第8回会議 会議録





平成10年度第8回新事業創出研究会

開催日時:平成10年11月25日(水) 14:00〜16:00 於 岡崎商工会議所401会議室
出席者 :12社
コーディネーター:草間晴幸 大阪大学大学院助教授
   同    :服部良男 岡崎商工会議所情報化委員会委員長
内容:以下の通り。

「草間コーディネーター開会あいさつ」
 定刻になりましたので始めさせていただきます。ご出席が少ないようですが、もう数名いらっしゃるまで雑談ということでスタートします。まず、服部コーディネーターからどうぞ。

「服部コーディネーター」
 この研究会の2回目でヤマサ言語文化研究所のインターネットマーケティングについて説明しましたが、その後の状況を少しお話しします。世界各国から留学生受入について、資料請求や入学願書などの直接DBに書き込みがあるのが1日4,5件、メールでの問合せが10〜20件、ウェブヒットが30〜40件位ございます。
 2000年3月までの30種類のカリキュラムを作って公開していますが、どこの国の学生がどの時期にどのコースに登録しているか分かるので、どういう時期のどういう価格のコースがどこの国の学生に人気があるのか一目で理解できます。
 また、すでに日本にいる中学校などの英語の補助教員が夏休みなどに日本語を習いたいという問合せなども30人程有り、そうした要望にあわせてフレキシブルにプログラムを作ることも可能になりました。

 大学のDBについては、日本の大学の留学生向け情報を公開していますが、週に300件程のアクセスがございます。各大学にEメールでDMを送ってPRしていますが反応はかなり有ります。各大学の入学試験日程などの最新情報は一々アナログのデータをもらって入力していたのでは大変なので直接大学の方に入れてもらっていますが、最初に入ったのは愛知産業大学でした。
 コメントがなくてもどこの大学が見ているかはわかりますので、フォローして連絡すればコミュニケーションも可能で、人件費や旅費をかけなくても全国の大学とコンタクトがとれることになりました。しかし、どんどんメールが来た時に誰がレスポンスするのかが現実の問題になってきました。大学院のDBづくりも始めています。

「草間」
 ありがとうございました。今日の議題はコーディネーターからの情報提供と提案ということですが、この研究会も既に半分終了して後半に入りますので、皆さんのご意見を聞いて今後どう進めていくか協議したいと思います。
 この会も回数が多いので興味のある時だけ参加しようという雰囲気も出てきたようですし、この会に参加すると自社のノウハウなどを話さなければいけなくなるということで、敬遠されている節もございます。このままだらだらと進めていては、私がプロトタイプを作って終わりとなってしまいますので是非皆さんからリクエストを出していただいて進めていきたいと思います。

 特に皆さんからのリクエストが無ければ、産学研究会では岡崎大学懇話会メンバーの学校の先生からお話しをお聞きしていますので、こちらの研究会では市外の理工系大学の先生で産学協調に関心のある方を呼んでお話しを聞くことも考えていますが、本当は皆さんからのリクエストをとりあげたいと思っておりますので、順にご意見をお願いします。

M.今日は案内を見て分科会のような雰囲気の会議で自由に話し合える機会なのではないかと思い参加しました。こういうことをやったらどうかというような全体の方向性を話し合う機会にして欲しいと思います。

M.昨年までの地ビールとマルチメディアのプロジェクトはもう少し具体的に動いていたように思います。今年はまだ探っている段階なのか具体的なものが見えてきません。具体的に動き出したらおもしろいと思います。

M.いろいろ皆さんのご意見を聞きながら勉強しているところです。

M.前任者が転勤してその引き続きで今日始めて参加しておりますのでよく分かりませんが、簡単なものでいいので具体的なものがあると参加する人も興味が湧くと思います。また、事業化する場合は、今の世の中、若者がパワーを持っていますので若者向けのものがいいと思います。

M.最近学校の方達と接触する機会が増えましたが、他地域の大学へ通う学生の地元へのUターン就職などのお手伝いができると良いと思います。また、私はライオンズクラブに入っていますが、奉仕の精神ということで、毎年かなりの金額をいろいろなところへ拠出しております。市内のライオンズクラブやロータリークラブが9つほどあるので情報を提供し、そうした資金を活用できる方法はないかとも考えています。

M.今日の資料にシビックコアセンターの記事が入っていますが、この事業やスマートバレー、空き店舗対策事業などとうまく関連させられないかという気がします。また、日本の企業はインターネットのホームページ開設が少ないと言われますが、自社でやるのは大変だという理由だと思いますので、社外の人が作ってあげるようなシステムがあればと思います。さらに先日は学泉大学へ出かけましたが、今後もそうした機会があるといいと思います。

M.昨年は皆勤賞位の参加をしましたが、今年の会議にはあまり出席していません。しかし印象としては昨年に比べてゆっくりしたリズムで、バックしてしまったような気がします。また、MICSがインターネット接続を突然始めてびっくりしています。行政主導で何をやろうとしているのかよく見えません。我々が何かをやろうというからには、ちょっと無理かなと思える位の斬新なものでないと意味がないでしょう。

「草間」
 偉い先生を呼んできて話をきくのはやめましょうと3年前から言ってきましたので、具体的なことがあればそれに向かって進んでいきたいと考えていますが、これまでは皆さんから具体的に取り組みたいということが無かったのでこういう形で進めてきました。事務局から何か有りませんか。
「事務局」
 この研究会では企業と地域の課題を解決する仕組みづくり、やりたいことをビジネスまで押し上げることが狙いでしたが、この前段としてはすでに岡崎大学懇話会メンバーの先生達のDBは進行形となっていますし、各企業がどういう課題を持っておられるかをつかむことは12月に入って進めてまいります。
 また、学生のDBづくりも就職支援という切り口で就職情報室の機能を活かして進めて参ります。登録企業191社のインターネット接続、学生にもメールアドレスをもってもらってやりとりが出来る環境づくりを考えております。
 地域の課題としては愛知万博に向けて岡崎の事業者の方に役立つことをやっていきたいと考えています。この事業もそうですが提案公募型の事業に補助金を付けていくことはこれからもどんどん出てくると思います。

