグレーションするところが最も優位で、最終的に儲かるところです。これをビジネスモデルという見方で見ると、今、3世代目くらいに移行してきており、コンピュータ業界で見ると、例えば、15年前にはIBMは全てを自前でやっていた。ところが93年位になるとOSはマイクロソフトが、CPUはインテルが強くなり、今は、直販システムを行なう企業が伸びている。
ネットで1番重要な事は、物と情報が分離するということです。情報のデータベースとコミュニティを作ったところが勝つことになります。本の例で見ると、本屋で買えばその場で手に入るけれども、ネットの事業者は新刊が次の日に買えるというサービスを始めている。その為には、在庫を持って、配送センターもいるというように、バーチャルだけでなくリアルでの作戦と連動してきている。お店にない本を検索して、買う事が出来、実際そうした本が売れるケースが多いが、そうなると在庫が多くなり、この部分をうまく解決しないとネット上の本屋はうまく行かない。オーダーはあるが、物が無いということになり、ニーズは広がるがそれに対応できていないのが現状です。
しかし、ネットでお客を掴むとリピート注文が増えてくる事が分かっている。Aという人の注文が蓄積されると、過去のデータを販売促進に活用するOne to Oneマーケティングが可能になる。データを活用しなければリピート率は高まりません。
以上が今のECの現状です。
メディアポートはどこへ行こうとしているかというと、最初名古屋でスタートし、民営化した段階で物産という切り口で全国に展開しようということで地域連合モールをつくり、現在、ほぼ全国の拠点作りが終わり、物産というマーケットでは善循環となってきております。もう1つは、韓国と連携を進めており、更にアジアへ展開するということです。
マーケティングがうまく行かないので、良いものはあるが売れないとか、顧客が集まらないということになる。モール1つをとっても、メディアポートが苦戦したのは、東京のメディアになかなか取り上げられないということです。東京のメディアに聞くと地方まで情報を集めに行っている時間も予算も無いということで、そこへどういう形でアプローチするかが重要となる。
OZでいえば、物販で行くのか、地域のポータルで行くのかをきっちり決めて行く必要がある。そうでなければ、良いものを創っても人が来ないという事になる。
One to Oneマーケティングというのは、早い話が一人のお客にべったりくっついて販売をやろうとするものです。どうしたら一人一人にそうしたアプローチができるのか、コンピュータシステムさえ出来ればタイムリーなアプローチができるのか等色々な問題があり、考え方は非常に良いが現実問題としてはうまく行かない。
従来から、顧客名簿が入るから、その人にぴったりのカタログをつくって届けようということでやってきたがなかなうまく行かない。次に、クレジットカードで顧客情報が集まるからこれを分析して一人一人にうまく情報を提供しようという枠組みもうまく行かない。ECという枠組みの中でOne to Oneマーケティングがうまく行くだろうかというのが現在のテーマです。
要するに理念は良いが、どのようにアプローチするかという体系が無くて、いきなりメールを出そうとかいう手法の段階に行ってしまって何をしているのかわからないというのが現状です。
One to Oneマーケティングで一番うまく行くのは、お米屋さんとか電気屋さんとかの、町の500世帯くらいを対象としているお店で、顧客のあらゆる情報が店主の頭にインプットされているというのが最もうまく行く。それが企業化して顧客データが大きくなるとうまく行かない。1ヶ所にあった情報が分散し、徐々に分からなくなる。
注文も、電話もFAXもインターネットもフェイス・ツー・フェイスもあり、情報が統合していなければOne to Oneマーケティングはできません。しかし、電能時代になってOne to Oneマーケティングの可能性が出てきたことも事実です。
今までは、個人にアプローチしようと思うと電話かDMであった訳ですが、電話は嫌がられ、DMは開けずに捨てられることが多い。しかし、個人の情報があったとして、それがメールで届きますと面白い情報があるかもしれないということでいったん見る場合が多い。捨てやすいという意味もあって、容易に見てくれる場合が多い。メディアポートでも、メールからアクセスする人が5割くらい有り一番多い。興味を持ってもらうとメールを開けてもらいやすくなる。
もう一つは、インターネットでは、コミュニティとか自主参加ということがあって能動的なアクションが前提となっているので、情報を出すとリターンのある確率がDM等に比較して高いということができる。
顧客とEコミュニティを創ってゆく為に、最近言われているのが、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)で、これが分かってくるとうまく行く可能性が見えてくる。お店、電話、営業マン、インターネット等が、マーケテイング、セールス、サービスの部署とコミュニケーションしてゆく。こうした情報は異次元管理出来る仕掛けも出来ております。今までのようにバラバラであった顧客情報を統合し、企業ベースで顧客対応が出来る仕組が出来ないとOne to OneマーケティングもCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)も出来ないということです。
ホームページに、アクセス、イベント、アンケート、故障問合せ等あちこちから情報が入っても、担当者が別々でバラバラに管理しているものを、コンピュータで顧客の履歴を自社の中で統合してゆくという枠組みです。
CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)時代のマーケティングがOne to Oneマーケティングです。
従来のものとの違いは、市場のシェアーをとることでなく顧客のシェアーをとることが目的となっております。いったん顧客となった人と長く、幅広い取引をするということです。この顧客に集中する訳ですから、当然コストがそこにかかり、コストの配分を明確にしなければならないが、その為にはインターネットは非常によいツールとなる。
そうした顧客のOne to Oneのデータベースが出来上がると、節目、買い替え、アップグレードの需要や、顧客の紹介、関連商品やアフターマーケット等開拓がネットではやりやすくなる。どんどん関連販売を増やす事が出来る。業種の垣根はなくなり。顧客データベース、One to Oneマーケティングのシステムを使って、あらゆる製品・商品・サービスを扱うこととなります。アマゾンが1つの商品領域を加える度に、競合する企業の株価が下がるほどの衝撃が起こっています。
One to Oneマーケティングは、いったん顧客となった人達を如何にOne to Oneマーケティングしてゆくかということですから、新規の顧客になってもらう為に何をやるのかというと、電子コミュニティだとか電子アドバタイジング等という事になります。攻めと守りのマーケティングを一体として行なわないと尻すぼみとなる恐れがあります。
マーケティングの領域と、販売と、売った後のサービスをうまくコンピュータシステムで連動してゆく情報の流れを完備しないとOne to Oneマーケティングをやろうとしても難しい。やろうとする企業は、規模の大小に関係なくコンピュータ化し、インターネットも使いながら進めないといけないということです。
One to Oneマーケティングの話を、今度は利用者の立場で見てゆきます。顧客の立場からすると、自分が必要とする時期に、最適なものを探して、推薦してもらえば助かるし、関連商品までセットで提供してくれると都合がよい。
これを行なう為に、どのような仕組を創るかが重要で、例えば、高齢者の為の資金運用の全ての領域をセットにして示すこととかが、ネットを使って行われている。
今までは、ECという論点から説明してきましたが、顧客の立場から言うと、自分の好みとかに代表されるEコミュニティに所属している訳です。ネット社会では、この面の動きも非常に活性化している。趣味や取引や癌患者と家族の為のコミュニティ等が既に出来てきております。
ミズノという会社がゴルフのコミュニティを創っており、3万人くらいの会員がおり、ゴルフ場がエントリー出来るとか、自分のスコアが管理できるとかの機能を持たせており、ゴルフ愛好家の意見を聞くというコミュニティをつくっております。
これは、近い将来当たり前の事となり、コミュニティが優れていれば、製品も買うという構造へ移行する。ですから、物を売る事ばかりに集中するのではなく、こうしたコミュニティをいくつもサイトの中に仕込むかということを考える必要があります。個人のニーズと企業のニーズがネットを通じて如何にマッチングするかという考え方です。企業からすれば、利用者の声を吸い上げ、個人からすれば言ったリターンをとるという共生関係を形成する時代に入ってきている。
リアルタイム・アンケートシステム等を使い、利用者の声を即座に聞いて、即座に反映する仕掛けを如何に創り上げるかということが重要となります。
今日は、ネット時代のOne to Oneマーケティングに取組むスタンスと切り口の話を中心に、岡崎のOZが更に活性化し、その為に、コミュニティ型で行くのか、ビジネス型で行くのかを整理し、方向を明確にして進んでゆく為の参考となるよう、ECとマーケティングの話をさせて頂きました。

