ワーキンググループ第1回打合せ 会議録





平成10年度新事業創出研究会ワーキンググループ第1回打合せ
開催日時:平成10年9月14日(月)14:00〜16:10 於 岡崎商工会議所401会議室

出席者 :8社。
コーディネーター:草間晴幸 大阪大学大学院助教授、服部良男 本所情報化委員会委員長
アドバイザー: 森屋祐治 愛知学泉大学 家政学部 講師
内容:以下の通り。
「草間コーディネーター開会あいさつ」
 いよいよ実際のプロジェクトに向けて動き出す日となりました。9月9日の研究会でご説明いただいた愛知学泉大学の木村さんからのご推薦により、今回は同大学の講師森屋祐治さんにアドバイザーとして参加いただきました。森屋さんは豊橋技科大の情報工学のご出身ですので、具体的な技術を指導してもらえると思います。
 では、始める前に今回初めてご出席の方から一言お願いします。

M.会社は機械、電気、電子設計およびコンピュータソフト開発をしています。本社は豊橋市にあり、社員は55名ほどで、今後は自社のロゴが入った商品を開発したいと思っています。私が狙っている事があるかどうか興味があり参加しました。
M.当社は自動車部品、特に外装部品を射出成形により製造しています。社員は120名、トヨタ、ホンダ、スズキ等が得意先です。今後何らかの付加価値のある製品を作るヒントが得られればと思い参加しました。
「森屋」学泉大講師の森屋です。昨年度発足した大学懇話会ですが、具体的な活動となるいい機会なので参加しました。大学側としては企業側といい接点ができれば有り難いと思います。

「草間」このワーキンググループのリーダーは服部さんにお願いしましたので取り回しをお願いします。
「服部」昨年は新事業創出研究会においてマルチメディアプロジェクトについて研究し、最終的に7つのプロジェクトを提案し、また産学官、市民の協調組織として岡崎大学懇話会が出来ました。
 今年は通産省のコーディネート活動支援事業の補助金を得て今年度末までに、産学研究会と新事業創出研究会を進めて参ります。新事業創出研究会の方はとにかく学生のデータベース(以下DBと記す)と大学の人材DB構築に向けて進んで行こうとするものです。今日の会合はこれを進めて行く事についてのご意見をいただき、できればスタートしたいと思っています。
 少し復習してみますと、学生DB構築については、例えば学生自身が自分たちのプロフィールや得意項目などのプレゼンテーションをDB化して、企業側から学生にアプローチできるようなシステムにしたい。例えばアメリカでは工科系の学生を中心に1万人程のプロフィールなどをDB化したシステムがビジネスにもなっています。
 また、学生OBの就職先のDBなども掲載されており、このように学生・企業ともにメリットあるシステムにすることが重要です。もう1つは7つのプロジェクトの中の6番目「ネットワークヘルパー」に関する件も協議したいと思います。

M.インターネットやパソコンに興味を持つ学生の空いた時間を利用して、パソコン・インターネットの接続などをアルバイト感覚で任せるシステムをつくるために、そうした学生のDBがあると便利だと思っています。
M.現状こうした作業が可能な学生はどの程度いるのでしょうか。また工学部系ではどうでしょうか。

「森屋」メールやインターネット、ホームページ作りなどをしている学生は多いですが、トラブル時に対処できる能力・技術のある学生はほとんどいないと思います。今の大学のカリキュラムでは無理でしょう。工科系の学生ならば少しは有利だとは思いますが。
M.最初は低い単価で覚えてもらいながら作業をして、育てていかなければいけないでしょう。
M.ユーザーにより機器の違いなどで環境が千差万別ですので、対応はなかなか難しいように思います。
M.ここでは、学生のDBは就職に役立つもので良いでしょう。乗りやすいスタイルで広く応募してもらえる物でなければいけません。また、先生達のDBは是非欲しい。市内の大学の先生達のDBですらまとまった物は無い状況です。特に専門分野の紹介は詳しく載せたいですね。

「服部」大学の研究室単位ではホームページを開設している所が多くなってきた。また、先生・研究室の間ではリンクをはりあっているケースが多々あるようです。
M.とにかく、採用活動には非常にコストがかかるものです。学生の自己PRやプロフィールなどのDBがあると、当社の仕事に合うかどうか事前にわかって便利だと思います。また、そうしたDBには何が載せられて、何がダメなのかはっきりしておかなければいけません。決まりきったフォームの履歴書などからは何もつかめません。

