3増方式 ⇒ 増販・増客・増収の方式

●人を育てるために仕事がある
 機械化に馴染まない小売業・サービス業にとって、増販・増客・増益のために、そこで働く人の力が大きく影響する。同じシステムで運営しているコンビニエンスストアーでも、店長が変わると売上げが2割以上変化する。
 経営者の方とお話をすると必ず人材育成が大切だといわれる。その時"どんな人材に育てたいのですか"と質問すると明確な返事が返ってこない。
  私は、人材育成は企業が"仕事をさせるため"に取組むものではなく、人を育てることが企業にとっての社会的な使命であり、"人を育てるために仕事がある"と考えていただきたいと思っている。人が育ち、効果として事業がうまくいくようになると考えたい。
●経営者・上司の理念が必要
 親は、自分の子供に対して将来どんな大人になってほしいかと考えて育てている。ピアノを習わせたり、リトルリーグに入れたり、ボーイスカウトに参加させたり、家で料理を作らせたりするのも、子供の将来像がそこに少なからずあるからだと思う。
 「社員や部下の将来像を持っていなければ人材育成などできない」。その将来像に向かって、知識や技術、社会性をどう仕事を通じて教えていくかという経営者や上司の理念が必要なのである。
●部下や社員に関心を持とう
 まず、部下や社員に関心を持つことである。関心を持たれたりやさしく接してもらうことで、顧客にも同じような対応ができる社員が育成されるのではないだろうか。パート社員からアルバイトにまで、マネージメントサイクルについて教育している飲食店のお話を聞いた。仕事の実践を通じてお客様の"ありがとう"の声に触れ、店主と社員が一緒に達成感を味わっていくような活動こそが、育成そのものではないかと感じた。
  親が子供を育てるだけの関係ではなく、子育てを通じて親が育っていくのと同じように、経営者と社員、上司と部下の関係もあるのではないだろうか。関心を持ち、将来像に向かって努力したいものです。

シニアアドバイザーセンター中小企業診断士 痴山洋次郎