第8回アクティブ・バーチャル・モール研究会議事録






平成11年12月9日 14:00〜16:00 岡崎商工会議所501会議室 出席者37名
岡崎商工会議所コーディネート活動支援事業


開会挨拶  草間コーディネーター
 アクティブ・バーチャル・モールOZは、50を超えるテナント数、200名のバーチャル・ユーザーと、当初の想定を大きく上回る規模で展開されています。皆様方のますますのご協力、ご努力によって立派なものになっていくことを期待しております。  ここに至る活動経過については、岡崎商工会議所のホームページに掲載してありますので、是非ご覧下さい。また、11月24日開催の岡崎商工会議所臨時議員総会において、私が、フロンティという枠組みの説明と、アクティブ・バーチャル・モールOZの説明を致しました。実験事業の今後については、アクティブ・バーチャル・モールOZの運用主体は岡崎商工会議所、運営管理は(株)フロンティアが担当することになります。今後、運用に関して商工会議所からテナントの皆様に様々なリクエストが出た来ると思いますが、これをクリアーしていただき、OZをきちんとしたものにして行きたいと思いますので宜しくお願い致します。

1. インターネットの動画像について(新しいコンテンツ技術とその利用例)
説明 NTT西日本 渡辺 氏

本日は、最近、電子商取引の分野で注目されているXMLという文書の記述言語の技術と、仮想空間を創り上げるVR技術についてご説明致します。

(1)XML(eXtensible Markup Language)
コンピュータを使いながら文書を作成し、これを交換しようとすると、作ったものと同じソフトでないと読めないとか、ワープロ専用機で作ったものはウインドウズのパソコンでは読めない等、ソフトウエア間やハードウエア間で互換性がないという問題がある。
そうした問題を解決する為に、データ形式をオープンなものにしようという流れがあり、ウインドウズで動くアプリケーションソフトであればどのパソコンでも動くという、OSやハード面のオープン化が進んできた。しかし、この段階ではまだ、データとアプリケーションソフトはくくりつけとなっている。
アプリケーションに縛られない言語を使おうということでSGML(Standard Generalized Markup Language)がつくられ、SGMLが理解できるソフトを使えば、ソフト・ハードに委ねられずにデータや文書の処理ができるようになってきた。
SGMLは、1986年に国際標準(ISO8879)で規定された、文書の構造を定義する為の言語です。文書の構造を指定する為にテキストにマークアップを入れます。従来のワープロ文書の保管形式では内容、構造、スタイルが混在していたが、SGMLでは構造の明確化とスタイルの分離を行なっている。
SGMLは、スタイル情報を持たないのでスタイルに依存しないように交換できること、処理系にとらわれないテキスト文書であり文書ファイルを自由に異質のハード・ソフト環境で交換でき、将来、技術が進んでもデータを使用できるという利点がある。
XMLは、SGMLを元として出来ており、CALSブームの中で会社間でデータを共有しながら交換してゆこうという考え方に基ずき注目され、1998年2月にW3C(ウエッブの標準化機関)勧告、標準化がされている。
XMLは、SGMLのインターネット対応簡易版で、インターネット上での利用を想定し、HTMLの持つハイパーリンク機能を利用し、分かり易い記述方法というのがコンセプトとなっている。また、HTMLとの違いは、タグを独自に決められることがXMLの優れた点であると言える。
このXMLを用いることによって、ウエッブを使った新しいアプリケーションがどんどん作られるものと期待されている。
このXMLを用いると、異なるアプリケーションでデータを交換する場合、ソフトウエアAで「名前」となっており、ソフトウエアBの「氏名」となっている際に、名前というタグで括られたものを「氏名」のところに持ってくるというように、タグから意味を認識することによって異なるソフトウエア間でも該当するところのデータをはめ込む事が出来る。
また、インターネットで買い物をすると、購入者氏名や電話番号、配達先など色々な情報が商店、銀行等関係機関を飛び交う訳ですが、それぞれの機関が自分に必要な情報をタグによって見分けて活用する事が出来る。更に、商品供給者がXMLで商品情報を作っておけば、顧客は複数の商品供給者の提供する商品の中から検索によって希望する商品が選べるようになる。その他、刻々と変動する為替相場や金利などについて、XMLリンクの拡張により配信文書中のデータを変動する個所だけサーバーから引っ張ってきて定期的に更新することもできる。

