第14回会議 会議録





平成10年度第14回新事業創出研究会

開催日時:平成11年2月18日(木) 14:00〜15:50 於 岡崎商工会議所2階中ホール
出席者 :19人。
コーディネーター:草間晴幸 大阪大学大学院助教授
  内容:以下の通り。

「草間コーディネーター開会あいさつ」
 本日は岡崎大学懇話会と新事業創出研究会の合同協議会を開催いたします。今年度コーディネート活動支援事業として、新事業創出研究会を本日で14回、産学研究会は4回実施して参りましたがその接点が無かったものですから、後程お1人五分程思いつくことで結構ですのでお話をいただきます。

 一応一つ目の議題として岡崎大学懇話会の平成11年度事業計画についてですが、来年度もこのコーディネート活動支援事業がよほどのことが無い限り継続されます。新事業創出研究会をどうするか、実験事業はどうするかは余り詰めていませんが、岡崎大学懇話会に関連することは概ね決まっております。
 まずは岡崎大学懇話会の4人の発起人にお集まりいただいて雑談をする発起人会を行う。それから本年と同様に産学研究会を4回実施したい。

 そして岡崎大学懇話会として、平成11年度ベンチャー企業支援関連予算の中に先導的起業家育成システム実証事業(新規事業)…起業家の育成のためには大学・大学院等において本格的な経営管理や技術管理に関わる教育が行われることが必要であり、このため大学等において先導的な起業家育成講座等の実践を通して実証研究を行うことにより我が国における起業家育成システムの整備促進を図る。…という事業に応募してはどうかと岡崎大学懇話会にてお話させていただき、いろんな条件を調べて特に問題なければ申請しましょうということになりました。また、ご協力のほどお願い申しあげます。
 その話をしておりましたら、今年度の会長、愛知学泉大学寺部学長先生から、せっかく岡崎大学懇話会があるので、起業家育成講座等の単位相互乗り入れも将来的に考えていったらどうか、大学のネットワークを作っていったらどうかというお話もございました。

 そして、岡崎大学懇話会の役員も3月末で変わりますが、来年度は愛知産業大学副理事長先生の水野先生が会長をされまして、幹事は会長の属する大学の教職員の中からの選出で1名でしたが、各大学への連絡など事務局に相当する方が必要だということで、幹事は各大学1名ずつにお願いしまして、代表幹事は愛知産業大学の教務部の面手先生がなられることになりました。後ほど申しあげますが研究者のDBづくりなどに協力いただきまして、産学研究をする時に利用していただければと考えています。
 それに関連して今日の資料に岡崎大学懇話会研究者名鑑登録リストが入れてありますが、事務局から説明願います。

事務局:A3の資料ですが、本年2月15日現在で岡崎大学懇話会に所属されている各大学の先生にご協力いただき、先生のプロフィールのごく一部を紹介したものです。愛知産業大学に関しては、本日40名ほどの先生のプロフィールをお持ちいただきましたので合計で100名程の知的資産のDBが出来る運びになっています。初年度ですので研究者名鑑として印刷し、産業界だけでなく、行政・市民まで配布する計画です。かなりの領域でご指導いただける先生がいることが分かるものになると思います。

「草間」せっかくの機会ですので、順にお話いただければと思います。よろしくお願いします。
M.本会の趣旨は産学と地域の活性化です。本学の短期大学でも商工会議所とタイアップしてインターンシップを実施しておりまして、大学でも11年度から3年生を対象にインターンシップを行うことにしております。
 学生の意識は大きく変わって年代のギャップが大きすぎて、どういうことをを考えているのかなかなかつかめない状況です。また、自分がどういう方向に進もうとしているのか考えられない学生が増えてきている気がします。
 そうした中で、実際に企業で勉強することが重要だと考えインターンシップを単位として認めていくことにいたしました。また、企業の皆さんには何かとお願い、お世話になることもあるかと思いますのでよろしくお願い申しあげます。
 岡崎大学懇話会は出来るだけ企業の方、市民の方に有益になるような事業をやっていけたらと、代表幹事として考えています。以上よろしくお願いいたします。

