3増方式 ⇒ 増販・増客・増収の方式

 企業経営を単純に考えれば、収益−費用=利益の構造です。特に創業相談の時は、これをしっかり認識していただくようにしています。前職で、新規事業や新業態の開発、新規出店、店舗改装を数多く行ってきましたが、費用が10%以上見込みを上回る事は少ないのですが、売上が10%以上見込みと違うことはよくあります。ひどい時には、達成率が70%程度しかないこともありました。創業者調査をさせていただいた結果では、創業時に自分の顧客が想定できることが大切であり、立ち上がりの資金的な不安を感じなかった方のほとんどが、そういう創業者でした。
 従って、増益を目指した時に最初に考えなければいけないことは、費用を如何に減らすかということになります。増販・増客の対策は、コストと時間がかかり、不確定な場合が多いからです。
 私は、改善活動の指導をさせて頂く時に、最初に費用の削減に取組む事が多いのですが、理由は意識が変わればすぐ効果が出るからです。何も取り組みがされていない企業で、水道光熱費削減の取組を全社的(経営者と従業員の目的の共有)に実施することで、簡単に5%程度の削減ができます。テーマを決めた改善活動として実施した時は、10%以上の削減ができたこともあります。
 基本的なことは、従業員の方の創意と工夫で実行していく活動にしていくことです。社長から命令されたからやるというのではなく、従業員の話し合いの中で提案・実行を進めていくことです。潜在的な問題を顕在化させることができます。
  「お客様トイレの便座ウオ―マーの電源を閉店後に切る」「床の掃除は厨房の残り湯で行う」「毎月2回エアコンフィルターの清掃を行う、担当を決める」「トイレのタンク内にレンガを沈める」等数多くの提案が出ました。大切なことは、自分たちが提案することで意識が変わり、行動が変わるということなのです。

シニアアドバイザーセンター中小企業診断士 痴山洋次郎