(2)VR技術(Virtual Reality)
インターネット上で臨場感のある情報を提供する為には、商品を実際の店舗で見るように自由に見て回り、手に取るように見る事が出来る様にする必要があり、そうした3次元的な表現手法であるQTVR、VRML、3DMLについてご説明致します。
QTVR(Quick Time Virtual Reality)は、アップル社が開発した技術で、数枚の写真を使って「見てまわること」を手軽に実現するものです。見る方向を360度回転させたり、上下に移動したり、ズームイン・ズームアウトを行なったりできる。それを作るには対象物の写真数枚とアップル社の製作ツール、見る為にはウエッブブラウザと無料でダウンロードできるウエッブ組み込みソフトが必要となる。これを用いると、店舗の中の紹介や町並み・風景の紹介等ができる。
VRML(Virtual Reality Modeling Language)は、ウエッブ上で3次元世界を描く道具で、見る方向や場所を指定することが出来、3次元世界の中のものを回転させたり、移動させる事が出来る。VRMLで作られた作品を見る為には、ビューワ(見るためのプログラムで無料でダウンローで出きる)をパソコンにインストールする。VRMLを使うと商店の中や商品が立体的に紹介できる。製作は専門家に依頼するのが一般的。
3DML(3 Dimension Markup Language)は、VRMLより簡単に3次元世界を実現する道具で、HTMLと同じような書き方で3次元世界を記述できる。

(いくつかの事例紹介)

(Q&A)
Q.どういう写真を使ったら良いか。
A.普通のディジタルカメラで角度を変えて何枚か撮影したもので良い。それをアップル社から出ている製作ソフトを使って上手く結合させれば良い。作る方はマックでないとできない。
Q.どれくらいの容量になるのか。
A.普通の室内の風景であれば数100キロ程度です。1〜2メガあればかなりの表現が出来る。費用は品質や製作者によって異なるが、現在では数10万円程度。内部で製作できるレベルで始めるのも良いのではないか。


2.アクティブ・バーチャル・モールOZの現状について  説明 株式会社ヤマサ 尾上氏
 ユーザー登録は、当初予定の200名を越えました。追加のライセンスをお願いしております。お店のページを少し変更しました。テナント数は現在55店です。OZが用意した画面で買い物が出来るテナントについては、店をまたいで買い物しやすいように買い物かごを用意しております。
(新しくなった点をホームページを示しつつ説明)


3.事務局からの連絡事項について
(1)商品紹介画面での表示が不十分なので、訪問販売等に関する法律及びオンラインマーク制度に関する表示義務項目に準拠しつつ整備してゆきたい。(@社名、A所在地、B連絡先、C商品等の価格とその付帯費用、D代金等の支払時期及び方法(複数)、E商品の引渡時期、F返品特約の有無、G代表責任者、H苦情・相談窓口と連絡先 など)
(2)次回に実運用に向けての運用規約の案を示しますのでご協議下さい。
(3)商品・サービスの紹介のみを行なっているテナントについては、予約の受付、質問・相談や要望を積極的に引き出すなど画面構成を検討していただきたい。
(4)ユーザー登録がお済みでないテナントは早急にお申し込みいただきたい。
(5)インターネット初心者講習会を12月 14日、20日に開催しますのでご参加ください。(各13:30〜16:00、岡崎情報開発センター研修室)
(6)マーケティング研究会を開催しますのでご参加ください。(日時は後日連絡します)

草間コーディネーターのコメント
既に実験期間も半分が過ぎようとしております。目指すところは、信頼性のあるバーチャル・モールです。最初から様々な制約条件をつけることは私の好むところではありませんが、実験事業が終了すれば通常の商取引と同じ信頼性が必要ですので、信頼性の高いバーチャル・モールとする為に、何かと皆様に煩雑なことをお願いすることになって参るかと思いますが、よろしくお願いいたします。


