今回は磯部ろうそく店さんの紹介です。磯部亮次さんにお話を伺いました。

 
磯部 亮次 氏       磯部 孟位 氏 


 400年ほど前から始まったといわれる「ろうそくづくり」に携わり私で9代目、昔と変わらぬ日本産のはぜの実を使い、1回2日半の行程で手づくりにこだわってやっています。
戦前、市内に30軒ほどあった「ろうそく屋」さんも今は3軒のみ、どの業界でもそうだと思いますが、職人にとっては生きにくく、大変厳しい時代になってきています。昔はいいモノを作ればそれが売れ、つくることが職人の仕事でした。しかし、「語り継ぐ」という風習がなくなりつつある昨今、いいモノが分かる人・それを語れる人が減り、昔のように作っているだけでは仕事にならないのが現状です。
 逆にだからこそ、『和ろうそく』のよさを伝えるチャンスだと感じています。日本の原材料を使い、日本の職人の手で作られる数少ない伝統文化のひとつであり、なんといっても時代に必要とされて「和ろうそく」が残ってきました。「なぜいいのか」ということをうまくPRすることで、職人さんの仕事に対する誇りを喚起したいですし、うちの商品を店におくことをステータスに感じてもらえるような信用(技術・商品)をいただけるよう、今後も精進していきたいですね。また、宗教との関わりだけでなく、元来「明かり」として使われてきたろうそく。原点に帰り、心おだやかなひとときを演出するアイテムとして、日常生活の様々なシーンで使っていただけるような提案をしていきたいです。
 岡崎が今後も、観光目的ではなく、生活の中で必要とされている伝統工芸品をもつ街でありつづけられるよう、新しい挑戦を試みながら受け継がれてきたもののよさを語り伝えていきたいですね。





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