平成10年年末賞与調査結果(平成10年12月16日現在) 本所では岡崎市内主要事業所140社を対象に標記調査を実施しているが、12月16日現在で108社から回答を得た。このうち妥結・決定している事業所は96社(年間協定により、既に決定済みの事業所を含む)で、全業種平均の金額は、603,158円、月数は2.29ヵ月(平均年齢37.5才)となった。12月16日現在で妥結・決定している事業所について、昨年の実績と単純に比較すると[表−3]のとおり、全業種平均の金額では29,797円(前年比−4.70%)、月数では0.08ヵ月ともにマイナスとなり、景気低迷による企業業績の悪化を強く反映し、5年ぶりに減少となった。業態別では[表−1]のとおり、製造業平均(51社)の金額は578,908円、月数は2.28ヵ月(平均年齢37.9才)、非製造業平均(45社)の金額は623,200円、月数は2.29ヵ月(平均年齢37.1才)で、単純比較では、金額、月数ともに非製造業が製造業を上回り、業種別格差も拡大傾向となった。同業態や同業種であっても、企業業績の優劣よって企業間格差が拡大する傾向はさらに顕著となった。 また[表−2]のとおり、前年の妥結・決定実績と比較し、金額が減少したとする事業所は全業種で59.3%と過半数を超える結果となり、月数でも全業種で減少58.5%、横ばい22.6%、増加18.9%となり、減少ないしは横ばいが8割以上を占めた。 国内景気をみると、昨年4月の消費税率引き上げによる個人消費低迷に端を発し、その後、生産、所得、消費支出が収縮するデフレ色が強まり、一部で景気の底打ち発言もだされるが、きわめて厳しい状況に変わりはない。政府が実施した過去最大の総合経済対策の効果が表れてくるのは年明け以降にずれこむと考えられ、景気判断の厳しさからすると、総じて企業業績の明確な回復に向けては長期化すると思われる。 設備、雇用、債務の過剰環境で企業業績の下方修正が相次ぐなか、賞与についてはその原資を決定する際に、業績とリンクさせる方式をとる企業が増加している。また、業績をリンクさせない企業にとっても給与ベースとなる今春の賃上げ状況も過去最低であったことから、年末賞与は厳しい情勢となることは避け難い。 企業の雇用・賃金は、調整や抑制圧力が継続しており、給与所得者にとっては、雇用不安や賞与を含めた賃金の減少から、消費性向の低下が強く作用し、景気回復の最大要因である個人消費を停滞させることも懸念される。年間の企業倒産が過去最悪記録を更新する状況であることや、給与所得は前年比で4兆円程度減る見込みと今年実施した特別減税の効果を打ち消すなどマインドの低下は否めない。こうした状況を踏まえ、政府は消費の回復と将来への不安解消のため、住宅、土地、年金など政策減税や所得税・法人税の減税上積みとともに、将来ビジョンを明確化し、中・低所得者層にも配慮した税率構造見直しを含む政策を早急に実施する必要があると思われる。 なお今回の調査時点においても、未だ妥結・決定されない事業所もあり、未決定事業所の中には経営環境の厳しい事業所も含まれている。本所が実施した今年の賃金改定・交渉状況調査結果や夏季賞与調査結果、また期近の岡崎市内景気動向調査から推計すると、今後の年末賞与の妥結・決定状況も前年を下回る厳しい結果が見込まれる。
[表−1]岡崎市内主要事業所年末賞与結果(12月16日現在)
[表−2]前年年末賞与最終実績との比較(12月16日現在)
[表−3]年末賞与の最終実績
(平成10年12月4日現在) 本所では、岡崎市内主要事業所140社を対象に標記調査を実施しているが、12月4日現在で87社から回答を得た。このうち妥結・決定している事業所は64社(年間協定により、既に決定済みの事業所を含む)で、全業種平均の金額は、618,348円、月数は2.31ヵ月(平均年齢37.9才)となった。12月4日現在で妥結・決定している事業所について、昨年の実績と単純に比較すると[表−3]のとおり、全業種平均の金額では19,888円(−3.13%)、月数では0.09ヵ月ともにマイナスとなり、景気低迷による企業業績の悪化を強く反映し、5年ぶりに減少となった。業態別では[表−1]のとおり、製造業平均(38社)の金額は578,545円、月数は2.28ヵ月(平均年齢38.1才)、非製造業平均(26社)の金額は676,203円、月数は2.38ヵ月(平均年齢37.6才)で、単純比較では、金額、月数ともに非製造業が製造業を上回り、業種別格差も拡大傾向となった。