愛知産業大学の公開講座で
 前田貞夫氏(株式会社前田シェルサービス代表取締役社長)語る
 


 
「オンリーワン商品の開発」


 愛知産業大学の公開講座で、前田貞夫氏(株式会社前田シェルサービス代表取締役社長)は、「オンリーワン商品の開発」と題して、社長の前向きな考動が勝つ秘訣、と150人ほどの聴講者に語った。

 経営で大切なことに、「クレームに対する姿勢」がある。これを最も重要視している。オンリーワン商品の企画は、まず徹底して顧客を知ることから始まる。また国際的にも通用するものであること。創立以来、毎年新製品の開発をしてきた。そのための情報収集に海外へ頻繁に出向いてきた。企業のリフレッシュ、そのためにトップ自らが市場を把握することが重要。開発商品へのクレームを事前に防ぐため、様々な測定器や試験機を揃えている。展示会をたくさん見るようにしている。その都度、開発に役立つ発見がある。

 最近の開発商品には、コンプレッサーのエアフィルター、世界で一番軽い担架がある。1999年、世界的に有名なフィルター専門誌に当社のマルチドライフィルターが紹介され2001年には、抗菌フィルターが紹介された。高齢化社会を意識した100グラムのカーボンステッキを開発し、きんさんぎんさんやクリントン大統領にプレゼントしPRした。また、NHKビジネス塾に出演しカーボン製の軽い担架を紹介した。
 レーザーパーティクルカウンターという、クリーンルームの空気不純物や粒子数を測定する器械をいろんな会社の工場に納品している。実際は、こうしたことへの各社の対応はまちまちである。
 圧縮空気をクリーン化するための世界で唯一のサービス体制を確立した。HACCP・ISO対応のクリーンな圧縮空気を得るシステムである。メンテナンスが悪いためフィルター通過後の方が汚れていることが多く、これをビジネスにしている。日本プラントメンテナンス協会より過去4回のPM優秀賞受賞、1998年、ベストサービス賞受賞(知的所有権取得)。1999年、われない錆びないプラスティックケースに環境部門賞受賞。これは技術開発努力があったからだ。アメリカ海軍の船の部品や原発の部品などにも納品している。

 学生へのアドバイスは、何よりも「自分で勉強する」こと。新材料、新市場、社会の変化に対応できるように、今のうちからチャレンジすることを奨めたい。


文責 岡崎商工会議所事務局