第3回会議 会議録





平成10年度第3回新事業創出研究会
開催日時:平成10年9月9日(水)14:00〜16:40 於 岡崎商工会議所401会議室

「草間コーディネーター開会あいさつ」
 今年度初めての方もあるかと思いますので、新メンバーの方を事務局からご紹介ください。
「事務局説明」
 岡崎商工会議所会報9月1日号で折り込みを行い、新メンバーを募集したところ、現時点で4社から参加の希望がございました。タカラ化成工業株式会社、有限会社竹田鍍金工業、有限会社フジシャショク、株式会社フロンティアの4社で、今日は、タカラ化成さんとフジシャショクさんが参加されています。
「草間」
では、第3回の研究会を始めさせていただきます。本日は岡崎大学懇話会の幹事を務めていただいております、愛知学泉女子短期大学の事務局長 木村剛也さんから「産学連携の進め方」と題してお話をいただきます。では、木村先生よろしくお願いいたします。


1.産学連携の進め方 
ゲスト:岡崎大学懇話会 幹事 木村剛也氏
 ただ今、ご紹介いただきました木村です。この会では皆さんの側の席に座って一緒に研究させていただくつもりだったので、この席に座ってとまどっております。
 私は大学で土木工学を学んで、道路公団に就職し、道路舗装の研究などを行ってまいりまして、その後愛知学泉大学に移りました。そうした、私の経験から、産学の交流についてお話が出来れば幸いです。と、いう訳で、レジメも用意しておりません。大学のパンフレットだけお持ちしました。
 さて、日本の18歳人口は平成2年をピークに下降線をたどっていますが、当大学の受験者数も当然ながら、その線にリンクして減少しています。短大の良さは4年制大学卒業生よりも柔軟さをもっていることで、企業側の要求している学生を、さらに当短大ならではのアイデンティティーを付け加えて企業側に送り込んでいきたいと考えています。
 ところで、愛知県などで特にインターンシップが盛んですが、私が学生の頃にも似たような実習がございまして、夏休みに40日間ほど道路通行量調査や各種舗装別の耐久実験などを行いました。一方就職してからの道路公団ではインターンシップの学生を受け入れる側も担当しましたが、受け入れる側としては、心が真っ白な学生に仕事をやらせることの難しさなどをつくづく感じました。
 また、新しい舗装技術の開発などでは、企業や道路公団、建設省などの担当者が出席し、ワーキンググループを作って、まさに産学官の協力により進めたこともございました。
 大学とは、産業面におけるトップの技術の研究をしていくという使命もありますし、企業の要求にマッチする学生を送り込むという使命もございます。
 ここで少々休憩をいたします。これまでの中でご質問があればお願いします。
「草間」
 少し補足説明させてください。今まで日本は国立大学の補完的な意味で私立大学があって、研究よりも教育に力を注いできたという面が感じられますが、これからは、欧米のように、私立大学がリードしていくように思います。国立大学は予算的に最近は厳しいので、その面でも産学協調には私立大学の方が役立ちやすいと思います。
「服部」
 大学とは教育機関といえどもサービス業です。そもそもインターンシップの導入の仕方がおかしい。企業が学生に対して要求している事柄をきちんと把握して、それにマッチした学生を送り込む工夫がないと長続きしないように思います。学生自身が選んで出かけ、行って良かったと思えるようにシステムづくり、データ公開が重要です。
木村氏続き
 確かに、今服部さんがいわれた通り、今のカリキュラムは市場調査を行ってのものではありません。例えば、従来からある教員免許取得のための教育実習や栄養士免許取得のための実習などは文部省などにより義務づけられており、その延長の考え方での今のインターンシップは学校側だけの希望で作ったようなシステムともいえましょう。
 さて、当校のコミュニティ政策学部は今年4月に豊田キャンパスに開設されまた。パソコンは1人1台体制で計400台を保有し、各研究室間でLAN接続が可能となっています。また、豊田と岡崎の両キャンパスを結ぶ光ファイバーの専用線をこの11月には接続する予定です。
 大学案内に掲載しています教員一覧をご覧いただき、各企業の方のお手伝いができる分野がございましたら、お引き合わせすることは可能だと思います。また、小さなテーマについての研究グループなどにはその関係の教員を推薦させていただくことも可能ですので是非ご連絡ください。
 また、当校には3つの研究所がありますが、その内コミュニティー政策研究所は入会金2000円を収めれば参加出来るバーチャルな研究所です。ご関心をお持ちの方はぜひご参加ください。
「草間」
 研究や実験などの相談に乗って欲しいと、大学へ依頼しても敷居が高いという声を良く聞きますが、企業側がリクエストした時にすぐにレスポンスしてもらえるシステムづくりが必要と感じます。 木村 どの大学にも事務局があるので、事務局長を訪ねて欲しい。本来は大学からいろいろな企業に出掛けていくことも大切と考えています。以上で私の話を終わらせていただきます。
「草間」
 せっかくの機会ですのでご質問、ご意見をお願いします。
M.インターンシップは期間が限られていてなかなか企業のニーズとマッチしない。この制度を長続きさせるには学生・大学と企業がお互いにメリットのあるものにする必要があります。