同業態や同業種であっても、企業業績の優劣よって企業間格差が拡大する傾向はさらに顕著となった。 また[表−2]のとおり、前年の妥結・決定実績と比較し、金額が減少したとする事業所は全業種で51.5%と過半数を超える結果となり、月数でも全業種で減少54.3%、横ばい28.6%、増加17.1%となり、減少ないしは横ばいが8割以上を占めた。 国内景気をみると、昨年4月の消費税率引き上げによる個人消費低迷に端を発し、その後、生産、所得、消費支出が収縮するデフレ色が強まり、一部で景気の底打ち発言もだされるが、きわめて厳しい状況に変わりはない。政府が実施した過去最大の総合経済対策の効果が表れてくるのは年明け以降にずれこむと考えられ、景気判断の厳しさからすると、総じて企業業績の明確な回復に向けては長期化すると思われる。 設備、雇用、債務の過剰環境で企業業績の下方修正が相次ぐなか、賞与についてはその原資を決定する際に、業績とリンクさせる方式をとる企業が増加している。また、業績をリンクさせない企業にとっても給与ベースとなる今春の賃上げ状況も過去最低であったことから、年末賞与は厳しい情勢となることは避け難い。 企業の雇用・賃金は、調整や抑制圧力が継続しており、給与所得者にとっては、雇用不安や賞与を含めた賃金の減少から、消費性向の低下が強く作用し、景気回復の最大要因である個人消費を停滞させることも懸念される。年間の企業倒産が過去最悪記録を更新する状況であることや、給与所得は前年比で4兆円程度減る見込みと今年実施した特別減税の効果を打ち消すなどマインドの低下は否めない。こうした状況を踏まえ、政府は消費の回復と将来への不安解消のため早急に、住宅、土地、年金など政策減税や所得税・法人税の減税上積みとともに、税率構造見直しを含む恒久減税に踏み込む必要があると思われる。 なお、岡崎市内主要事業所の今回の調査時点では、比較的規模の大きい事業所の結果が多く、未決定事業所の中には経営環境の厳しい事業所も含まれている。本所が実施した今年の賃金改定・交渉状況調査結果や夏季賞与調査結果、また期近の岡崎市内景気動向調査から推計すると、今後の年末賞与の妥結・決定状況も前年を下回る厳しい結果になると思われる。
[表−1]岡崎市内主要事業所年末賞与結果(12月4日現在)
[表−2]前年年末賞与最終実績との比較(12月4日現在)
[表−3]年末賞与の最終実績
※[表−3]は本所調査の最終実績(平成10年は12月4日現在)で、年度により集計対象事業所数および調査対象事業所が同一ではありませんのでご注意ください。
(平成10年7月24日現在) 本所では、岡崎市内主要事業所140社を対象に標記調査を実施しているが、7月24日現在で106社から回答を得た。このうち妥結・決定している事業所は97社(年間協定により、既に決定済みの事業所を含む)で、全業種平均の金額は、596,511円、月数では2.20ヵ月(平均年齢36.9才)となった。7月24日現在で妥結・決定している事業所について、昨年の実績と単純に比較すると[表−3]のとおり、全業種平均の金額では11,753円(−1.93%)、月数では0.05ヵ月ともにマイナスとなり、景気の後退による企業業績の悪化を背景に4年ぶりに減少となった。業態別では[表−1]のとおり、製造業平均(48社)の金額は580,652円、月数は2.23ヵ月(平均年齢38.2才)、非製造業平均(49社)の金額は608,615円、月数は2.18ヵ月(平均年齢35.8才)で、単純比較では、金額は非製造業が製造業を上回ったが、逆に月数は製造業が非製造業を上回った。業種別格差も拡大傾向となり、同業態や同業種であっても企業業績の優劣よって企業間格差が広がりつつある。 また[表−2]のとおり、前年の妥結・決定実績と比較し、金額が減少したとする事業所は全業種で55.0%と過半数を超える結果となり、月数でも全業種で減少51.5%、横ばい21.9%、増加26.6%となり、減少ないしは横ばいが7割以上を占めた。 国内景気をみると、昨年4月の消費税率引き上げ以降、駆け込み需要の反動減を発端とした個人消費の低迷や、アジア通貨危機による実体経済の不安定な動きに加え、さらに昨年秋以降の金融機関の相次ぐ破綻や不安定な政局に対する心理的不安も重なり、きわめて厳しい状況となっている。政府が実施した過去最大の総合経済対策の効果が表れてくるのは今年度後半からと考えられるが、前半の景気動向判断からすればその効果は下支え程度にとどまり、高揚をもたらすかどうか疑問符もつくという厳しい見方も出始めるなど、当面は企業業績の明確な回復の可能性は低いと思われる。 