有限会社竹田鍍金工業

   代表取締役
    神谷 篤 氏


新しい装置を考案され、特許取得について動かれているとお伺いしましたが…

 我が社はいろいろな製品にめっきを施すという仕事をしていますが、めっきをする際には様々な薬品を使用するため、廃水処理という工程が発生します。現在、社内の総合廃水処理装置で処理をしているのですが、上下水道代や薬品代、さらに最終的にでる産業廃棄物の処理代と結構な費用がかかってしまうという状態でした。そこで、何とかして廃水処理に係る費用を削減できないかと考え低コストで導入できる『水洗水から水と薬品を分離するプラント装置』を考えました。
 この中の油の吸着分離工程で偶然、特許が取れるかもしれない方法が見つかりました。これは私ども製造業のみならずレストラン等の廃油処理にも活用でき今後の展開が楽しみです。 

経営者として、特許に関してはどのようにお考えですか

 この件に関して言えば、最初から「特許を取ろう」という意気込みで始まったものではなく、「気が付いたら特許がとれそう」といった状態で特許と関わるようになったという感じでした。特許をとって装置の製造販売の独占権を得、事業として成り立てばという思いもありますが、別に成り立たないとしても自社にとって「コスト削減ができた」というメリットがあるのでそれで十分です。知的所有権については、企業の大小にかかわらず経営者は知らなければいけないことであると思います。自社で新しいものを開発しても特許の申請をしないがために大手に参入され侵害されてしまう危険もあります。ましてや石油も資源も無い日本が唯一の宝である技術をいとも簡単に海外に持っていく昨今の風潮に非常に強い危機感を持っています。
 今後も自社の技術等を守るという意味でも特許を積極的に活用していきたいと考えています。

も ど る