「草間」今日の目的の一つは、1月末締め切りの第3次補正関連の補助金事業で「次世代アプリケーション開発事業」というものに、岡崎ネットワークショッピング事業というテーマ(ネットワークを通じて動画を流す、動画を通じてショッピング関係の事業に有利なシステムを構築していこうとするもの)で申請をいたしました。
 採択件数は10件程度で1件当たり5億円の事業ですが応募総数は170件だそうで当たるかどうかは分かりませんが、その事業の構成組織に岡崎大学懇話会も入っていただいてそのメンバーの各大学にご協力をいただきたいと思います。当たりましたらの話ですが、民間企業の方にもいろんな役割を担っていただきたいと思って合同の会議を開催いたしました。事務局からこの「次世代アプリケーション開発事業」について少し説明してください。

事務局:メニューは2種類ございまして、高品質・高速の通信ネットワークを使って新しいビジネスを切り開く。情報提供をしてやりとりをして物が売れる仕組み、これは世界へ向けて情報を発信する仕組みです。もう一つは中心商店街でも空き店舗が出てしまう商業環境になっていますが、これを通信という機能を使って新しいビジネスの機会を提供できないかというシステム、これは今新事業創出研究会で検討していただいておりますいながらネットもかなり意識して提案を出しております。
 この事業は技術的な先進性と実証実験が終わったあとの事業性がポイントになっているようです。3月上旬に各申請案件の趣旨説明、ヒアリングがあってからの決定となるようですので決定は3月下旬になりそうです。以上です。

「草間」以上で議題の1は終わりといたします。議題の2は質疑・応答となっておりますので冒頭申しあげたとおり特にテーマはございませんので企業の方は大学に、大学の方は企業に対して何かリクエストがございましたらお話いただきたいと思います。

事務局:考えていただく時間を2.3分いただいて事務局から説明させていただきます。一昨年産業界を意識して地域活性化に貢献するという商工会議所にとっては大変有り難い組織である岡崎大学懇話会を作っていただきました。そして形になった事業が展開され始めてきました。
 今お話のございましたインターンシップは昨年8月から愛知産業大学短期大学の学生が商工会議所を中継地として地域の中堅企業で体験を積んでいただきました。2年生が20名程体験され、この3月から1年生が体験することになっています。
 また、岡崎女子短期大学では試行的にこの3月に商工会議所を通して実施されます。さらに愛知産業大学の経営学部が設立されますがその3年次でインターンシップを正規の単位として取り扱う展開となっております。
 それから建築学の先生の研究室で卒業論文のテーマとして中心市街地の今後の望ましい姿について商工会議所と商店街と大学を交えて調査・ディスカッションをしながら最終的には目に見える形でご提案を頂戴できる運びになっております。インターンシップの中でも空き店舗の対策事業に関わった学生もおりました。
 それから、いながらネットというのは、これから高齢化が深刻になって参りますが高齢化社会を当たり前のものとしてビジネスに取りこんでいく、またそれをベースにして高齢者以外の方も利用できるような基本的には商品の発注・配達システムです。
 高齢化社会になって参りますのでこうした問題や介護保険について詳しい先生がおみえにならないかとお尋ねいたしましたら、岡崎女子短期大学にまさにそのことを研究している先生がおみえになるとお聞きいたしました。
 ワーキンググループの方のご希望に沿えばその先生のご指導も頂戴したいと考えています。研究者DBづくりに関連してこれから産業界と大学の接点が作っていけるものと期待もしております。

「草間」新事業創出研究会で交わされました意見などはすべて岡崎商工会議所のホームページ上で流しておりますので出席されないメンバーの方もその情報を掴んでご意見もいただいております。
 では皮切りをお願いします。