こうした中で雇用・賃金は、中期的には調整や抑制圧力が継続している。賞与については業績配分の意味合いが強く、また今春の賃上げ状況も過去最低となったことから、ベースとなる給与の伸び率が前年を下回り、夏季賞与についても同様に厳しい情勢となることは避け難い。給与所得者にとっては、賞与の前年マイナスや完全失業率上昇による雇用不安から、消費マインドが冷え込み、消費性向の低下が強く作用し、景気回復の最大要因である個人消費の回復を停滞させることも懸念される。 なお、岡崎市内主要事業所の今回の調査時点でも未だ妥結・決定していない事業所があり、その中には経営環境の厳しい事業所も含まれている。本所が実施した今春の賃金改定・交渉状況調査結果による上昇分や期近の岡崎市内景気動向調査から推計すると、今後の夏季賞与の妥結・決定状況も最終的には前年を下回る厳しい結果になると思われる。
[表−1]岡崎市内主要事業所夏季賞与結果(7月24日現在)
[表−2]前年夏季賞与最終実績との比較(7月24日現在)
[表−3]夏季賞与の最終実績
※[表−3]は本所調査の最終実績(平成10年は7月24日現在)で、年度により集計対象事業所数および調査対象事業所が同一ではありませんのでご注意ください。
本所では、岡崎市内主要事業所140社を対象に標記調査を実施しているが、7月3日現在で84社から回答を得た。このうち妥結・決定している事業所は63社(年間協定により、既に決定済みの事業所を含む)で、全業種平均の金額は、616,571円、月数は2.3ヵ月(平均年齢36.3才)となった。7月3日現在で妥結・決定している事業所について、昨年の実績と単純に比較すると[表−3]のとおり、全業種平均の金額では11,124円(−1.77%)、月数では0.05ヵ月ともにマイナスとなり、景気の後退による企業業績の悪化を背景に4年ぶりに減少となった。 業態別では[表−1]のとおり、製造業平均(32社)の金額は620,237円、月数は2.37ヵ月(平均年齢37.1才)、非製造業平均(31社)の金額は612,904円、月数は2.23ヵ月(平均年齢35.6才)で、単純比較では、金額、月数ともに製造業が非製造業を上回り、業種別も拡大傾向となった。同業態や同業種であっても、企業業績の優劣よって企業間格差が広がりつつある。 また[表−2]のとおり、前年の妥結・決定実績と比較し、金額が減少したとする事業所は全業種で51.4%と過半数を超える結果となり、月数でも全業種で減少54.3%、横ばい20.0%、増加25.7%となり、減少ないしは横ばいが7割以上を占めた。 国内景気をみると、昨年4月の消費税率引き上げ以降、駆け込み需要の反動減を発端とした個人消費の低迷や、アジア通貨危機による実体経済の不安定な動きに加え、さらに昨年秋以降の金融機関の相次ぐ破綻による心理的不安も重なり、きわめて厳しい状況となっている。政府が実施した過去最大の総合経済対策の効果が表れてくるのは今年度後半からと考えられ、前半の景気の厳しさからすると、当面は企業業績の明確な回復の可能性は低いと思われる。 こうした中で雇用・賃金は、中期的には調整や抑制圧力が継続している。賞与については業績配分の意味合いが強く、また今春の賃上げ状況も過去最低となったことから、ベースとなる給与の伸び率が前年を下回り、夏季賞与についても同様に厳しい情勢となることは避け難い。給与所得者にとっては、賞与の前年マイナスや完全失業率上昇による雇用不安から、消費マインドが冷え込み、消費性向の低下が強く作用し、景気回復の最大要因である個人消費の回復を停滞させることも懸念される。 なお、岡崎市内主要事業所の今回の調査時点では、比較的規模の大きい事業所の結果が多く、未決定事業所の中には経営環境の厳しい事業所も含まれている。本所が実施した今春の賃金改定・交渉状況調査結果による上昇分や期近の岡崎市内景気動向調査から推計すると、今後の夏季賞与の妥結・決定状況も最終的には前年を下回る厳しい結果になると思われる。
[表−1]岡崎市内主要事業所夏季賞与結果(7月3日現在)
[表−2]前年夏季賞与最終実績との比較(7月3日現在)
[表−3]夏季賞与の最終実績
※[表−3]は本所調査の最終実績(平成10年は7月3日現在)で、年度により集計対象事業所数および調査対象事業所が同一ではありませんのでご注意ください。 |