第11回アクティブ・バーチャル・モール研究会議事録


第11回アクティブ・バーチャル・モール研究会議事録
平成12年2月23日 14:00〜16:00 岡崎商工会議所501会議室 出席者37名
岡崎商工会議所コーディネート活動支援事業

開会挨拶  草間コーディネーター
 私が地域活性化のプロジェクトに関りまして、足掛け5年になります。昨年度、今年度とコーディネート活動支援事業に採択して頂きまして、私が目指しておりました事は大体到達できたのではないかと考えております。
今年の4つの柱は、@任意団体のバーチャル・ベンチャー・コーポレーションFRONTIAの法人化で、これはベンチャービジネスとして株式会社インターフロンティアを立ち上げることが出来ました。A任意団体の21世紀を創る会・岡崎は、2月28日に設立総会が開かれNPO法人を取得致します。Bアクティブ・バーチャル・モールOZは、ある程度の形にはできました。これから、運用主体の岡崎商工会議所を中心として、間の期間にどのように対処してゆくのかが課題となります。C通信制大学院のシステムもほとんど出来上がりまして、いま、母体となる外国の大学を調査折衝中であり、近い将来そういうシステムができると思います。
今日は、アクティブ・バーチャル・モールOZ実験終了報告と、OZの今後の展開というテーマで進めて参ります。

1. OZの実験終了報告について
   説明 株式会社インターフロンティア 尾上氏
@バレンタインフェアーについては、750程のアクセスが有りました。
A実験が終了しましたので、フラッシュナビの廃棄について、アクティブ・ユーザーに案内を出しました。2月29日で契約が切れますので廃棄してください。
B参加テナントは70を越えました。
Cプッシュ配信については、インターネットエクスプローラーのチャンネルという技術で試験中です。
Dコラボレーションルームは、日にちが経ったら削除というようにシステムが作られていましたので、これを修正しております。

2.OZの今後の展開について(事務局)
@登録ユーザーのプロフィール
ユーザー数は、201名、協力企業3社で108名、テナント 45名、一般 46名、コーディネーター2名。(資料説明)
Aアクセス数について
トップページ3,718。全体のアクセス数は42,357、月別では、11月が8,102、12月が8,207あったものが、1月には5,343と減少しております。2月はプレゼント企画で持ち直している。(資料説明)
紙媒体も含めてもっとアピールが必要。
テナント毎の月別アクセス数については、概ね全体のアクセス数に比例しているが、株式会社宝金堂は月を追う毎にアクセス数を伸ばしているのが目立つ。これは、内容の更新がこまめに行なわれている事によるものと思われる。
バレンタインプレゼントのアクセス数は、全体では752、トップページが368、予告期間を含めた周知が十分でなかったこともあって、予測より少なかった。
BOZの方向性と基本方針(概念図により説明)
地域にこだわって力を入れてやってゆく。その際、アクティブ・バーチャル・モールOZを中核とし、会員企業をその機能やサービスにより、「製造業を中心とする製品・技術・技能」、「健康・福祉・介護」、「教育・文化」、「環境」、「観光・飲食・宿泊」等の区分によりOZと連担させ、より広範なサービス提供を行なう。
その外側をNPO法人化を進める21世紀を創る会によって、医療、ボランティア、市民、大学などの情報を整備し、地域の有効な情報媒体として機能させてゆく。
実験終了後の運営については、現在、明らかとなった多くの課題を改善する為、マーケティングとホームページの改善、その他をテーマとして、テナントの皆さんと専門家による「支援チーム」設置し改善を進めてゆく。
3ヶ月程度の改善期間をもって本格稼動に入れるよう努力してゆく。