M.出席したからには何か話そうと考えておりますので、基本に帰って少しお話いたします。この会には二年前程に参加したのですが、すぐアンケートがあって回答したことは、短期的な話と少しマクロ的で長期的な両方のアプローチが必要だろうと書きました。
 短期的なことについては手近なことを動き出したから考える。一方マルチメディアとか新事業とか21世紀だとかの検討はあちこちで動きがあるようですが、やがて緩やかなネットワークとでもいいましょうかこれが岡崎の方向性だというベクトルを揃えていくことが重要だと考えます。
 例としては岡崎近辺には他に無い人・物・金の資源があるよというDBづくり、問題があった時にそれらを結び付けていくような機能とかを伸ばしていくようなことが大切だと考えます。いながらネットについては皆でとにかく動き出そうとしているものだと思いますし、草間先生の通信制スクールシステムも同じような考えだと感じます。
 一方大きな話としてはいろいろなDBを作っていこうとする動きや、産官学民を横断するような組織づくりについてはまさに岡崎大学懇話会もその一つだと思うのですが、進み具合は牛歩のようにみえますが歯車は確実に回っているようです。10年サイクル位で考えていけばいいのです。
 進み具合が決して遅れているとは思いませんが、一つ気づくのは皆余りに単純に考え過ぎているとも感じます。いながらネットにしてもそこでどんな商品・サービスを売っていくか、大学懇話会にしてもそこでどんな討議をしていくかというソフトというかコンテンツというのをもっとディスカッションして差別化というか特徴とか魅力がないと面白くないし、ましてや事業化などできないと思います。
 あるメーリングの中に京都のエコに関する研究会の情報が出ていましたが、例えばオゾン応用による空気の蘇生化技術とか、ゼロエミッションを実現するためのバイオ技術とか、熱帯雨林に廃材を利用したスプーンやフォークなど切り込み方にアイデアとか鋭さなど他にない特徴があるように感じました。
 そこまで踏み込まないと商売にはなりませんし、長続きもしないという気がします。そうした所は、大学の先生にはオリジナリティーとか最近の可能性などの情報やエネルギーがあって、そうしたものを注入してもらえれば今日のテーマに関連してくると思います。
 今日の資料の研究者DBにも研究者の研究内容や電話・ファクス番号、メールアドレスなどの生のニュースを載せていただくと興味のある方のアクセスが可能となり接点ができると思います。
 また、高齢者問題についてはすぐ要介護と結び付けがちですが、介護を必要とする人に必要な介護をすることは重要なことで大変な負担ですが、むしろ介護の負担をできるだけ軽くするために自立できる高齢者をいかに増やすかが大切だと感じます。そうした層にどういう生活をイメージしてそのためのツールをどう提供するかを考えると事業チャンスがあると思います。
 高齢者というとすぐ養護・介護ということを連想して商品やサービスを考えるよりも、その前にこれからどんどん増える元気な高齢者に目を向けてやっていった方が面白いし、何を考えるにしてもひねり方が足りないという気がします。
 大学の先生はひねり方とかオリジナリティーとかには慣れている人が多いと思いますのでご指導いただければと思います。我々がやっていくことはもっとニッチ的な商品・サービスに面白みがあるように思います。
 また、社会の大きな動きの中でSOHOがありますが、SOHOがやるような仕事を組織化するとかを考えると適切なテーマが出てくるようにも思います。あちこち話しが飛びましたがヒントになれば幸いです。

「草間」ありがとうございました。お話の中の研究者リストについて、今日はそのごく一部だけを表にしたものをお示ししました。DBや冊子にはもっと詳しく専門分野や企業と連携できる分野、連絡先などもすべて網羅しております。大学の先生はひねりがうまいということでしたがいかがでしょうか。

M.私どもの大学は人間環境大学の準備中で来年4月から名称が変わって4年制大学になります。名前が変わると知名度がございませんので学長からは外へ出てPRをして欲しいという指示もありますので誰か出るようにしております。
 今の短大には国際文化学部と英米語学部がありますので教養的な先生が多いのですが、来年4月からは様々な先生を迎えることになると思いますのでもっと充実したDBとなると思います。
 大学の先生はひねりが多いというお話ですが、一つ言わしていただければ新事業創出研究会というのは論理矛盾だと思うのです。なぜならば、私が新事業を行う場合は誰にも言いません。黙ってやってあっという間にお金を儲けると思います。
 学生だけとか、65歳以上の人達だけのグループを作ってそこでアイデアをもらうことが大切だと思います。企業家が集まっての研究会は応用段階の研究は出来るでしょうがニーズを発見するためには学生や35歳位の婦人のグループとか、高齢者とかのグループに好きなことをやらせてニーズを吸い上げる方が実の有る研究会になると思います。

「草間」このコーディネート活動支援事業の目的は地域の活性化ですが、その手法にこれだという決め手はありません。
 こうした活動が地域活性化の一つの動きだとしてアピールすることが私の研究活動の一部ですが、こうしたことを大学の先生はまだ認識していませんし、民間の方もそうした活動が大学の先生にとってプラスになるのかは認識がございません。
 要はビジネスでも大学の研究でもとにかく何かやっていてこそ何か結果が出てくると思います。今、新事業をするのなら誰にも話さないということでしたが、新事業に取り組んでみえますメンバーにお話をうかがいます。

