第4回:11月18日:
IT化・情報化活用事例 2 
「中小規模事業所を取り巻く環境の変化とマイクロソフト全国IT推進計画について」

講師:マイクロソフト(株) ゼネラルビジネス本部
    IT推進統括部 ビジネス推進部 部長 白土 浩司 氏

        <出席者>

メンバー17名、アドバイザー2名、コーディネータ、マイクロソフト(株)1名、事務局 計23名

        <セミナー>

<我が国のIT戦略について>
 インフラ整理が進み、企業の上手な利活用を通じて、国の活力につなげてもらうことが国の望むIT戦略。しかし、国が期待するほど企業の中で利活用が進んでいないのが現状。

中小企業の現状
  サーバー台数 中小企業レベルでは 世界平均1.4台、日本は0.3台
            中堅企業レベルでは 世界平均3.2台、日本は4.1台
  パソコン台数  中小企業レベルでは 世界平均30台、日本は34台
            中堅企業レベルでは 世界平均44台、日本は50台 

活用していく準備はできている。それをどう活用していくのかが課題。
2004年度は40.8%の企業が前年よりシステム投資を増加
2005年度はさらに45.5%がシステム投資の増額を計画している。
その増資の背景は

個人情報保護法の施行でその対応を誤れば企業の信用失墜を招く。
⇒事後対応にはかなりのお金がかかる。
   早期計画と予防に対しては事後対応の1/3の費用で済む。
⇒企業価値は信頼。


<中小企業のIT活用の課題>
  
  • とりあえず、パソコン教育はしたが、ビジネスへの活用方法がわからない。
  • どこから手をつけてよいか不明。

<成功事例 宮崎本店>
       
  • オフコンからパソコンへの転換。
  • ITをアナログ感覚で使う。
  • 情報の共有化は水平に流れる。社員が一斉に同時に内容を持つことができる。
  • 情報を集約し、分析し、フィードバックする。そしてCSがあがる。

<失敗例>
  • 以下の気づきがない。
     ITを導入すれば、管理のための負荷がかかるのは必至。
     =IT化してもコストが減るわけではない。
     ITを入れる理由=売上を伸ばすため(強みで稼ぐ)に分析すること。

<IT化成功のカギ>
  • 経営者が強力なコミットメントを持つ。
    経営者の明確なビジョンに基づき、自ら率先して利用し、強力なリーダーシップによって達成すること。
    IT業者を有効活用すること。
    ITはあくまでも道具であることを心得ること。

<研究会の様子>

            

             <グループワーク>
             メンバーを4つのグループに分けて
             「自社における情報の共有化の実情と課題、その対応」について討論
             
             <研究会を終えて>

 IT化導入の成功例と失敗例の話はこれからIT化を進めていこうというメンバーや既に導入しているが、うまく運用が進んでいないメンバーにとって大変参考になる内容だった。
 導入の失敗例にあったが、「ITを入れても人件費が減って経費が減るわけではなく、逆に維持管理費用が増えていくという認識」が前提になくてはならない。そしてITを入れるには先行投資もかなりかかるのでそれに見合う利益が得られるのだろうかという不安とプレッシャーはついて回る。
 それではなぜIT化を図らなくてはならないのか?答えは、「売上を伸ばすための強みをIT化で分析し、売上増加を図る。」とか「情報を同時間に水平に皆に共有させること。」など経営者に明確なビジョンがなくては成功しない。
 運用のルールについては経営者が強力なリーダーシップを発揮して自ら率先して利用することが成功のカギとなる。
 


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