M.直接関係ないことですが、この大学案内の表紙の写真は音叉ですが、それがA−440となっていますが今のトレンドは442だと思います。未来へ向かう大学の案内には442の方がふさわしいと思います。
「草間」
次の議題に入る前にコンピュータの2000年問題について少し説明します。服部さんからご説明ください。
「服部」
昨年インドに行った時に現地のソフト会社のこの問題への対応を見て、これからはこれしかない≠ニ思ったのですが、日本では感心が薄い状況が続き、最近になってようやく新聞などに取り上げられるようになりました。業界の方の対応はどうですか。
M.小さな会社が対象なので機器が新しい場合が多く、意外に問題になっていません。古いオフコンを使っているところは問題が大きいようです。
M.当社はハードが2000年問題に対応していないので現在検討中。
M.当社にもあちこちからこの問題への対応の依頼がきています。中小企業では機器の更新、リースの切り替えなどで問題は少ないようです。
「草間」
 本日初めての参加の方に一言お願いします。
M.コンピュータ関連はメーカーに依存していますが、今後は教えてもらいながら自社の担当者もわかるようにして行きたい。以前から新しい分野への取り組みなどについて豊橋技科大と関係を持っていますが、敷居が高いと感じます。困っていることはたくさんあるので、うまく大学とつきあえるシステムがあれば今すぐでも出掛けていきたいと思っています。
M.実際の経営の中で皆さんがどうマルティメディアとかインターネットを使っているのか知りたくて参加しました。
「草間」
 次に、議件2の研究テーマ具体化の為の体制についてご協議願います。服部さんからお願いします。
「服部」
   そろそろ具体化して、ビジネスに結び付けたい。来年2月までという時間的制約もあるので、とにかく立ち上げ可能なもの、1つか2つに絞って動き出したい。幸い、就職情報室で学生からのアクセスがあるのでこれを拡大して就職活動の学生のデータベースを作ることが1つです。
 例えば、学生の特技なども入れてデータベースを作り、一方企業のデータベースも作り、お互いにそれを見てインターンシップや就職先選定に役立てるというのはどうでしょうか。
 それから商店街などの街づくりに関しての可能なことについて、ワーキンググループを作って実施したらどうかと思います。ニーズのある物を1つ作ればそこに枝葉が付いてくるように思います。とにかく、ワーキンググループを立ち上げ、ニーズとシーズをくっつけてみて、その上でビジネスにする仕組を肉付けしていきたい。
「草間」
 ビジネスにつなげていくにはデータベース化し、これをGISと連動させることを考えて行く必要があります。関心のある企業がグループを作って進めていったらどうでしょうか。皆さんのご意見を頂戴したいと思います。
M.個人的には大学の先生達の研究内容などがわかるデータベースが欲しいと思います。先生の研究テーマをベースに大学との連携を取り、うまく一緒にやって行くところが地域として伸びて行くと思います。
M.専門職の人達のデータベースがあると忙しい時に手伝ってもらうのに便利だと思います。
M.限られた時間なのでとにかく1つか2つに絞って立ち上げたい。学生のデータベースは現実にニーズがあるわけだし、大学教員の方のデータベースは誰もが知りたい情報であり、大学懇話会という協力をお願い出来る組織もあります。フロンティアのサーバーを使えるのもメリットの1つです。
M.GISと文字・画像情報を組み合わせてデータベース化することには興味があります。
「草間」
 コーディネート活動支援事業のキックオフセミナーではGISの専門家を呼びたいと思っています。
M.学生のデータベースの中に、学生の空いた時間を登録して、データ処理やパソコンの設置などの業務支援に活用出来ればと考えています。
M.市でもいろいろGISに関して研究しています。公開できるものは公開して利用できればと思います。
M.フロンティアのサーバを使っていけるのはメリットだと思います。
M.ターゲットはどこなのか、三河なのかグローバルなのか。
M.インターネットで検索するのはうんざりしています。本当にヒットしやすいデータベース作りが大切と思います。
「服部」
 本会の様子やワーキンググループの進み具合などは、公開して皆さんが投稿できるようにしたいと思います。
「草間」
 本事業は人と人との関わりが大切です。例会とは別個にワーキンググループに参加してもらえる人を事務局で募って動き出しましょう。
木村補足
 どんどんそうした会合には大学の教員などを呼んで欲しいと思います。
「服部」
 興味のある学生にも参加してもらって学生による学生のデータベース作りをしたいとも思います。ワーキンググループでの検討の経過をMSVNのコーディネート活動支援事業活動紹介の中でオープンにしながら進めていきたい。
「草間」
 では、ワーキンググループで、学生と大学教員等のデータベース構築について進めていくことにして、本日の会議は終了といたします。
M.の標記はメンバーからの発言です。
ワーキンググループ会議は、9月14日(月)午後2時より岡崎商工会議所401会議室で開催する。
(以上)





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