「服部」自分のやってきたこと、クラブ活動、アルバイトの経験などの情報を載せたいですね。
M.今の就職活動は悲惨な状況です。企業は敗北思想で採用数を押さえ、学生も覇気が足りません。学生も企業も大混乱だと思います。地方の大学の学生でも自己PRがきちんと出来ればそれは一流大学の学生に勝てることにもつながります。
M.学生のDBをいくら作ってみたところで採用時には面接が必要です。採用とは手間のかかることなのです。
M.研究していく価値のある物に取り組まなければ意味が無い。ネットワークヘルパーに関しては、次のステップで取組むのが良いのではないか。

「草間」岡崎の産学協調については2年半の研究の歴史がありますが、それを具現化するためにも今出来る事を行って企業と大学がお互いに知り合う機会を持てるようにする事が大切です。
M.大学をいろいろ回って感じるのは、気軽に研究室へ行って相談出来るような雰囲気にはなく閉鎖性を感じます。インターネットで気軽に見られれば役立ちそうです。
M.学校側の姿勢は自分からはなかなか変わらない。中小企業から積極的にアプローチしていく事が必要です。研究に没頭している研究者が多く、外から見ると敷居が高い感じになってしまうケースが多いようです。とにかく1人でも気軽に付き合える研究者を作る事が先決です。
M.岡崎でいえば学泉大は敷居が非常に低いように感じます。愛知産業大学も商工会議所とインターンシップを実施するなど繋がりは有る訳です。

「草間」新しい物を生み出すのには純血の人ばかりでは無理。例えば大学院では留学生と社会人、他大学からの学生は自分から良く動く。学泉大学の学長さんが自信を持ってみえるのは、教官のうち最終学歴が外国の大学等である人が多いことに影響されているように感じます。
「森屋」個人的に感じていることは、当校はもともと安城学園というローカルな大学なので西三河を大事にしていかなければやっていけないと自覚しています。地元の高校生を受け入れていく事が大切と考えています。

M.ところで、実際にこうしたDBを作っていく場合、データを出してくれるかどうかいかがでしょうか。 「服部」現状では難しい面も有るでしょう。しかし、とにかく小さくても成功事例を作ることが大切です。学生が学生を呼ぶようなシステムが大切です。
M.女子学生などの場合、電話番号が公表されるとトラブルが起きかねません。プライバシーの保護には十分な配慮が必要です。また、学生にとって就職に役立ち、企業にとっては採用に結びつくDBでなければいけません。適正検査の結果が載せられると良いと思います。

「服部」プライバシーの問題には十分注意しながら、学生、企業の双方がニーズを出し合い、双方がプラスを見つけるプロセスを経て、それを限定されたメンバーを対象として進めてみる。勿論、システム自体には何らかのプロテクトも必要になると思います。
M.現実的かつ完結した姿を最初から考えておかなければいけないのではないか。マクロ的なところはきちんと押さえてスタートしなくてはと思うのすが。また、P・D・C・Aのサイクルを繰り返しつつより良いシステムを創り上げたい。
「草間」その通りだが、とにかくスタートして、やりながら考えていかなければ情報化社会では遅れてしまうという面が有ります。
M.すでに3年間研究してきており、ここらで実際に動き出したい。
M.学生のDB作りが意義ある事かどうかから議論しなくてはいけないのでは。
M.学生、企業双方に役立つDBとはどんな物か研究していけば良いと思います。

「服部」次は、フィールドを決めて行く次のステップに移りたいと思いますが。
「森屋」ネットワーク社会とはけっしてバラ色でもないし、実社会よりも困難を伴うケースがあるように思います。スタート時点では明確にゴールは見えないかもしれませんが、試行錯誤で良いからやっている内に魅力あるネットワークには自然に人が集まってくると思います。セキュリティーとかプライバシーの確保が十分に出来れば学生のDB作りは必要と思います。私自身も協力していくつもりです。
「服部」今日はこれで予定の時刻となりますが、とりあえず、学生DBについて学生自身または就職課の先生などに参加してもらいフィールドの内容を決めていきたいと思います。研究者等の人材DBは大学懇話会で検討してもらえればと思います。

M.学生DB作りは現行の法律の中で微妙な問題があります。双方のメリットを分かり易く示していく必要があります。
M.いろいろ困難はあると思うが、検討作業の中で解決していきたい。
「草間」一切の既成概念は無しと考えていきたいと思います。
「服部」では次回の会合は事務局で調整して2時間程度の会合を持ちたいと思います。
M.の標記はメンバーからの発言です。
◎ワーキンググループ第2回打合せは、10月6日(火)午後2時から3時30分まで愛知学泉大学で開催する。
                                       (以上)






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