リニューアル

 2001年度の会報表紙は、生田薫さんの作品「アジアの情景」シリーズをお送りします。いま最も注目を浴び、伸びゆく世界のなかのアジア。作者が旅のなかで残した写真の記録と心の記憶を融合させたアートが、近くて遠いアジアの国々へと誘います。 

表紙−作者の言葉 生田 薫デザイン室 生田 薫

 デザイン業務をするかたわら、よく旅に出かけます。「アジアの情景」は旅で拾い集めたイメージの断片をコンピュータで僕なりのイメージに再構成したものです。アジアは人間の本音が、風景のあちこちに散らばっていて、僕の嗅覚を刺激するたいへん好きな地域です。夢を実現した、夢を実現しようとしている、夢を追って挫折した、いまだ夢を持てない、夢は持たない、夢を実現したがその夢の意味を捉え直している、といったさまざまな状況が展開する中、良きにつけ悪きにつけ、アジアは世界の未来を映す鏡として我々に問題提起をしてくれる地域であるとも思います。日本もアジアの一国として例外ではないですね。

 中国は蘇州のお寺にあった見事な石の盆栽。その景色を眺めていたら、急にインド北部(チベット圏)のラダックで見かけた、小さなチベット僧たちの植樹の姿をのせてみたくなりました。