第2回会議 会議録





平成10年度第2回新事業創出研究会
開催日時:平成10年8月28日(金)14:00〜16:00於岡崎商工会議所401会議室

「草間コーディネーター開会あいさつ」
 今年度はじめての方もあるかと思いますのでこれまでの経過を事務局から説明ください。
「事務局説明」
 第1回の経過は会議録の通りです。来年2月に向けて7つのプロジェクト全部でなくても、できるだけ焦点を絞って、実現化、事業化に結びつけたい。申請していた県の近未来社会対応型情報通信産業振興事業は残念ながら選に洩れました。

1.MICSのマルチメディア通信網サービスについて
説明:株式会社西三河ニューテレビ放送 取締役 通信事業部長 長田好正氏
 従来はケーブルテレビの放送事業だけであったが、4月1日からマルチメディア通信網サービスを開始しました。光ファイバーケーブルによるセルリレー方式の高速回線で接続し、主としてインターネットプロトコルによる通信を提供するサービスで、現在、国内で13のCATV会社がこのサービスを実施しています。順調に稼動しており、ノートラブルです。
 世界中に4秒でアクセス可能で、アメリカとはもっと早くアクセス可能できます。現在、同軸ケーブルを使った実験利用中で30余ユーザーに体験していただいています。通常のプロバイダー経由と比べ5〜10倍の早さがあり、さらに10件程度の実験用接続が可能なので希望者はお申し出いただきたい。
 11月からは規制が緩和されて値段の設定が自由となり、値段設定が難しいですが、一般家庭用では、市内とのやりとりが月額定額で2千円、市外は1分20円の予定です。

2.インターネットマーケティングとバーチャルコーポレーションについて
説明:株式会社ヤマサ 服部社長、マーケティングマネージャーMr.Declan Murphy
 今から説明しますのは、ヤマサでの語学研修を希望する学生を世界中から募集し、また、海外での語学研修を希望する日本人に留学先を紹介する為のバーチャルコーポレーションで、4月にスタートして再度8月31日には内容を全面改訂します。インターネットで世界のお客様からアクセスされたデータをデータベース化し、ビジネスの展開に活用しています。

「草間コーディネーター補足:今、バーチャルコーポレーション、データベースとかいう話題が出ましたので補足します。コーディネート活動支援事業とは外部の専門家からアドバイスを得るなど、外部の経営資源の活用をしていくもので、まさにバーチャルコーポレーションの考え方と同じもので、実際のバーチャルコーポレーションをお見せした方が分かりやすいと思い今回の企画となりました。」

 日本への留学希望者は東南アジアを始めとする世界各地の学生なので、ホームページは各母国語で書いています。世界中には多くの日本語学校があるのでヤマサだけにしかない内容のホームページ作成に努めました。
 奨学金制度やコースの内容・留学のための所要金額、寮の様子などを詳しく載せており、ホームステイのプログラムや入学願書・保証人の用紙のフォームなども掲載しています。後々の問い合わせが出来るだけ少なくて済むようにホームページ上に各種の情報を掲載しております。
 また、東南アジアの通貨危機以降は、特に欧米の語学研修生の受入強化に取組んでいます。その為、より正確で詳細な情報提供が必要となっています。毎日80件程のメールが来ており、この対応に6時間程度を費やしています。質問された事項は、すぐにホームページに反映し、提供する情報の質を高めています。

「草間コーディネーター補足:バーチャルコーポレーションは、そもそもボーイング社が機体の設計のために外国の企業とパートナーシップを組んだ時に、インターネット上で色々な情報をやりとりしたことが最初で、人の移動など各種の経費と時間を削減しながらプロジェクトを進めていくにはまことに便利なシステムです。大阪大学の入試情報もネット上で公開しており、京都大学では単位の互換など新たな教育のバーチャルコーポレーションも生まれてきています。」

 入学願書を始めとして一度入力されたデータは、書類ごとに再度入力する必要が無い様にシステムを構築しています。現在、マーケティング側からの要求をもとに、教育現場や管理部門の変革に力を入れております。このことが顧客サービスの向上につながるからです。例えば、各種の証明書発給を瞬時に行なったり、ホームページの検索で有利なポジションを確保する為に事業所名を変更したり、学生からのクレーム処理に迅速な対応をとることなどです。
 ビジネスにおいては、速さと正確さが要求され、同じデータを2度入力しないことと、クレーム処理のスピードが勝負を決めることとなります。
 既存のビジネスでも、情報化のツールを用いて、業務処理をスピードアップして、お客様のニーズに応えていくことにより、レベルアップが可能となる。ただクレジットカードでの決済システムが日本は確立されておらず不便が多い。
 当社はシンガポールに法人を作って対処しました。また、留学生を受け入れる日本の大学の情報を集めてデータベース化している。
 最も信頼出来る、唯一のデータベースを構築したいが、その為には、毎年変化する情報を適確に修正する必要があるが、その修正にタイムラグが生じるので、各大学側でデータを修正していくシステムをつくればまさにそれはバーチャルコーポレーションと呼べるものとなります。また、留学希望者からのあらゆる質問には自動的に返事が出せるシステムの構築も目指しています。

「質問:5年後のプランはどうですか。」
 来日する前に日本語のレベルが分かるようにしたい。さらに、リアルの世界(教室や寮の増設など)の対応や、仕事の仕方もあわせて変えていかなければいけない。最終目標は、バーチャル・エデュケーションです。ブラウザー上で動くソフトを十分活用して、情報をつなげ、バーチャル・コーポレーション、データベース、地図情報システム、物流などのリアル面での対応強化などを連動させてビジネスを再構築することが必要と思う。

3.本会の進め方
「草間コーディネーター:コーディネート活動支援事業は、本年度はどこにどんな人材がいるかを紹介していく事業ですが、来年度はプロトタイプを作っていきたい。」
「M:今日紹介されたものは、汎用システムとして使えるのではないか。7つのプロジェクトをベースにして、新しいものを作りあげることが出来ると思う。」
「服部コーディネーター:今日見てきたシステムは、従来は専用回線を持った大企業でしか出来なかったが訳ですが、現在はインターネットを利用し中小企業でも対応できるメリットは大きい。」
「M:今後の進め方は」
「草間コーディネーター:原則毎月第3水曜日に産業学研究会を、第2,4水曜日に新事業創出研究会を開催していきます。コーディネート活動支援事業はあくまでビジネスチャンスを見付ける場を提供するのが事業の目的です。」
「M:個々のプロジェクトの進め方は、自発的に進めるべきだと思うがどうか。」
「草間コーディネーター:ディスクロージャーを進め互いに糸口を示しつつ活動を進めたい。」
「服部コーディネーター:今回紹介したサーバーを使っていくことは、この事業の中で用意されているので無料で使う事が出来る。作り込む人材も用意するので皆で作り込んでゆきたい。また、計算に強いデータベースの構築にも力を入れてゆきたい。」
「M:通信分野の事業拡大の方向性にもマッチするし、地域のこうした研究会に参加することは大いに意義有ることだと思います、今後ともよろしくお願いします。」
「M:わずかの時間で進歩が速いのに驚いているが、昨年まとめた7つのプロジェクトを、今年度はその実現化に向けて参加していきたい。」
(Mの標記はメンバーからの発言)
次回会合は、9月9日(水)午後2時より岡崎商工会議所401会議室で開催する。
(以上)





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