4.Q&A
Q.商工会議所の会報にOZのURLを掲載してください。
A.次号から対応致します(表紙裏に表示)。
Q.OZの中で私だけが工事中となっていましたが、近々お店を開設します。私の店はコンサルティングを行なう店で価格の無い物を売ることになる訳でどのようにアッピールしたら良いか迷っていましたが、産学共同を推進するということで、大学の先生や大学にある知識や物を皆様方に販売するつもりでおります。具体的には、愛知や岡崎の大学懇話会の先生方の支援可能な事柄を皆様に届ける仲介業を行なうということで、テナントページの原稿を提出しました。信頼プラス魅力が必要で、そうしたテナントを目指してゆきます。そうした点からマーケティングの連絡会には期待しております。
A.仮想商店街も現実のお店や商店街と同じだという考えで進めてください。アクティブ・バーチャル・モールのテナントのページに入っていただくと、現実のお店と同じように看板があり、店の中に入ると今日説明を受けた動画技術を使って、どういう商品があるか見渡せる様になっていて、さあ買おうという時には、テナント独自のホームページに飛んで買っていただくという考えでやっていただけば良いと思います。動画の部分は、それを使った方がより興味を持っていただけることになるのではないかということで、OZの中で使いやすいものを考えてゆきたい。実験終了後は、4月1日を目途に実運用に入れるようにしたいと考えております。
Q.M&Pレーベルでは、イベント情報を出していますが、独自のホームページではライブ情報を流していますので、リンクを張って欲しい。
A.どのような情報を流されてもかまいませんが、本格稼動すれば費用がかかってくることも頭へ入れておいてください。
Q.私のコンサルティング事務所の営業品目の1つは街の活性化のコンサルティングですが、1つ引き合いがきております。また、岡崎共同研究機構に対して文部省から研究成果を売れという指示が出ているようで、他の国立大学も同様で、非常に良い売り物が見つかりつつあるという現状です。テナントとしてコンサルタントが入っているバーチャル・モールは日本でもあまりないと思うので、それが目玉になればすごいなと思っている。
Q.テナントの数が55あるので、互いに他のテナントのページを見てそのやり方を大いに参考としながら進めば、良いテナントページ、良いモールとなれるのではないか。評判の良いバーチャル・モールは、入っていって楽しいもの、抵抗感なく商品に辿り着けるもので、逆に、見ていて面白くないホームページは、買いたいものが有ったとしても商品まで辿り着かないわけで、作る側がどれだけうまく作っているかということなので、各テナントがその研究を是非行なっていただきたい。そうすればOZが相当グレードアップされると思う。
Q.先日、OZで紹介されている商品についてお店で尋ねたら、「よくわからない」という店員さんの答えが返ってきました。ホームページで紹介している商品やサービスについては、お店なりグループの店員さんが知っている様な対応は最低限必要ではないのか。地元の顧客は、送料がネックになるケースが今後沢山出てくると思うので、ホームページ上で注文するばかりでなく、お店に買いに来ている場合もあることから、ホームページに載せた商材について適切な対応を従業員が行なえる環境を作って置く事が重要となる。それを前提として、お店の周辺の地図が有ると良いのではないか。
A.おっしゃる通りで、バーチャル・モールを見て現実のお店に買いにみえる数も増えることが既存のバーチャル・モールでも多いと聞いております。バーチャル・モールは現実の世界とリンクしているということを常に意識しておいていただきたい。バーチャル・モールは現実の1部分だという風に考えていただくのが良いのではないか。本年度のコーディネート活動支援事業のテーマの1つにバーチャル・ユニバーシティ研究会があるが、そちらでは、このOZをつかって世界の幾つかの地域に対してビジネスをやってゆこうということが検討段階に入っております。ですから、信頼性の高い、地域に密着したホームページと世界に通用するホームページの両方をにらんでゆくという方向でやっております。
Q.バーチャル・モールを網羅した一覧表はあるのでしょうか。
A.完璧に網羅しているものはないと思います。不完全ですがリンク集のようなものはあります。

次回は、12月22日(水)に開催する。(以上)





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