草間コーディネーターのコメント
フリーディスカッションに入ります。ご意見、ご質問がございましたらご発言ください。
.マーケティングとホームページ改善の支援チームを作り、改善を進めてゆく事は妥当な方向だと思います。
第3回のマーケティング会議(メディアポート日本、宮島氏の講演)の内容はモールの経営戦略についてであり、理論的であり、魅力が高まったのだが、逆に、どうして良いか分からなくなった、というのが本音です。この時の議事録を読み返して、テナント全体としてOZの魅力をどう高める為にどうしたら良いかという具体的な検討に入りたい。
.先日の、メディアポート日本、宮島氏の講演は、その概略は、電子マネーの話と、One to Oneマーケティングの話であったと思います。お客様の情報を一元化し活用することを電子的な手段でどう実現するかというモデルを紹介いただいたということです。
One to Oneマーケティングとは、ホームページにコンタクトするお客様もいるし、お店に直接来るお客様もいるし、営業マンがコンタクトするお客様もいるし、電話をかけてくるお客様もいる訳ですが、違う道具を使ってコンタクトをしてもそのお客様一人の情報に取りまとめる事によって、お客様をより深く理解して、一番適切な商品やサービスを提供してゆく事だと思います。
これを現在の自分のお客様の管理で考えると、よく分かるのではないでしょうか。
OZにあてはめると、だれがどういうコンタクトをしたか、何回コンタクトをしたか、プレゼントに応募したか、そうした記録をお店の記録や普段の営業活動の記録と一緒にしてどう活用するかが課題だと思います。
コンタクト数の集計については、OZ自体の力によるか、テナントが顧客に声をかけたからか、他の媒体による広告効果によるものかということも含めて検討し、いろいろな意見が出てきたときにアクティブなアクションを起こすことになる。これがこの先3ヶ月のマーケティングの勉強会であり、ウエッブの技術・表現、ウエッブと他の手段をどうミックスさせるかという勉強会となる。
なにはともあれ、この短期間でプレゼントを行なうようなモールはめったにないと感心しております。
.岡崎は、他と比べてモールを立ちあげるスピードが非常に速かった。
@あらゆるメディアを総動員してPRすべき時代で、インターネットだからパソコンだけで情報が見てもらえると思うのは甘い。
Aホームページの内容については、地図があると店の場所が分かり易い。
Bデータをどのようにして売上に結び付けるか。
この3点を充分論議し、売上に結びつく仕組をOZの中で発見して頂きたい。
.今、この中で話し合わなければならないのは、OZを伸ばしていって、それと共にお店が伸びてゆく方法を研究することです。
その為には、OZ自体が何故売れないのか、何故このようなアクセス数のデータになっているのか、会員数が限られている上に、関連企業の比率が高く、男性が中心等、問題点を整理する上で情報が不足している。OZ自体をどのように売ってゆくか、OZがどのようなお店であるかを地域の皆様に見てもらうか、その為にはまずコンセプトづくりが必要です。
現状のOZは、総花的でどういう店かよくわからない。わからないものは売れないので、マーケティングの実行部隊を編成し、どのようなコンセプトで、どのような店づくりをしてゆくのか、B to Bではどのようなカテゴリーでお店をお客様に見せてゆくのか、まずは、OZを利用して売れるようにしたいという思いでテナントとして参加しているので、「OZ自体をどのように売ってゆくか」ということ一本に絞って、実行部隊による論議によって経営戦略、コンセプト、店づくりの提案を出して進めてゆくべきだ。
ターゲットのいるところに適切にリンクを張り、月に1000ヒット以上を維持している地元のディーラーでは、ネットだけで車が売れることもある。魚のいないところで釣り糸を垂れても魚は釣れない。どういう魚を釣りたい、その為にはどこで釣るか、餌は何にするかなどを、一つ一つマーケティング会議で固め実行に移してゆきたい。
現在、OZに欠けているものは、「何を売る商店街なのか、どういう商店街なのかが分からない事」、「毎日でもプレゼントを行なうなど新しい提案をユーザーにしてゆく事」、「地域性を付加した楽しい情報を加えてゆく事」など沢山あるが、まず、どのような商店街なのかを一言で言えるコピーを考えてゆく必要がある。
地域で1番の商店街を創るという方向をはっきりさせ、ホームページの内容、構成、それ以外のお楽しみ情報、デザイン、分かりやすい言葉の使い方等を整理するとともに、地域の方々にこの商店街を知って頂くために必要なところとリンクを張ってゆく。
.商工会議所は、いろいろな業種の会員がいるので、会員に対する公平性をすごく気にしているように思える。最終的にはテナント会議が運営主体とならなければ、個性を強く打ち出した、魅力的なモールとならないのではないか。また、ポリシーは、マーケティング専門部会でなく、この場で決めるべきだ。
.私が申し上げたのは、人数が多すぎてもまとまらないので、マーケティング専門部会でたたき台をつくってそれを基に論議して、全体の方向を決めて頂くのが良いということです。
また、これで儲けたいというテナントが中心になってこれを進めてゆくということです。岡崎の地域情報という観点に立てば、あらゆる業種、あらゆる企業が関係する訳で、うまくまとめて行けるのではないか。
.これまでのOZは、実験事業という事で形態が難しく、方向性は逆に出し難かったのだと思います。実験が終わった時点で、会社組織にして経営の基本としてコンセプトを決め、その下にマーケティングが出て来るという形にならなければ伸びて行かないだろう。
これまでのページは面白味が無い、それは、個店のページの最初のところにこれを売りたいというものがない。そこに一番売りたい物の写真を出す等の特色を出さなければいけない。今のものは、同一のパターンで特徴が見られない。
