地域活性化の成功例として注目されるシリコンバレーをはじめ、世界の多くの経済地域の発展過程における産学官協調活動の役割は極めて大きなものです。そして、その活動が地域を越えたネットワークを結んで1つのコミュニティを形成していく必要があります。
 本所には、今年度の重点事業である『広域経済活動の推進ならびに産学官民連携による地域活動』の支援団体として、平成12年7月12日にNPO(Non-Profit Organization)認証を受けた「21世紀を創る会・みかわ」、市民起業家及びベンチャー企業を育て、豊かなコミュニティをつくることを目的とした「三河スマートバレーネットワーク」、そして産学官民の協働活動を支援する「岡崎大学懇話会」があります。
 そこで今回は「学」の面から地域活性化の活動を展開する「岡崎大学懇話会」を紹介します。

 新たな産学官民協働活動を目指す岡崎大学懇話会の現状と今後の活動内容について、岡崎大学懇談会中垣会長にお伺いしました。

 

Q.岡崎大学懇話会は、地域活性化にどのように 取り組みますか?
 岡崎には4つの大学があり、それぞれ特性があります。幼児教育を中心に子育て支援や介護支援の教育(岡崎女子短期大学)、現代の多層的なコミュニティに着目した政策指導(愛知学泉大学)、造形学部など一般の建築だけでなく市民生活にも基づいた建築デザインの提案(愛知産業大学)、そして「環境」をキーワードにした人間環境学(人間環境大学)、それぞれにユニークな専攻分野があります。各大学がこのような指導・教育を行ううえで培った技術やノウハウを、いかに有機的かつ複合的に発揮させられるかを念頭において地域の活性化に取り組んでいきたいですね。

Q.これからの大学の役割は?
 産学官民の連携は今後も望まれると思います。大学はこれまで「教育・文化」を主導に動いてきましたが、これからはいかに地域社会に貢献できるかが問われており、より一層の若い視点でモノを捉えた指導が必要になると思います。また、私どもの大学では、全学あげて大学を開放しています。“大学は地域に活かされている”、育てた人材を社会に還元することが第一の使命ではないでしょうか。そして、学生の新しい発想を導きだす環境を整え、今まで無かった分野を切り開くことにも取り組まなければなりません。これらを踏まえ、『大学=地域を考えた人間形成の場』にしたいですね。

 岡崎大学懇話会
  会長 
中 垣 洋 一 氏
 (岡崎女子短期大学 理事長・学長)