第1回アクティブ・バーチャル・モール研究会





第1回アクティブ・バーチャル・モール研究会
平成11年7月16日 14:00〜16:00 岡崎商工会議所501会議室 参加者 39名
岡崎商工会議所コーディネート活動支援事業

T.平成11年度コーディネート活動支援事業のアウトライン(草間コーディネーター)
・コーディネート活動の目的は、中小企業と外部の経営資源をニーズに応じて組み合わせ、その連携を支援することで、このことは、バーチャルコーポレーションを構築することであり、コーディネーターは、バーチャルコーポレーション構築のインターフェースの役割を果たす。
・コーディネーターは、昨年同様、岡崎商工会議所情報化委員長服部良男氏と大阪大学大学院助教授草間晴幸が務めます。
・ 事業のポイントは、平成10年度の事業成果を踏まえ、情報通信ネットワークを利用した遠隔事業に関する創業を支援すること。

・ 事業内容
@VVCフロンテイアの創業支援
A21世紀を創る会・岡崎のNPO法人化の支援
Bアクティブ・バーチャル・モールの検討と試作
売り手側から買い手側に(プッシュ技術を活用して)情報を発信する能動型・発信型のバーチャル・モール。平成12年初の試験運用を目標に準備を進める。(バーチャル・モール研究会を設置=単なる研究を行うので無く、試験運用に向けての具体的準備を行う。)
C通信制大学院の設立にかかわる検討とシステムの試作外国人に対する日本語教育を行う通信制大学院の設立を支援する。(バーチャル・ユニバーシティ研究会を設置)


U.「バーチャル・モールの現状と問題点」
説明:西日本電信電話株式会社名古屋支店法人営業部
ソリューション部門ソリューション推進担当 岡田英紀氏、早川賢司氏

1.EC(エレクトロニック・コマース)の概念と市場性
・ バーチャル・モールのイメージ・・・MPN(メディアポート日本=当地域で最も大きなバーチャル・モール)の紹介ビデオ上映。

・ EC(Electoronic Commerce=電子商取引)とは(定義)様々なコンピュータネットワークを用い、あらゆる経済活動を行うこと。広義のECは、CALS、EDI、電子マネーなどの要素を含み、BtoC(Business to Consumer=企業と消費者間の取引)だけでなく、B toB(Business to Business=企業間の取引)まで含み、ネットワーク上での商取引全般をさす。(商品情報提供・受発注・決済・配送・アフターケア・商品企画・開発まで対象となる。)

・バーチャル・モール(仮想商店街)とは、商店街・デパートなどのインターネット上の呼称。ECの市場(通産省+アンダーセン・コンサルティング・1999.03)
1998年(BtoB=8.62兆円。BtoC=650億円)
2003年(BtoB=68兆円。BtoC=3.16兆円)
BtoCの家計支出に占める割合。1998年=0.02%。1999年=0.06%。2003年=0.97%。(アメリカの場合は、1998年=0.4%。1999年=0.7%。2003年=3.2%。)
2003年の商品別市場予測 第1位=旅行(9,100億円)。第2位=自動車(4,900億円)。
第3位=パソコン(3,700億円)。・・・日系ビジネス19990524号(通産省調査)


2. B to Cビジネスの効果
・実店舗では商圏がかぎられるが、(地方発でも)全世界が商圏となる。
・ローコストオペレーションの実現が可能となる。(店舗・人件費・在庫・光熱費などの節減。)
・ 無限の展示スペースの活用が出来る。(検索機能の活用)
・カタログ通販に比べ、情報の受発信に関し、より迅速な対応が可能となる。
・個々のお客に合せて商売の展開(カスタマイズ)が可能、きめ細やかなサービスが可能となる。
・ 成功の秘訣・・・@コンテンツ(プロダクト)=そこにしかない物、タイムリーな物、Aコミュニケーション=お礼、お知らせ等、問合せへの応答、Bデータベース検索=商品選択・発見、Cブランディング=商品・商店に対する信頼・専門知識


3.B to Cの機能構成
・ ショッピング機能・・・商品の陳列や更新管理、ショッピングカートの管理、受注処理などの機能。(DB機能。検索機能。ショッピングカート機能。Webマーケティング機能)
・ 決裁機能・・・商品代金の決済を行う機能。(オンライン完結機能=SET、SESE、SSL=、オフライン処理決済)
・ 配送機能・・・受注情報により商品を顧客に配達する機能。(デジタル商品はオンラインで完結。物理的商品はシステムと人手による連携作業。)
・ 開発運用管理機能・・・システム構築作業、コンテンツ更新作業を行う機能。
・ プロモーション機能・・・サーチエンジンへの登録やバナー広告掲載等、顧客を招く機能。レコメンドサービス(お勧め)の展開