M.いながらネットのワーキンググループにも所属していますが、今日は代表の方がみえませんので個人的な見解も含めて少し説明させていただきます。
 先程先生が言われたことは納得できる部分が多くありまして、高校生を1クラス分集めて勝手なことをしゃべらせてもいいのではと思います。また、高校を中退した人が大検を受けるために勉強する学校の生徒たちを集めて意見を聞いてみたい気持ちも湧いています。
 いながらネットは老人介護をメインでとなっているようですが別に老人介護をやりたくていながらネットを考えた訳ではございません。
 2025年に向かって岡崎市の老人割合が25%に達する現状で、現在の人口ピラミッドで一番多い50歳代の人をターゲットにしようとしました。、この人達から情報を得て何をビジネスにしていったらよいかと検討をした時に、細かな町内会のような中で情報を集めていく組織を作っていこうと考えたら、まず信用を得なければといけないので皆でゴミの回収でもしようかということになりました。
 しかし、個人のゴミ回収は指定業者に限られることなどの制約がありまして頓挫しかけたのですが、介護保険法関連でこの7月までに申請して指定業者として介護の事業に参画できる可能性があるということが分かりました。
 しかし、介護をメインでするのはあまり意味が無いと、私どもは岡崎市が準備している老人向けのいろんなサービスの情報冊子を配るときにアンケートが実施できないかと考え、介護という言葉が出てきたのです。
 地元に根付いて、バックに岡崎市なり公共のものがある雰囲気を醸し出しながらアンケートをしてニーズを把握するする目的で介護をしようとしました。介護用品のカタログも同時に配って売れたらいいねと軽い話をしておりました。
 ただ、岡崎市全域に対して行うのは非常に難しいので、小学校学区例えば連尺小学校区で実施したら中心市街地活性化にからめて面白いのではという話をしているのが現状です。
 いながらネットの目的は岡崎市全域で電話で注文を受けた時点で得意先や過去の履歴が分かるシステムをもって商品をお届けすることを考えていたのですが、何を売っていいかが問題でそのアンケート調査をする前段階で調査のための一つの手法として介護をからめて動いていこうと考えました。
 大学の授業の一環として学生たちが介護をからめてアンケート調査をしてもらえるといいねとも考えています。これが現状です。将来はニーズを把握することでいながらネットの中で広範な商売が出来ればと考えています。
 また、買い物をする、大きな荷物を運ぶという時間から解放させてその時間を余暇に使っていただくことも考えています。生涯学習なり趣味でもいいのですが、この余暇で二次的な商売が出来ればいいねというおまけ付きで活動しております。以上です。

「草間」以上のように何かニュービジネスが立ち上げられないかと検討しておりますが、欧米ではニュービジネスを立ち上げる時に大学の先生の知識・アイデア・技術などが結び付いていく可能性が高くなっています。
 日本ではそういう体制が無かったのですが日本もそうした体制を見習っていきなさいというのが国策の一つになっています。しかし、慣れていないので地域ごとで産学協調、協力活動をしていこうということでコーディネート活動支援事業が始まりました。
 すぐにニュービジネスには結びつかないかもしれませんが、やっているうちに一つ方向が出てくるのではないかという気が長い話です。ですから単年度ではなく、来年度さらには場合によってはその次と、地道な活動をしていきながら何かニュービジネスなり地域活性化策を見付けていけるのではないかと補助金も付いております。
 先程も言われましたように、大学の先生は知識・技術・アイデアだけでなくひねりもうまいのでそうしたところを吸収し、先生方も気軽にオープンな立場で相談に乗っていただけたらと思います。そこで大学のオープン化ということでいかがでしょうか。

