第9回アクティブ・バーチャル・モール研究会議事録




第9回アクティブ・バーチャル・モール研究会議事録
平成11年12月22日 15:00〜17:00 岡崎商工会議所特別研修室 出席者29名
岡崎商工会議所コーディネート活動支援事業

開会挨拶  草間コーディネーター
実験事業も残り2ヶ月をきり、半分を過ぎました。そろそろ実用段階に入る準備をしてゆけなければなりません。自由、闊達に、愉快なバーチャル・モールを創っていただきたい、という考えが根底にあることを理解していただきつつ、実用段階のルールについてもご議論頂きたい。

1.マーケテイング懇談会(14:00〜14:50開催)の要旨報告
@OZで用意されている2画面では十分な商品情報が提供できないので、テナント独自のホーム・ページを構築する必要がある。その為の費用やノウ・ハウについての情報が欲しい。
Aアクティブ・ユーザーに対するメールを活用した情報提供を行なってはどうか。
Bアクセス数についてオープンにして問題点を明確にしたい。
C決済の方法及びその多様化についての論議を深めてゆきたい。
Dマーケテイングを研究する会合を開催し課題解決にあたる。

2.アクティブ・バーチャル・モールOZの現状について 説明 株式会社ヤマサ 尾上氏
コラボレーション・ルーム(テナント談話室)の活用方法については、ビューリストにより表示を変更し、カテゴリー別(最近の発言、書き込み順、日付別、話題別=アイデア提案具体化)を選ぶと分かりやすい。返答を含む全体を見たいときは展開を選んで下さい。カテゴリーの新しい追加希望については、「新しい話題の投稿」から「カテゴリーの追加提案」を選ぶと、管理者側で追加を行ないます。
前回、「買い物かご」の仕組を作りました。今回は、新着情報という形で告知板を作り、新規開店テナント案内、商品入替テナント案内、店舗改装テナント案内、買物かご導入案内などのお知らせするようにしました。テナントの一覧を作り(Tenant View)、どんな店が出店しているのか分かり易くしました。
また、OZのアクセス数を増やす為に、岡崎のサイトのリンク集を検討しています。
訪問販売法やオンラインマークにおける広告の表示義務を具体化したサンプルを作りました(会社名、所在地、連絡先、商品価格、付帯費用、支払時期、決済手段、商品引渡時期、返品特約の有無、管理責任者、苦情受付窓口)。
前回の研究会でXMLのお話が出ましたので、XMLを使ってホームページを作るとどうなるかサンプルを創ってみましたのでご覧下さい。XMLは一部を書きかえるだけでレイアウトなどを簡単に変更することが出来ます。HTMLは、一つ一つ命令を書いてゆかなければならないが、XMLは構造を作っておいて、この構造を表示させる為のスタイルシートと言うファイルを作っておくことによって、その名前を変えるだけでどのようにでも表示が出来ると言うものです。OZの現状は、内容的にはあまり変わっていませんが、テナント数が増えており、電子決済の技術については、まだ検討中です。

草間コーディネーターのコメント
 本日14:00からの勉強会で、研究会では技術論が先行しすぎているので、マネジメントの話もして欲しいという意見が出されていましたが、これは通産省の補助金の事業であり、新しい技術を取り入れた新規性のあるバーチャル・モールを作っていてゆく必要があるということをご理解頂きたい。ですから研究会では新しい技術論を取り入れた形となっております。
 XMLはHTMLよりも新しい技術を取り入れやすく、今、プッシュ情報を見るためには、フラッシュナビというソフトをダウンロードして皆さんに見ていただいているわけですが、自前でプッシュ技術やその他の新しい技術ができるようにする為にはXMLという新しい言語を使ってホームページを作ってゆく、そうすれば、わざわざプッシュソフトをダウンロードしていただく必要は無くなる訳です。