「服部」一言で言えば、コーディネートとはやりたいことをサポートすることです。コーディネーターの仕事は決してやりたいことを植え付けたり引っ張り上げたりすることではありません。
 いくら論議をしても、やりたいことが無い人が集まっても意味がありません。まず、やりたいことをオープンにして共有化し、コラボレーションしていくことを覚え、誰かがやってくれることに乗っていこうとする姿勢をなくさないといけません。
 東京の人達と話すと2週間程で結論が出てどんどんプロジェクトが立ち上がっていきます。一番やりたい岡崎ではどうもつながっていかないのです。
 やりたいことを、市役所や商工会議所の分かるように通訳していくのがコーディネーターの役割でもあります。確かに新しいメンバーが加わられましたので、ゼロからスタートしましたが結局は同じ方が残ってきました。個人の能力ではもう世界のレベルには絶対に追いつけません。

「草間」
 メンバーの皆さんで具体的にやりたいことはごいざいませんか。

M.今考えているのはパソコン用のポインティングデバイスです。マウスのような物ですが日本では商材として無いと思っていた物ですが、台湾ではすでにもうありました。機会があるごとに出掛けていってこうした物を日本に入る前に全部買いとって販売できないかとも考えています。
 こうした、交渉時には英語と日本語および広東語なり北京語の通訳が必要ですがそうしたDBがあると便利です。
 また、医療関連のDBをセキュリティー分散の意味で東京のデータを岡崎で保管するようなシステムが事業化できないかとも思っています。

M.一市民としては個人が高速で安価に情報を得られることをやって欲しいのですが、例えば、医者や歯科医をネットワークで結んで救急時に活用するシステムづくりはどうでしょう。
 また、郊外の大型店進出により中心商店街の商店がさびれてきていますが、高齢者は商店街にある小さなお店の方が買い物しやすいようです。狭い範囲でいいので小規模商店が集まって、家庭と各商店を結んで高齢者向けに日常の買い物についての通販システム・宅配サービスを構築するというのもどうでしょうか。高齢者はパソコンを使いにくいので先程出ましたデバイスなど改良も必要です。
 さらに、日常の経営上のデータを毎日どこかで保管してくれたらありがたいと思います。

M.具体的な話が出た時には商工会議所には一歩横にいてもらうとか、第3セクターでも作っていく訳でしょうか。また、今までにアイデアが2つ、3つ出ましたがそれをサポートすることはできるのですか。

「草間」
 自分達でやっていく上で足りない部分をサポートすることはできると思います。
「服部」
 ビジネスプランとかマーケティングプランを作って障壁になる部分をはっきりして欲しい。あくまで、プラットホームを作って足りない物、欲しい物を繋げていくことがコーディネーターの仕事なのです。他の投資家を巻き込んでいくにもきちんとした青写真づくりのトレーニングが必要です。
 進めて行く事柄は何でも良いのですが、今年のプロジェクトの場合は情報化という大前提が有りますので何がしら情報化に関連する物でなければいけません。

「草間」
 何でもかんでも補助金が付く訳ではありませんが、産学協調がキーワードです。というのも、将来的には国立大学も独立採算となりますので、企業とタイアップして事業創出に貢献出来る所が残っていくように思います。
 年間5千万円とか1億円とかいう補助金が出るものもたくさんございますが、駄目だった場合は誰がその資金を被るかがはっきりしていなければその補助金も出ないようになっています。先程出ました高齢者向けの宅配サービスは一歩話を進めていければ良いと思っています。他にございませんか。

M.新しい商売といえば、この研究会とは少し離れますが、岡崎にホテルが欲しいと思います。作るとすれば税務署が移転する訳ですからあの辺り。また、伊勢のおかげ横丁や長浜の黒壁が大変お客さんを集めていますが、岡崎でもあの程度のものは岡崎城周辺に出来ると思います。

「草間」
 観光は21世紀には大きな産業になります。万博への具体的な青写真が無いのは岡崎位だということですが、瀬戸まで行かなくてもそうしたホテルのロビーに大スクリーンを作ってバーチャルで会場の様子がわかるようにすれば人が来るでしょう。
「服部」
 市や商工会議所でやって欲しいということで無く、地域の人達がどんな熱意を持っていて、やりたいことは何かをオープンにしていくことが重要です。2,3人の熱心な人が何かをやり続ければ、サポートする人が出てくるものです。そうしたプラットホームをいくつか作っていくことが大切です。せっかくですので何かを立ち上げていきましょう。私がコーディネーターという立場でなければやりたいものはいくらでもあるのですが。

「事務局」
 今年の空き店舗対策事業に続くものとして、1つはバーチャル商店街、1つは高齢者向けの宅配サービス、1つはバーチャル商店街のポイントサービスがあげられると思います。ということで、次回は先程出ました高齢者向けの宅配サービスについてのもう少し肉付けしたお話をお聞きするというのはいかがでしょうか。

「草間」
 皆さんのご意見はいかがでしょうか。
ご異議が無いようですから、次回は高齢者向けの宅配サービスについてご説明いただくことにして、時間も参りましたので終了といたします。

第9回の新事業創出研究会は12月9日(水)午後2時より岡崎商工会議所401で開催する。

(以上)






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