経済講演会、盛況に開催!
『東海三県産業の新たなる飛躍に向けて』
〜ポスト万博で問われる真価〜
 去る10月15日(金)午後2時より、本所中ホールにおきまして、野村證券株式会社岡崎支店後援のもと、株式会社野村総合研究所上級コンサルタント岩垂(イワダレ)好彦氏をお迎えし、経済講演会を開催いたしました。 

=講演内容=
1)「最強の経済」といわれる東海三県の産業経済
2)なぜ、東海三県は「最強の経済」となったのか
3)「ポスト万博」−東海三県は成長をつづけられるのか
4)これからの時代の産業創発
5)産業のダイナミックな発展に向けて
 〜産業創発のためのプロジェクトの提案〜
1)「最強の経済」といわれる東海三県の産業経済
〇製造業の製品出荷額25年全国1位(愛知県)
〇東海三県の自動車、工作機械の世界シェア10%以上
〇豊かな地元の市場→東京(区部)以上に高い小売販売額
〇景気循環の下振れに強い東海三県の経済
  →政策の影響を受けた97年を除き、全国の伸びを上回る成長を続けている。
〇ビッグ・プロジェクト/イベントの開催
〇海外でも注目される東海三県の優良企業
  →ニッチな分野で高いシェアを確保し、安定的な経営を実現

2)なぜ、東海三県は「最強の経済」となったのか
〇成功した「産業クラスター」としての東海三県
  →イノベーションが次々と起こる産業集積
〇地域の企業が一体となった競争力向上
  →サプライヤーから製品メーカまでが一体となった取組み
〇安定した地元市場を基盤とした展開
  →「三値切り」文化を生き残るだけの顧客志向のサービス提供
〇「安定」と「革新」の両立
  →最後は本社でなんとか乗り切る、という強い意志と体力を背景に、革新的な技術・製品開発を実施

3)「ポスト万博」−東海三県は成長をつづけられるのか
〇ビッグ・プロジェクト後に地盤沈下した大阪・関西
  →イベントは「起爆剤」にはなりうるが、継続的な経済成長のためには産業の自立的な発展が不可欠
〇「ポスト万博」の東海三県:3つの懸念
  1:「祭りのあと」に残るもの?
    →安全で豊かな生活と、活力ある産業発展にいかにむすびつけることができるか
  2:インフラは必要条件であり十分条件ではない
    →具体的な絶対的魅力が必要
  3:これまでの「壁」を乗り越えられるのか
    →技術と技術の組み合わせ、複数の業種の組み合わせで新しい産業の創出
    →大学にある技術を産業界に転用したり、産業界の技術的課題解決を大学等が支援
    →国際的な競争の中で、まず東海三県に目を向けてもらうことが重要
  ⇒万博期間中には手を打ち始めることが重要

4)これからの時代の産業創発
〇先行きの不透明な時代の技術開発
  →従来の本業の枠内に閉じない技術開発、新規事業の取組みが進んでいる。
〇「有望市場」=「有望産業」とは限らない?
〇産業界にも求められる取組み
  →インフラ(事業環境)の整備、長期間かけての取組みが中心
  →リスクと成功可能性を見極めながら、新産業の“プロデュース”

5)産業のダイナミックな発展に向けて
  〜産業創発のためのプロジェクトの提案〜
〇安全生活住宅システム
  →異業種連合体による産業強化
〇技術ソリューション・コンソーシアム
  →素材産業の技術提案力の向上
〇エコモビリティ・タウン構想
  →自動車・交通関連の最先端技術の実証実験と事業化
〇先端医療システム特区
  →名古屋医工連携インキュベーション 等
〇東海トレーサビリティ・システム
  →「伝統」と「科学」で食品産業の信頼性をさらに高める。
  →物流の追跡システムを導入することで、物流高率化もあわせて進め、競争力を高める。
〇産業観光の核となる集客施設
  →東海三県以外にはない唯一無二の資源づくり
〇グレーター・ナゴヤ・イニシアティブ(GNI)の推進
  →行政界の「壁」を越える画期的な取組み
  →誘致対象企業の視線にあわせたシナリオ作り
〇ビジネスチャンスをいかに作れるか
  →外国企業誘致も「事業機会」づくりが大切
   ⇒東海三県に行けば、
    ・世界第二の市場へのアクセスを確保できる
    ・世界のトップ企業との取引が可能になる
    ・他の国、地域には無い世界で唯一、最先端の研究ができる

(以上 文責 事務局)