Q.XMLで画面が簡単に変えられるというところをもう1度見せてください。
A.HTMLしか見たことの無い方には、ほとんど始めてみるタグが付いていると思いますが、この部分をあらかじめ数種類用意した内の1つにファイル名に変えますと、このように瞬時に変更されます。スタイルシートを替えるだけで表示を変える事が出来ます。
Q.XMLの解説本は何処で入手できますか。
A.岡崎の書店ではまだ置いてないかもしれません。名古屋大須の三洋堂という書店か豊橋の大きな書店ならあると思います。HTMLよりは内容的に難しいとお考え下さい。
Q.XMLはマックでないと出来ないのか。
A.言語関係は一緒ですのでマックでなくてもかまいません。XMLは98年の2月に勧告が出たばかりですので、ブラウザーでいえば対応していないものも多く、インターネットエクスプローラー5.0でないと見ることが出来ません。チャンネルの方はインターネットエクスプローラー4.0でも見ることが出来ます。しかし、ネットスケープをお使いの方はチャンネルもXMLも対応していないので見ることが出来ません。
Q.商工会議所のホームページの中でOZへのリンクについては、OZという文字をはっきり表示してほしい。
A.すぐそのような表示に変更します。
Q.先日実施したホームページ講座で参加した皆さんは、大体理解出来るようになりましたか。
A.基礎の段階から始めております。私の分担は、OZの使い方を説明させていただきました。内容は、電子メールの出し方、画像添付の仕方、テナント談話室(コラボレーションルーム)の使い方です。入門の本をお渡し致しましたので、それをご覧頂きながら行なっていただければ、誰でもインターネットが出来ると考えています。
Q.インターネットは、自分でやってみないと理解できないことが多い。便利な道具であることを分かってもらうところまで行かないとテナント談話室も活用されないのではないか、という意味でもう少しフォローがいるのではないか。
A.テナント談話室についてはテストの発言をしてもらいましたので、使い方についてはご理解頂いたと思います。私のほうでも情報発信をしておりますので、見たという返答だけでも返していただけると使い方についての理解が深まると思います。宜しくお願いします。

草間コーディネーターのコメント
 もっと講習会をたくさん開催して、参加メンバーが講師を務めるようになって発表しながら学び合うようになると良い。そして、皆さんがOZをつくってゆくという、愉快な会にしていただければと思います。

Q.何らかの商売をやりたいという気持ちで多くの方が参加されているので、OZの魅力向上とか、配送システムとかに区分けをしてそれぞれに分かれて討論をしてゆくほうが分かりやすいのではないか。あるいは、会合ごとにテーマを決めてディスカッションを行ない、改善して行くのが良いのではないか。
A.マーケティング関連の会合は、ご指摘のような方法でテーマを絞って開催します。このAVM研究会では、新しい技術の研究も積極的に行ない、その可能性を検討しつつ可能なものは取り入れてゆく為に従来と同様の運営方法とってゆききたい。
Q.現在の商品情報のレベルでは、お客様に買っていただくまでに至っていない。2画面のテナントページでは多様な商品・サービスの紹介が出来ないので、独自のホームページがいると思う。例えば、事業領域ごとに商品・サービスを紹介したり、ホームページをプリントアウトして持ってくると特典が付きますというようなことをもっとやってみたい。OZのここまでの展開は、いい雰囲気では来ているのだが、アクセス件数は少ないのではないか。商品が売れたのは良いが、商品代金より送料の方が高い金額ですので、その送り方についてはきちんと考えなくてはいけないが、こうしたことも皆で話し合い解決策を見つけ出したい。

Q.ディスカッションする焦点を絞り、明確化すれば、自分の意見や要望・提案をまとめて会議に臨むことが出来、より活性化できる。配送に関しても、配送機能を持つ事業所もメンバーに入っており、アクティブ・バーチャル・モールOZの配送については市内限定の特別料金で扱ってもらうなど、メンバーの持つ利点を出し合って取組めば、商売も一層活性化すると思う。

草間コーディネーターのコメント
 昨年度の新事業創出研究会で新しい事業を起こそうということで、この会のメンバーでもある神谷さん、多々内さん、杉浦さん等を中心として「いながらネット」という仕組の検討を行なってきた。これは、高齢者世帯や共稼ぎ世帯など、日常の買物に対して負荷を感じる人をターゲットとして受発注と宅配のシステムを構築するというものであり、これの情報発信部分をつくるということで、今年度、アクティブ・バーチャル・モールOZを生み出してきました。従って、当然、物流という問題はついてまわってきますので、皆さんで討論して頂いて、問題を1つ1つ解決してゆければ素晴らしいことだと思います。