OZを伸ばして行く為に、是非、会社組織にして、テナントの誰かに社長になって頂いて、3〜5年のスパンで黒字化を目指す。私も出資することができる。
.今後のマーケティング会議の材料として、実験期間の中に感じた事はいろいろあろうかと思いますが、ホームページというチャンネルはどんなものだったのか、やってみたときに今の利用者層にどのような役割を果し、これから増えて行く利用者層にどのようなどのような役割を果す可能性があるか。自分の会社の顧客とのやり取りの中で、ホームページはどのような位置付けであったのか。
また、電子の世界では、見た人はすぐメールを書きますが、それに対する返事を書くスピードは24時間程度である事が求められ、このスピード感は従来のものと大いに違ってきている。配達のスピードも、顧客名簿の使い方も異なり、それぞれの事業の中でこのホームページがどのような性格を持ち、どのように使われるのかという体験を、この実験事業の中で感じるきっかけがあった。
今ホームページを見ている人を、一般的な人だと思わない方が良い。しかし、ホームページ、メール、iモードがどんどん発展して行く。従って、今の状態で考えるというより、これから自分たちの仕事をどうして行くか、今後どの様な状態になり、その時どのようにして行くかを考えなければならない。
もう一つは、バーチャルモールは電子商店街という言葉になり、一つの固まりで、それが何かをつくってくれるというように考えるが、先例が示すように、そううまくいっているところはありません。ものすごい投資、ものすごい宣伝をやってもそれだけでうまくいっているところは有りません。箱物行政の箱と同じで、それがあればうまく行く訳では有りません。
お客さんとのスピードのあるレスポンスをそれぞれのお店、それぞれの担当者がどれだけうまくやって行くかが、ホームページが日々変わったり、いろいろなプレゼントが次々出てきたり、プレゼント応募者に対しお礼のメールを送り、今後テナントの情報を送る事の許諾を求める同報メールを出して行く。自分の仕事と、自分のお客さんが10社、20社と集まってきたとき、どのような力となるのだろう。
OZは、地域という性格を持っています。いざとなったら車で30分で店に行けるので、バーチャルだけで勝負をする世界ではなく、これが強みであり、弱みでもあり、性格であります。現実にもお店に来ることができるという事を強みにしなければ、世界や日本の代表的なホームページ・商店と対等にやっていく事はできません。
.当社は10月にホームページを立ち上げ、約1000件のアクセスが有りました。しかし、注文や引き合いは1件もありません。そこで、地元を意識したOZに期待した訳ですがこれも売れませんでした。当社内では、OZというモールの名前が愛着が持てない理由ではないか、例えば「岡崎市場」等が良いのではないか、また、月に1回程度、ユーザーが参加できる花火やハイキングなどイベントを考えたらどうか、岡崎という連帯感で引っ張っていったらどうか、という意見が出ている。
URLを入れたTシャツをつくってプレゼントをし、このモールを広めていったらどうか。
.当社は製造業ですので、モールへの関わりはB to Bかなということで、まず当社がどんな会社かという事について情報発信を行なってきました。当社が期待したいところは、産業資材用フェルトを造っておりますので、造っている人間には思いも付かないような発想・使い道に関するアイデアが頂けたらありがたいと思います。マーケティングなどの専門部会の活動によりアクセス数の増加に努めて頂くと共に、B to Bへの期待をもって関わっておりますので、そちらの面でもよろしくお願いします。
.今までDVDという機械が60〜70万台の市場を形成していましたが、最近、プレイステーションが話題となっておりますが、これにより市場が一気に3倍となると言われています。私どもは、インターネットでDVDのソフトを販売しておりまして、これが雑誌広告を1つ出しているだけで毎日注文が来ます。何故かと考えてみますと、今までDVDのソフトの通販をやっている業者が非常に少なくて、私どもはビデオCDの頃からコンピュータを使った映像の通販をやっており、ホームページに商品リストを載せており、商品の注文が途絶えたことがない。
特殊な商品を扱うお店がいくつかあるとモールの魅力となり、特殊なものをトップページに載せてOZの魅力を創り、牽引力とする事も検討したい。
全体的に月を追ってアクセス数が減少している中で、逆に、アクセス数を増やしているテナントがあるが、どのような工夫をされたのかをお聞きしたい。
.私は、ユーザーのプロフィールを見て、30〜40代の男性ばかりで、当店の商品に関心がない人が多く、売れない理由が分かりました。なぜアクセス数が増えたかよく分かりませんが、プレゼントと今流行の癒しグッズを載せた事によるのではないでしょうか。
.アクセス数は増えていますが、ホームページは変えていません。むしろ、バレンタインプレゼントのおこぼれをいただいたのではないか。12月にぜんぜん知らないところから注文をいただきましたが、それ以降は注文がありませんので、ホームページをガラッと変えてしまうよう準備をしております。
日本全国を相手にホームページで情報を発信してもほとんどすべての人は当店を知りません。知名度ゼロで商売をするのは厳しいので、岡崎の人に売りたい訳ですが、岡崎の人に売ろうとすると今の仕組では1000円近くの手数料がかかってしまいます。これでは厳しいので、モール全体で何点か買って頂くとの一括決済として、送料も低額に出来れば非常に売りやすい。地域をターゲットとしたモールに魅力を感じており、「いながらネット」が実現できると良い。安価な配達機能が活用できると、モールに参加する小売業者にとっては良いと思う。

