岡崎三十六地蔵巡りは、江戸時代後期から明治にかけて岡崎城下で隆盛した地蔵尊巡りです。天保5(1834)年には木版の案内書、今でいうガイド本が発行されたほど盛んでした。明治に入り神仏分離や幕府・藩からの寺領(朱印地)の停止などで衰えた寺院も少なくなく、昭和20(1945)年の岡崎空襲で中心市街地に位置した寺院の多くが灰燼に帰し、廃寺が相次ぎました。昭和35(1960)年、有志によって歴史ある地蔵巡りを復興するため新たな寺院を加えて再編成されたものが現在の岡崎三十六地蔵です。200年近い歴史を持ち、再編成からも既に半世紀が過ぎて再び忘れられつつある岡崎三十六地蔵は、二十七曲り同様、旧岡崎城下の魅力的な歴史散策コースでもあります。岡崎の歴史の道、地蔵尊巡りをこのご縁にどうぞお楽しみください。 今回は、東岡崎駅周辺から南の六ヶ寺を札所寺院住職(蓮馨寺)の解説付きで巡ります。 |