M.先程、高齢者社会で介護ということが出ておりましたが私も余り当たっていないと思います。と、申しますのは個人的な話を申しますと私の母親がもうじき80歳ですがほとんど毎日のように出歩いていまして、出たきり老人と呼んでいます。
 あるデータによると8割以上の高齢者が元気な老人だということで、あるマーケットを開拓していくにはその元気な老人を相手にした方がマーケットが大きいとも思います。
 もう一つの話題は、私どもの大学、短期大学はすべて卒業年度もしくはその少し前からゼミ制をとっております。私も短期大学で学生の面倒をみております。
 私のゼミで今年はちょっとした異変が起きておりまして、それは私の専門の分野で卒業論文を書かせる訳ですが、ある学生がそれはとても書けないので他の事を書かせて欲しいと言ってきました。
 それは国道1号線と248号線にある喫茶店・飲食店を比べて調査してみたいがどうでしょうというものでした。卒業できないよりはいいので許可して書かせた訳ですが、予想通り248号線沿いの喫茶店と1号線沿いのそれでは売上に相当格差があって、メニューも違うようで非常に参考になるデータを歩いて調べたようです。
 私どもの教務部長が先程ジェネレーションギャップがあるということを申しておりましたが、彼らは彼らなりに結構考えている。
 ただ線がかなり違っていてその線をどこでうまくつなげるかが問題で、断線してしまっては電気も流れませんがあまり無理に強制していてはこうしたものは出てこなかったでしょう。
 もう一つは国道1号線沿いのガソリンスタンドを歩いて調査した結果も出ておりましてそうした視点からは大いに参考になるところがあるようです。
 彼の願望もあるかと思うのですが、国道1号線沿いに大学等が多いのでそこで若者が集まって何かできたら面白い、色んなニーズも出てくるのではというのが彼の論文の結論でした。
 やはり考えているところは考えているなということを感じましたので参考になればと思いお話いたしました。

「草間」ありがとうございました。私も一つ思い出しましたが、大学の先生が何をやっているのかというDBは今この研究会でも作っていますが、企業の人から見ると先生の研究テーマは難しくて分からないという意見が多く寄せられます。
 私の場合は環境情報学と書いてありますが何をやっているのか全然分からないということになりますが、卒業研究とかゼミの論文とかの一覧表を見せると企業の人は良く分かるということでした。
 という訳で、今ふと思ったのですが、来年度の事業で研究者のDBのバージョンアップとあわせて、もしオープンにしてもらえるのであれば学生が何をやっているのかというDBを作れれば面白いと思います。
 来年度最初の大学懇話会において、皆さんでディスカッションできればと思います。続いてお願いします。

M.介護という話が出ておりましたが、福祉センターへ出掛け話を聞いて参りましたが介護の部分でも入り込むところは無いように感じました。
 65歳以上が四万人、寝たきりの方が650人という数字はお聞きしましたがそのいろんなデータは公表してもらえませんでした。暗礁に乗り上げた状態です。独居老人の安否確認についての部分で何かできたらとも考えています。自動的に安否を確認するような方法もあるようですが。

M.お茶を飲めばポットを使いますので、ポットにセンサーが付いていて自動的にコンピュータネットで把握するシステムがあるようです。ポットとか水道栓とか日常的な物にセンサーを付けておけば把握ができると思います。

M.富山県のある町で町全体がCATVで結ばれ、テレビを利用したかどうかで安否を確認する、何日間か使わなければ自動的に警告を示す印がついて役場の方が確認に行くというシステムを作っているところがあるようです。住民が千人程の小さな町ですたが。思いつきですがご紹介いたしました。

「草間」システムは一つだけでなく、テレビとポットとか、トイレとかを組み合わせるといいと思います。では次の方お願いいたします。

M.今のMICSの現状を少しご説明させていただきます。
 加入者は人口密集地区を中心に整備し、加入者総数で17,000、ケーブルを引いている地域の世帯対比で見ても13〜14%程度と思います。この普及率は全国の普及率に一致しています。
 アメリカでは60〜70%の普及率で日本のCATVはまだまだインフラ整備・普及率で見ても今だしいう気がします。一つには利用料が高いことがあげられますが、当社でもこの10年間で設備投資の累計が30億円に近いものがあります。
 もっと加入していただければ利用料も下がってきましょうが、岡崎市が進めている田園地域マルチメディア整備事業が注目されてもいいように思います。
 この事業は岡崎市が公共事業として、市街化調整区域と捕らえていいような地域で推進しているもので二期に分けて事業を進めており、第一期の事業はおおよそ整備のメドがついてきました。
 ゆくゆくは光ファイバーを利用した情報インフラをうまく活用して昨年末開始したインターネット活用事業をあわせて多くの市民にご活用いただきたいというのが願いです。
 行政サイドからみてもこれだけの資金を人口に希薄は地域に投資したからには多くの市民の方にご加入いただいて、行政目的だけでなく市民の方が足回りとしてご利用いただければと考えています。
 話がこの場にはふさわしくないかもしれませんがCATVの普及状況と今後の見通しについてかいつまんでお話いたしました。

