T 総 括 的 概 要

 平成15年度のわが国経済は、引き続きデフレによる低迷下にある。大企業の業績にはリストラと合併で改善がみられるものの、依然として中小企業の厳しさに変わりはない。
 こうしたなか、本商工会議所は、会員企業が現下の難局を乗り越えられるよう、資金・人材・時間の「選択と集中」を徹底し、また、形式を廃し、経営環境を反転させるきっかけとなる事業を実施した。
 以下、本年度に実施した主要事業の概要を報告する。

1.小規模事業者に特化した経営の改善発達の支援強化 〜延べ6,000件の相談に対応しました〜

 中小企業者が抱えている経営課題に対し、中小企業支援策を熟知した経営指導員がきめ細かい相談を実施した。

 詳しくはこちらをご覧ください。



2.ものつくり基盤の一層の強化

1)岡崎ものつくりネットワークの内容充実
岡崎市と連携し、岡崎地域の製造業の優れた技術情報を「岡崎ものつくりネットワーク」のサイトとして発信。掲載技術情報を152社に拡大し、発注情報ページを新設した。
また、岡崎地域製造業者のネットワークを強化するため、“ものつくりネットワーク会員制度”を導入し、会員同士のコミュニケーションの場として、「掲示板」、「発注情報」、「産学官連携情報」、「ものつくり現場診断ページ」を設定、活用を促した。

 ものつくりネットワーク サイト

2)産学官連携事業の促進
 市内製造業の新技術・新分野進出の確立を図るため、大学・研究機関側のシーズの周知を図るとともに、産業側のニーズを調査し、お互いの連携を進めるためのマッチング事業を推進した。

3)各種技能講座の開講
“ものつくりはひとつくり”の基本理念のもと、「マシニングセンタ」「電気」「設備保全」「QC手法」の講座を実施。国家技能検定(機械加工マシニングセンタ作業)合格者を出すなど、大きな成果がみられた。(下図 現場と同モデルの機器を用いて実習指導(電気技能講座))

4)現場改善の支援と改善意欲の高揚
 事業所の要望に応じ、それぞれの事業所に合わせた現場改善の考え方、手法等を指導した。



3.創業・経営革新の継続指導強化、企業再生の支援体制づくり
 創業者や小規模事業者にとっては、経営資源、資金調達、情報収集・分析能力等の限界から、創業・経営革新にあたり、多大な困難が伴う。このため、小規模事業者等の創業・経営革新支援をより効果的に行うため、これらの相談に専門的に応じるコーディネーターを設置し、経営上の様々な課題を気軽に相談できるよう、岡崎中小企業支援センターを設置し、起業および起業者の事業の継続安定までを指導した。

 =事業の概要=
 (1)創業予定者・小規模事業者に対する指導・助言
 (2)専門家派遣業務
 (3)創業・経営革新に関する情報の提供
 (4)定例創業相談の開設
 (5)各種セミナーの開催

(目的別)平成15年度指導・助言の内訳

 

内容

 

業種

相談延件数

対象企業(個人)

相 談 内 容

経営

全般

会社

設立

事業

計画

資金

法律

税務

労務

取引

技術

IT

その他

創 業

175

147

53

20

94

99

1

12

4

1

 

1

16

301

経営

革新

23

18

 

 

16

18

 

 

1

1

 

 

1

37

その他

4

4

1

1

 

 

 

1

1

1

 

 

3

8

202

169

54

21

110

117

1

13

6

3

 

1

20

346

 岡崎中小企業支援センター サイト



4.地域資産としての中心市街地の再評価と積極的活用
 中心市街地の商店街・大型店地区商業者の活性化に向けた自発的な取り組みを支援するため、街情報ステーションを拠点に商店街専任のマネージャーを配置し、中心市街地商店街の組織強化に繋げた。

1)空店舗状況調査と中心市街地商店街現状分析の実施
実訪による中心市街地エリアの空き店舗状況把握および中心市街地商店街を取り巻く環境(マーケット・人口推移等)と商店街を構成する商店の業種調査を実施。この資料をもとに現状分析し、商店街の情報発信力と回遊性の強化を図った。

2)クーポン付きグルメマップの発行
商店街の活性化に向けた新規来街者の創出を狙い、集客手法の1つとして『クーポン付きグルメマップ』を発行、グループ利用及び新規顧客の獲得を図るとともに飲食店全体の集客向上に繋げた。

3)商店街情報誌“ポケットオカザキ”の発刊
中心市街地から若者向け生活情報の発信を目的に、平成13年より発刊。若手商店主と地元の大学生が協力して取材・編集に取組み、“1日遊べる商店街の歩き方”の提案に繋げた。

4)『得する街のゼミナール』の開催
商店と消費者の信頼関係を築く目的により、商店街17店舗の参加のもと、商店街ならではの生活密着型ゼミナールを開催した(21講座)。



5.産学連携の推進と具体化
 大学における知的資産を街づくりに活かすため、NPO法人21世紀を創る会・みかわ(当時:21世紀を創る会・岡崎)の要請により設立された岡崎大学懇話会(市内4大学で構成)と連携し、大学それぞれがもつ学問的特長を活かした課題解決の場として、中心市街地にコミュニティサテライトオフィスを開設。
産業界と大学、行政、市民を繋ぐ新たな協調活動を進め、中心市街地のおける新たな魅力の発信基地として運営した。

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