3−2.ECサイト(BtoC)の形態
・ 電子商店・・・個人商店や中小企業の中小規模ECサイト。独自のシステム、貸しサーバ利用。
・ バーチャル・モール・・・複数の商店が集まったECサイト。貸しサーバ利用。
・ 大規模EC・・・大企業のECサイト。独自のシステム。


4.バーチャル・モールの成功例(Webサイトの実例)
・家具の青木(電子商店)
http://www.kyoto-aoki.co.jp/interior/interior.html
現実の店舗を閉鎖、EC店舗のみ、月商は500万円。ローコストオペレーションで価格競争力。問い合わせには2時間以内で返答。定期的・迅速な情報更新。

・小仲酒店(電子商店)
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/konaka20/
個人の酒屋さん。個人でやっているため、自分の好きに作れる。メーリングリスト、メールマガジン等で顧客の囲い込み。

・楽天市場(モール)
http://www.rakuten.co.jp/
東急百貨点など400店が参加する大型モール。98年12月の売上高は1.5億円。何でも買える。ワンストップショッピング。ジャンル分け。目玉商品で人を呼ぶ(オークション、懸賞、お中元特集)

・IPPIN!!(モール)
http://www.ippin.com/
有名電子商店の売れ筋商品だけを集めたモール。店・商品を絞り込み。入店審査が厳しい。お客様の意見を集める。店舗数は18。98年12月の売上高は、3,500万円。

・紀国屋書店(大規模EC)
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/
DB検索可。ここに行けば、欲しい本が見つかる

・高島屋(大規模EC)
http://www.takashimaya.ne.jp/opening.asp
はやっているかどうか不明。イベント(中元・歳暮)がウリ

・南陽商店街(その他:名古屋市内)
http://www.iijnet.or.jp/nanyo/
地域の情報発信。ショッピングモールはお店の紹介のみ。


5.BACKWEBによるPUSH技術
・ バーチャル・モールにおける問題点(サプライヤーの立場では、ユーザが見に来てくれなければ情報が伝達できない。ユーザーの立場では、最適な情報に最短時間で到達することが難しい。)を、プッシュ技術を使って解決する。
・ プッシュ技術とは=ユーザが欲しい情報の種類を選択しておくと、以降は、ユーザのパソコン画面上に自動的に情報が配信される仕組み。これにより、@セグメンテーションの実現、Aさまざまな情報提供、B効率的な情報伝達が可能となる。
・ 用途は、商品広告、イベント告知、オンラインマガジン、お知らせ、DBと連携させた情報のリアルタイム提供、会員への情報提供等で、他の作業中でも強制表示が可能。
・ アメリカでの利用例=インターネット上でニュース配信(CBSスポーツニュース)。新車情報(VOLVO)。株価情報(PCQuote).


V.質疑
Q.新宿で行なわれたICカード「スーパーキャッシュ」の実験は成功したか?また、これが主流になるのか?
A.来年まで実験期間中なので、まだ結果は不明。スーパーキャッシュが世界標準になるかどうかも、今の段階では不明。デットカード的なものになるのか、ICカードになるのか、クレジットカードなのか見えない。

Q.現実の街中の商店街に人が集まってこない状態の中で、バーチャルモールではどのように客を集めるのか。また、通信費の問題があるが、どのように考えるか?
A.通信費は安くなる方に、動きつつある。高速通信の環境も使いやすくなる。

W.本研究会の今後の進行予定
・ 以下の日程により、月1回、本日を含め、都合8回開催する.。開催時刻は、午後2時より4時。会場は、岡崎商工会議所。

8月6日(金)  9月10日(金)  10月13日(水)  11月11日(木)  12月8日(水)

平成12年1月12日(水)  2月9日(水)

・ 単に調査活動を行う研究会ではなく、平成12年1月の試験運用に向けて具体的にアクティブ・バーチャルモールの構築・運用を行う為の研究会とする。随時、システム構築の状況を公開しつつ、サプライヤー、又は、ユーザーとしてアクティブ・バーチャル・モールに参画するための準備作業を行う場所とする。
・ システム構築に関しては、(株)ヤマサの尾上典弘氏に準備を進めていただいている。西日本電信電話(株)の早川賢司氏にも本研究会会員として活動していただく。







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