(質疑応答)
Q.これからのEC、或いは、インターネットのビジネスで日本のマーケットに大きな空白があると話されましたが、今までのバーチャルモールは中小企業、個人のレベルで進んできたが、大手がモールという形で取りまとめとめようとしたが取りまとめきれなかった、その上に大きな空白がある。その空白はどんな状態になるのか、企業レベルで考えて自分のビジネスモデルの中でECなりを取組むべきでしょうが、逆に、インターネットの状況から考えて想定される事があれば、空白の要素として気を付けておいた方が良い事があればお教え下さい。
A.本当を言いますと、モデルはありません。それは、例えば、アマゾンの事例がよく出ますけれども、アマゾンがネット上で本屋をやって成功すると、リアルで世界一の本屋さんが追いかける訳ですが、こちらの方が大量仕入れしているのでコストが10%位安いので、価格競争に巻き込まれてアマゾンも収益を悪化させてゆくという構造です。
また、情報だけで売っているので、物流などに対するノウハウがなく、そうしたところにどんどん投資をしてゆくといういたちごっこ状態が続いている。リアルのお店がどんどんネットでのノウハウを確立し、追っかけてきています。
ご質問の空白のマーケットのところへは、証券とか、チケットとか、自動車とか、インターネットのビジネスモデルの事業体が日米などの連合体を中心に出てきます。その中で、競争が進むと利益率が低くなり、価格競争から付加価値競争へ入ってゆく。個人商店の延長線上に空白のマーケットがあるのではなく、どのジャンルでも、テーマ、チャネル、コミュニティを三位一体として最も先に創ったところが勝つということが言えるのだと思います。
成功するサイトの3つの条件は、ヤフーを例として言えば、1番目は検索でこれが基本機能です。2番目がチャネルという機能です。ヤフー自動車とか、ヤフーキッズとかヤフースポーツだとか自前には無いコンテンツを提携によって創ってゆく。3番目が集まる人に魅力付けするコミュニティです。空白のマーケットは、あらゆる資本に可能性がある訳ですが、この3つを速く創ったものが勝つ訳ですから、この枠組みを誰が最初に造るかという戦争です。
Q.OZの優位性、OZがコアになるべき性格があると思われるが、バーチャルな存在でのOZの強みと弱みについてアドバイス頂ければ、その白紙にどのような画が描けるのか少しは分かるのではないかと思います。
A.OZについては、約60店舗のうち10店舗がECをやりたい(売りたい)と考えておられ、他のところは取り敢えず情報を出してという枠組みのようですね。メディアポートも同じ状況が有りまして、基本的には中部のポータルというものを目指しております。そして、どちらかというと情報提供志向型企業が多くありました。情報提供志向型企業の情報は、内容が変わりにくく、情報が更新されていないので利用者は2度、3度と見に来てくれません。
従って、情報提供志向型企業情報にしても、情報を更新し、ホームページとモールのグループを通じ外とどのように情報をやり取りするか、アクションが無いと幽霊タウンになってしまいます。物を売る方も、売れないからといって情報を更新しないと幽霊タウンになってしまいます。こちら(主体者)から攻めないと見に来てくれません。ECの中で商売がしたかったら、こちらからどんどん手を打ってノウハウを積んで、売れるようになったら、もっと売れるモールにも出店する。
OZの中のそれぞれが自立的に情報を更新し、アクセスする人たちとコミュニケーションが出来なければいけません。このコミュニティは岡崎地域かもしれないし、愛知県位かもしれないが、今後、どういう枠組みの顧客とやるかという方針をはっきりさせなければならなりません。
メディアポートの場合は、ショッピングサイトに特化し、数は力なりということで400店舗を集めている。今どういうことが起こっているかというと、それでどんどん退店されているが、それでも売りたい店が新たに集まり数は保っている。売れたところの成功体験は、顧客に対してメールを出して、細かい色々なアクションを行い、徐々にノウハウ化して頑張っている。こうしたお店を中心として、全国展開しましたので1000店舗を目指しているのが現状です。
OZでも、売りたい人には売るような対応を行ない、情報発信のみを考える人には、そのような対応を行なう。場合によってはモールを2つに分ける事も考えてみることも必要ではないでしょうか。