OZの今後について(事務局)
運営主体は、テナントとユーザーのニーズに大胆にすばやく対応するものでなければなりません。そのように努力してゆきますが、将来的にはテナント主体の運営会社という選択肢も無い訳では有りません。来年度、商工会議所は、4人程度のスタッフを投入し、インターフロンティアと連携してこのモールの課題の解決に向けて全力で取組みます。

服部コーディネーターのコメント
OZをスタートさせてわずか3ヶ月の今日のディスカッションの中で、ほとんどOZの方向性も出され、事業の進め方も皆さんの意見の中に入っていることに驚いております。
たった数ヶ月でITの世界を皆様方が掴み、問題解決の方法、運営母体が誰であるべきか、B to BあるいはB to Cを分けて、その中でカテゴライズする、お客様をきっちっと決めてそこに合ったものを造って行く。
まさに、OZの実験の目的はそこにあって、そこでの課題の回答は既に出てしまっている。更に素晴らしいのは、専門家の皆様や、間連する業界の皆様が集まって、この岡崎でこれからのITやEコマースを論議できる場を持ったということが大きな成果といえるのではないか。皆様の感性や、やりたいという熱意が伝わってきて素晴らしいネットワークになったのではないかと思います。

草間コーディネーターのコメント
本日の第11回アクティブ・バーチャル・モール研究会をもって実験事業を全て終了致します。皆様方からいろいろな意見を頂き、大変勉強になりました。
私がこのバーチャルモールにアクティブという名前を付けた理由が3つあります。それは、@プッシュ情報を使う、A看板から店に入るところで動画を使って頂きたい、Bテナントもユーザーも今までのバーチャルモールにないほど行動的であって欲しい、という意味を込めてアクティブという名前を使っています。
私が好きで良く読む本の中で、「説法3万回」と言う言葉が出てきますが、ホームページを作ったら物が売れるというのはとんでもない事で、これは宣伝の道具の一つであり、最先端の技術を使って情報を発信する仕組を皆様に提示した訳ですので、これをどのように料理するかは皆様でしっかり話し合って決めてくださればと思っています。
私としましては、OZの実験事業は思っても見ないほどのスピードで進められ、成果があったのではないかと考えております。
皆様方には、今後、より良いOZを育てて頂きますようお願い申し上げ、本日の会議を閉じたいと思います。


3.事務連絡
フラッシュナビのソフトの抹消についての報告を、2月29日までに事務局までご提出下さい。(以上)





前のページに戻る