平成14年 年末賞与調査結果
(平成14年12月18日現在)


5年連続で前年を下回る! 過去10年でも最低水準


  本所では岡崎市内主要事業所146社を対象に標記調査を実施し、12月18日現在で138社から回答を得た。このうち妥結・決定している事業所は117社(年間協定により、既に決定済みの事業所を含む)で、全業種平均の金額は514,548円、月数は1.92ヵ月(平均年齢38.2才)となった。12月18日現在で妥結・決定している事業所について、昨年の実績と単純に比較(同一企業対比)すると、全業種平均の金額では23,968円減(増減率−4.5%)で、月数では0.08ヵ月減となり、5年連続で前年を下回った。

 業態別では[表−1]のとおり、製造業平均(64社)の金額は502,178円、月数は1.95ヵ月(平均年齢38.8才)となり、一方、非製造業平均(53社)の金額は530,421円、月数は1.89ヵ月(平均年齢37.7才)で、単純比較では、金額では非製造業が製造業を、月数では製造業が非製造業を上回った。また[表−3]のとおり、製造業、非製造業ともにマイナス基調となり、企業規模に限らず、同業態や同業種であっても企業業績によって格差が拡大する傾向はさらに顕著となった。

  また、[表−2]のとおり、前年の妥結・決定実績と比較して、全業種で金額が「減少した」事業所は60.8%となり、「増加した」事業所37.3%を大きく上回った。月数では全業種で減少56.9%、横ばい19.6%、増加23.5%となった。

 雇用・賃金事情をみると、依然として調整や抑制基調が継続している。企業がリストラを遂行し、たとえ一時的に業績が回復しても、将来に波及する賃上げは極力抑え、一時金である賞与にリンクする総人件費抑制傾向が顕著になってきている。また一方で、従来型算定方式の事業所でも、今春の賃上げ状況が過去最低になったことから、ベースとなる給与の伸び率が前年を下回り、年末賞与についても同様に厳しい情勢となることは避け難い。

 なお、岡崎市内主要事業所の未決定事業所のなかには比較的規模の小さい事業所や、さらに経営環境の厳しい事業所も多く、支給自体の見送りや支給時期を繰り延べする事業所も年々増加している。また未決定事業所の今後の見込みアンケート結果では、昨年と比較して月数で「横ばい」もしくは「ダウンする」が8割強で、「アップする」は1割に満たなかった。したがって、本所が実施した今春の賃金改定・交渉状況調査結果による上昇分や、期近の岡崎市内景気動向調査により推計すると、今後の年末賞与の妥結・決定状況も最終的には前年を下回ると思われる。




[表−1]岡崎市内主要事業所年末賞与結果(12月18日現在)

集計企業妥結・決定額(月数)基準内賃金年齢勤続年数
全業種117社514,548円(1.92ヵ月)267,986円38.2歳12.8年
製造業64社502,178円(1.95ヵ月)257,811円38.8歳13.4年
繊維9社376,864円(1.58ヵ月)238,459円44.4歳15.9年
化学8社541,244円(2.11ヵ月)256,726円38.3歳13.6年
機械金属27社561,150円(2.10ヵ月)267,227円37.1歳13.1年
その他製造20社481,511円(1.87ヵ月)257,485円37.5歳11.6年
非製造業53社530,421円(1.89ヵ月)280,816円37.7歳12.0年
建設8社599,122円(2.02ヵ月)296,609円 39.0歳 12.3年
卸・小売 23社481,248円(1.81ヵ月)266,278円37.6歳11.7年
サービス・他22社526,158円(1.91ヵ月)275,582円37.3歳12.0年

[表−2]前年年末賞与最終実績との比較(12月18日現在)

金 額 月 数
減少 横ばい 増加 減少 横ばい 増加
全業種 60.8% 1.9% 37.3% 56.9% 19.6% 23.5%
製造業 63.6% 0.0% 37.0% 60.7% 21.4% 17.9%
非製造業 58.3% 4.2% 37.3% 52.2% 17.4% 30.4%

※集計は全て単純平均による。












平成14年 夏季賞与調査結果
(平成14年7月23日現在)