Q.ここ数年こうした会合に関わってきておりますが、課題は正にその部分です。いくら狭い地域といっても、100円の商品を買う為に500円の配送コストはかけられないわけで、この会が母体となって物流の任務を新しく構築して行くことは全面的に協力したいし、やって行きたいことです。これが出来ないと、OZで物を売ることは出来ないと思います。

草間コーディネーターのコメント
 当面はテナントで責任を持って配送を行なっていただきますが、配送機能をどうするかは重要課題として必ず出てくる問題です。インターネットが普及すればするほど、物流の問題は重要度を増してついて回ります。

3.事務局からの連絡事項について
(1) バーチャルユーザー登録利用規約について
プッシュソフトのフラッシュナビの利用規約です。ユーザー登録がお済でない方はこの書面でお申し込み下さい。
(2) 既存テナントにおける表示義務項目に関する提示の参考例について
訪問販売法に基づく表示、注文の前にお読みくださいの表示例=ファッション衣料のPriscilla
(3) アクティブ・バーチャル・モールOZテナント出店契約約款(案)について
実験終了後の運用にあったっては、運営のルールと責任の所在を明らかにして、顧客の信頼を確保する必要があります。
全体の構成は、第1章 総則(定義)、第2章 目的(本約款の目的)、第3章 契約の締結(出店申込、出店契約の成立、申込の拒絶)、第4章 出店(提供する商品またはサービス、OZの使用)、第5章 テナントの義務(資料提供等、禁止事項)、第6章 OZの義務(OZ運営者の義務)、第7章 責任・保証(責任・保証)、第8章 テナントとユーザーとの関係(テナントとユーザーとの関係)、第9章 テナント出店料(テナント出店料)、第10章 権利の帰属(権利の帰属)、第11章 一般条項(通知、権利譲渡禁止、機密保持、契約の効力、賠償責任、中途解約、契約解除、契約終了時の措置、準拠法、合意管轄)となっております。
様々な取引のケースをご考慮頂き、疑問点・問題点を12月末までにご指摘ください。

草間コーディネーターのコメント
OZは、運営主体は岡崎商工会議所、技術的な運営管理は(株)インターフロンティアに委託します。従って、約款の表現について(案)の中にある「アクティブ・バーチャル・モール研究会」という文言については削除したいと思います。

4.Q&A
Q.出展料の目安があれば示して欲しい。
A.出展料は、コスト、事業の意味と位置づけ、将来の展開予測を加味して算出する。OZは、地域顧客を対象とするテナントグループと、国際的な販売を目指すテナントグループが並立するモールを想定している。また、バーチャル・ユニバーシティ研究会で構想されている国際連携・交流をバックアップする役割をOZが担う事が出来ないかの検討も進めている。一方、OZを、ビジネスだけでなく、教育、文化、福祉などの分野にも展開し、バーチャル・ソサエティとして展開できないかとの模索も進めている。

草間コーディネーターのコメント
コーディネート活動支援事業のもう1つの柱にバーチャル・ユニバーシティ研究会があるが、そこでの研究を進める中で、イギリスの方が国家プロジェクトとして地域活性化した拠点を結んで品物やサービスを含めた情報化交換を進めることに補助金がつきました。12月4日のバーチャル・ユニバーシティ研究会にイギリス・ノッティンガム大学の崔先生とスウェーデン・ストックホルム大学と北海道の大学で教える川崎先生を迎えて開催しました。イギリスのノッティンガム、スウェーデンのストックホルム、岡崎の3つで地域活性化に関する情報交換を行なっていく、その道具としてOZを使ってゆきたいという話がありコンセンサスが取れました。従って、これからイギリスにものを売るという準備をしてゆかなければなりません。その時に、OZは、地域の中で商売を行なってゆくテナントと、国際的に活動して行くテナントの2つがあり、後者については別の枠組みを作って3拠点でいろいろな情報交換をしてゆく。その道具としてOZを使ってゆくことになります。

