3増方式 ⇒ 増販・増客・増収の方式

 経営革新申請承認のお手伝いをさせていただいた内容で、顧客の購入点数を増やす取組みが何件かあります。「ガソリンスタンドに車検対応の整備工場を併設」「ブティックに女性専用のトレーニング事務を併設」「訪問介護サービスにデイサービスを追加」 等 既存の顧客への生涯価値の提供、一人の顧客の別のニーズに応える取組です。
 資金や施設等の大きな経営資源が必要な取組だけでなく、日々の取組として顧客の購入点数を増やす取組は、知恵を出せば必ず見つかります。小売業の売り場作りは、この購入点数を増やす努力の表現なのです。
 今でこそ当たり前になっている、野菜売り場でのドレッシングの陳列や、肉売り場での焼肉のたれの陳列も、当初は売り場担当者間の壁(部門の壁)によって、スムーズには進みませんでした。
 その壁を打ち壊したのが "顧客の立場で売り場づくり" への従業員意識の改革でした。ただ、大なり小なり、この部門の壁は、大手の流通業には存在しています。その部門の壁が無いのが、小規模企業の強みのはずなのです。
  経営相談で訪問させていただいた企業に、「お弁当のコーナーに売れているペットボトルの飲料が置いてない」と指摘させていただくと "取引先との関係" "おいても売れない" 等のできない理由が返ってきます。「大型パックの商品を小分けして、多くのお客様に購入していただくよう」に提案すると、 "作業が面倒" "ロスが発生する" 等のできない理由。まさに、できない壁作りの名人が多いのです。
  "顧客の立場で売り場づくり"は 「顧客の行動を考える」「顧客の声を聴く」「自分もして欲しいことはやってみる」 が基本になります。お母さんや奥さんが、冷蔵庫の中にラブレ菌飲料やカテキン茶を入れておく優しさで、事業(自分の意識と行動)を見直していただければ、お客様との間に作った壁が無くなるかもしれません。

シニアアドバイザーセンター中小企業診断士 痴山洋次郎