5年連続で前年を下回る! 下げ幅は縮小


  本所では、岡崎市内主要事業所147社を対象に標記調査を実施しているが、7月23日現在で141社から回答を得た。このうち妥結・決定している事業所は122社(年間協定により、既に決定済みの事業所を含む)で全業種の平均金額は487,693円、月数は1.84ヵ月(平均年齢38.6才)となった。妥結・決定している事業所について、前年の実績と単純に比較すると、全業種平均の金額では、−8,088円(増減率−1.6%)、月数は−0.05ヵ月で、下げ幅は縮小したものの、5年連続で前年を下回る結果となった。

業態別では[表−1]のとおり、製造業平均(56社)の金額は487,296円、月数は1.89ヵ月(平均年齢38.9才)、非製造業平均(66社)の金額は488,044円、月数は1.80ヵ月(平均年齢38.4才)で、単純比較では、金額は僅差となった。業種別においては格差が年々広がっているが、同業種であっても企業業績の優劣により、企業間の格差もさらに拡大している。

  また[表−2]のとおり、前年の妥結・決定実績と比較すると、全業種で金額が増加した事業所は28.3%、減少した事業所は69.8%。月数では、増加62.0%、横ばい18.0%、減少20.0%となった。月数の減少が6割を超えたため賃上げ分をカバーできず、総じて前年を下回る結果となった。

国内では、1−3月期の実質GDPが輸出をけん引役に4期ぶりにプラス成長となり、指標上では底打ち感がみられ、大手企業の4−6月期決算や消費者指数も総じて堅調に推移している。しかし、米国の企業業績不振、会計不信、テロ不安などを背景に、急速なドル安(円高)局面にあり、国内経済のV字型回復期待に疑問符が打たれようとしている。

こうしたなかで、雇用・賃金は、依然として調整や抑制基調が継続している。企業がリストラを遂行し、たとえ一時的に業績が回復しても、将来に波及する賃上げは極力抑え、一時金である賞与にリンクする総人件費抑制傾向が顕著になってきている。また一方で、従来型算定方式の事業所でも、今春の賃上げ状況が過去最低になったことから、ベースとなる給与の伸び率が前年を下回り、夏季賞与についても同様に厳しい情勢となることは避け難い。高水準の失業率・倒産件数という環境下で、給与所得者は雇用と所得の不安に加え、将来の社会保障に対する不安などが基因してディフェンシブな動きから脱却できず、消費性向の低下が強く作用し、景気の最大要因である個人消費の回復を停滞させている。

なお、岡崎市内主要事業所の未決定事業所のなかには比較的規模の小さい事業所や、さらに経営環境の厳しい事業所も多く、支給自体の見送りや支給時期を繰り延べする事業所も年々増加している。また未決定事業所の今後の見込みアンケート結果では、昨年と比較して月数で「横ばい」もしくは「ダウンする」が7割強で、「アップする」が1割を下回った。したがって、本所が実施した今春の賃金改定・交渉状況調査結果による上昇分や、期近の岡崎市内景気動向調査により推計すると、今後の夏季賞与の妥結・決定状況も最終的には前年を下回ると思われる。




[表−1]岡崎市内主要事業所夏季賞与結果(7月23日現在)

集計企業妥結・決定額(月数)基準内賃金年齢勤続年数
全業種122社487,693円(1.84ヵ月)265,136円38.6歳12.5年
製造業56社487,296円(1.89ヵ月)258,330円38.9歳13.7年
繊維10社436,866円(1.71ヵ月)255,384円42.9歳15.3年
化学10社541,893円(2.17ヵ月)249,937円39.2歳14.6年
機械金属23社500,773円(1.94ヵ月)258,641円37.2歳13.0年
その他製造13社465,567円(1.74ヵ月)267,139円37.9歳12.3年
非製造業66社488,044円(1.80ヵ月)271,227円38.4歳11.3年
建設20社473,422円(1.62ヵ月)292,838円 40.4歳 10.3年
卸・小売 28社495,866円(1.84ヵ月)269,621円36.9歳12.0年
サービス・他18社491,381円(1.91ヵ月)257,704円38.3歳11.6年

[表−2]前年夏季賞与最終実績との比較(7月23日現在)

金 額 月 数
減少 横ばい 増加 減少 横ばい 増加
全業種 69.8% 1.9% 28.3% 62.0% 18.0% 20.0%
製造業 74.2% 3.2% 22.6% 65.5% 13.8% 20.7%
非製造業 63.6% 0.0% 36.4% 57.2% 23.8% 19.0%

※集計は全て単純平均による。







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