Report

レポート

 わが国の経済は長期化する景気低迷のなかで産業構造の変革期にあり、総務省が発表した1月の完全失業率は4.9%で過去最悪となり、雇用に与える影響も大きな問題となっています。また厚生労働省が発表した1月の有効求人倍率は0.65倍、1年8ヵ月ぶりの低下傾向で、新規求人数も運輸・通信業やサービス業がリード役となり、前年同月比+16.7%という高い伸びを示したものの、伸び率は鈍化しています。さらに文部科学省が発表した2月1日現在の新規学卒者の内定状況は、大学生が82.3%(昨年同期81.6%)で昨年を上回ったが依然として低水準で推移しています。
 こうした雇用環境下において人材の流動化や、近い将来、少子・高齢化により生産年齢人口が減少傾向となることは大きな課題であり、今後、企業と地域の活性化を図るには、法制化に加えて創意と工夫を結集し、新たな雇用の創出と安定的な確保に向けた方策が必要不可欠です。
 今回は、前岡崎職業安定所 中垣所長に『岡崎の求人状況について』、また、フタバ産業株式会社 神谷係長に『企業における新卒採用状況について』お話をうかがいしました。 

就職の目的を明確に!

自分の気持ちを前面に!

前岡崎公共職業安定所

所長 中垣信雄 氏

フタバ産業株式会社

総務部人材開発課

係長 神谷寛之 氏

 岡崎の求人については、製造業・情報関連企業を中心に有効求人倍率、新規求人ともにゆるやかな上昇傾向にある一方、新規求職が横ばいの推移を示していることから、数字からみれば少しずつ回復基調にあるといえます。しかし企業側は、即戦力になる人材を求める傾向が強く、働きたい気持ちだけではなかなか雇用に結びつかないのが現状です。
 このような状況の中、45歳をこえたあたりからは求人数が大幅に減り、再就職は特に難しくなってきています。働く事への考え方をもう一度見つめ直し、新たな気持ちで職について考えることが必要ではないでしょうか。また、若い人の中には、なんとなく就職し、次々と転職をする人が多く見うけられますが、目的のない再就職は厳しい結果につながることが多いため、自分のやりたいことをしっかり見定めることが重要ではないかと思いますね。
 何年か採用に関わってきていますが、ここ2年ほどは厳しい就職環境のためか学生自身の意識も随分変わってきているように感じています。
 弊社では個人面接を行い、all round playerとして活躍してくれるかどうかを念頭に置きながら採用するようにしています。就職はお見合いみたいなものだと、個人的には思っていますが、企業としても採用は今後の経営に直接関わる重要な問題、学生の皆さんにとっても一生のうちでの大きな岐路になると思います。学生の皆さんには何よりもありのままの自分をだして、気持ちをぶつけてきてほしいです。それがお互いにとってよりよい関係の第1歩を踏み出せる近道ではないかと感じますね。

参考:1月の求人倍率
 岡崎=0.72 豊田=1.15 刈谷=0.97 西尾=0.86

(3/13 就職ガイダンスにて取材)