(バーチャルモール運営のポイント)
・私は、プラダのリュックが欲しくてバーチャル・モールを見て回り、結局、オークションで落札して買いましたが、その際の心配は、偽者を買ってしまうことでした。品物が本物かどうかを判断する際に、まずお店自体が存在するかどうかをチェックしました。事務所みたいなところでは買いたくありませんでした。目指すブランド品があって、お店が存在し、オークションをやっているところを探しました。その後、友達にも頼まれて、同じ物を同じところで買いましたが、それはなぜかというと、送料や手数料を入れても値段が安いことが決め手となりました。私はバーチャル・モールで買物をする際は、信用と値段、それ以外の場合では何処にも売っていないものが手に入ることをポイントとしています。
・ホームページでは、信用と値段の安さがポイントという話がありましたが、実際のお店の値段やサービスと違うというのももっての外です。OZが信頼性のあるモールとなる為にクオリティーの高い情報や店づくりを皆で行なってゆくことが大切です。楽天市場が何故儲かっているかといえば、仕入れ以外の機能を全て楽天市場がやっているからで、売る為の工夫をサポートする仕組がきちんと出来ている。製造業がどう活用してゆくか、一般的な商品をどのように売ってゆくか、実際に身につけてみないと評価できない商品をどう売ってゆくか等など、売りにくい商品を扱っている地域の中小企業がホームページをどう作っていくかがここで勉強してゆくポイントと思う。それぞれのターゲットについてオフラインを含めてコミュニケーションを行い、成功事例を聞きそれを真似ることから始めたい。売れるホームページの決め手は、まず商品、次にデザイン、3番目が技術と考えているが、これらの情報交換を有効に行ない、1つ1つ問題を解決してゆきたい。

草間コーディネーターのコメント
今のお話は大切で、キーワードはシナリオ・ライティングが大切ということです。OZは誰の為のモールで、その内容は、というようなことです。OZは仮想なのですが、現実社会と対比してお考え下さい。テナントの数が増え、ユーザーが増えてきたら、シナリオ・ライティングが必要で、どのようなホームページを作っていったら良いか整理してゆかねばなりません。管理運営を担当するインターフロンティアでシナリオ・ライティングをきちんと考え、どのようなホームページにしたら物が売れるか仕組づくりを行なってゆく必要があります。地域の問題と国際的な問題も考え、シナリオ・ライティングをきちんとしてゆくことが重要な課題です。

・私どもの参加しているケーブルテレビの実験では、ウエッブ上に載せている商品の価格は、500円より3000円までですが、今のところ1つの取引に対する手数料はありませんが、実験終了後は手数料が発生してきます。比較的小額な取引の多い私どもの業種では、送料・手数料を負担することは実質的には無理な話です。そこで検討しているのが、地域の顧客に対して注文を取り商品を包装し店でお渡しするというものです。また、インターネットの顧客は顔が見えないので回収の心配もあり、ヤマトのコレクト・サービスを利用しています。銀行振込も始めましたが、振込み確認後の発送にしております。メールを見る事が出来るのは私一人だけですので、皆が注文に対処できるようにする為にファックスサーバーを使って注文のメールを毎時0分にファックスから出てくるようにしました。
・私の場合は、周辺の市まで営業で回っていますので、商品をお届けして説明をしたり、修理をしたりしておりますが、遠方に送るとすれば、宅配か何かを使わなければいけませんが、その際価格交渉などOZ全体としての対応が出来るのではないか。送料についても、複数の店で分担できるような仕組も考えるべきだ。
・まとめて発送できるようであれば、送料の分担は可能となります。
・手数料の観点から言えば、デビットカードの採用も検討してみたい。

閉会挨拶 服部コーディネーター
インターフロンティアは、個々には出来ないけれども、皆が集まれば出来るような情報の仕組を作り、これをシェアーしながら安く使えるような仕組を作る。具体的には、マイクロ・ビジネスの支援、インターネットベースの支援、コミュニティ・ビジネスの支援等を目指しております。私見ですが、モールのコストに関しては、単にインターネットだけでなく、CATV、FM、折込チラシ、DM等を統合してゆき、電話、FAXも統合してこの地域の活性化となるような支援をしてゆきたい。この研究会を続け、OZを単なるインターネットのモールではなくて、地域を活性化してゆく為に、皆の力を結集し、新しいものにしてゆくものとしてゆきたい。インターフロンティアは、安価で便利なサービスを提供し、商工会議所、ミクス、FM岡崎、折込なども見ながら出来るものとしたい。

次回は、平成12年1月12日(水)に開催する。(以上)






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