(服部コーディネーター閉会挨拶)
本日は、EコマースとOne to Oneマーケティングにつき、お客様を代理店に、エージェントにというカテゴリーが1つ入ったよ、それにはインターネットが魅力的に使える可能性があるということを、成功事例を交えてお話し頂き、非常に参考になりました。
インターネットやホームページが間違った概念で日本に入ってきて、間違ったイメージで捉えていたものをもう一回本当のところへ戻そうということを、メディアポートでやっておられる。OZももう少し勉強を続けて、セグメント化した中で特色のある、他が一緒になりたいというモールに我々がなってゆく、或いはコミュニティになってゆくことを研究してゆきたい。

講演終了後、研究会メンバーで、バレンタインプレゼントにつき打合せを実施。(説明:尾上氏)
・ プレゼントページは、実際には2月7日から稼動。
・ プレゼントページの画像確認。(連絡を頂いた順に載せてあります。提供元をクリックすると、お店のページに飛び、応募するをクリックするとアンケートつきの応募フォームが出てきます。一部、ホームページの中のキーワードを記入するというお店もあります。)
・ 検索サイト(懸賞サイト)に登録しています。今日の朝の段階で20件程度の応募があります。
・ アンケートに記入しても、送信が出来ないケースに備えて、一番下に応募が出来る仕掛けが用意してあります。
(質疑応答)
Q.アンケートデータは、どの様に公表するのか。
A.メールで各店舗にお渡し致します。
Q.当選者の発表は考えているか。
A.当選者の氏名と住所地の県名(市名)を発表し、メールを送ることを予定しています。
Q.賞品の発送は、テナントが行なうわけだが、そのデータは送ってくれますね。
A.その通りです。
Q.発送についてですが、店に取りに来てもらっても良いか。
A.プレゼントのページで、あらかじめ告知しているお店はそれで結構です。
Q.自分のホームページで当選者を発表しても良いですか。
A.結構です。氏名と住所地の県名(市名)で表示下さい。抽選は、締め切り次第速やかに対応致します。

(事務連絡)
第11回の研究会は、2月23日(水)午後2時より開催致します。(以上)



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