「草間」ありがとうございました。ネットワークを使って情報の発信とか収集をするということですが、次の方よろしくお願いいたします。

M.いろいろ難しい面があるなと思って聞いておりました。きょうは岡崎大学懇話会新事業創出研究会の合同ということで何か接点があるだろうと考えていましたが、いろんなギャップがあるのかなという気がしています。
 大学側から見ると企業は学生の行き先と見ますし、学生にとっては就職先という意識を持ってしまいます。逆に企業から見るとこういう時代ですのでアイデアが欲しいとか、何か学生がもっているものはないかという期待があってそれぞれ求めているものがずれていると思います。
 確かに本学の学校要覧で専門の領域が書いてあっても先生同士でも訳が分からないという声が出ています。具体的にどんなことをやっているのかは卒業研究の発表会を見に行くと学内でも良く分かることがあります。
 卒業研究のテーマからもイメージは湧くと思います。先程草間先生がおっしゃったようなものがあれば企業の方から見ればそこからアイデアが出てくるのかとも思います。学生にアンケートをとってもらいたいということも出てくるかもしれません。
 私は今年の卒研生には携帯電話のことについて、どんなように使っているかをアンケート調査などをさせています。興味があった項目としては、携帯電話は話すのが当たり前と思えるのですが実際には文字を送るために使うというのがこちらが考えるよりも多くて3〜4割ございました。
 確かに学生の考えていること、アイデアは豊富で現状の商品やサービス、買い物に不満があったり要望があったりしているようです。
 何かテーマがあれば授業で使ったり卒研で調べたりできる接点が持てればいいと思います。いずれにしても新たな接点を持ちたいと考えていますが、なかなか噛み合わない部分があるのかなと考えています。以上です。

「草間」携帯電話の話が出ましたが次の方お願いします。

M.私がこの会に入っていいなと思ったことはシリコンバレーのモデルで岡崎の街や産業を活性化しようとした時にフラットであることが一つ、もう一つは産学共同でした。
 フラットであることは大変重要なポイントでこの会も続けさせていただいております。我々の世代は功利的合理主義と呼ぶようですが、金儲けもいかに合理的に楽にやるかということで進んできました。
 しかしここに来て功利的合理主義ではない発想の場としてこの会を活用させていただきました。その中で産学共同も非常に重要なことだと感じました。この会も方向が見えてきて最初の一歩か二歩を踏み出しましたのでこれから期待していきたいと思っています。
 話が変わりますが先程の独居老人の安否確認についてある決まった時間に電話のベルを3回鳴って切れたら大丈夫という方法をとっている知人もいましたがいろんな方法があるなと感じました。

「草間」雰囲気は分かっていただけましたでしょうか。

M.岡崎大学懇話会で大学から何がご提供できるのか漠然としていました。
 私の大学は短期大学で女子が多い訳で、幼児教育が中心で福祉関係の教員も多く、ビジネス系は他より弱いと思います。
 今までの話で卒業の研究で子供用のソフトを学生が作っていく場合に中には面白いものもあって時にはいいアイデアもあるようです。
 どこかでお披露目するチャンスがないかと思っています。情報フェアなどで市民の方に紹介できると良いとも思います。
 また、私どもは毎年二回学生をアメリカなどの幼稚園とか老人の施設へ実習に連れて行くのですが、例えばアメリカの老人の暮らし方は日本と随分違う気がして文化的なギャップを感じて帰って参ります。そうしたギャップをまとめてもう少しご活用できるチャンスがあればとも思います。
 また、アメリカでは高齢者だけの街を作って病院や教会やショップもそのエリアの中にあるようなところもありますが、暮らし方の一つとして学校側が知っていることやノウハウをご紹介したりできればとお話を聞きながら考えておりました。

「草間」いながらネットの基本コンセプトを作るときにまた外国のお話も教えていただければと思います。

M.事務局サイドとして先生方とは大学を見る目が違うと思いますが、大学でも最近補助金を有効に使いなさいというのが文部省・通産省・科学技術庁の色んな研修会で言われます。
 産学共同だとか新規事業研究については二年ほど前から国が補助金を付けることになっていまして、私学では一般助成はどんどん削られてきていますが特別補助の方で経費が上乗せされてきています。
 大学も老舗の大学はありとあらゆることが出来ますが、私どものような新しい大学は規制が多くて助成が付けられない面や学生数が少ないことで思い切ったことが出来ない。そうしますと基本的に自助努力として教授の知恵を事務局サイドがどのように還元しながら利益を得るかが大学側の本音です。
 しかし現実には大学の知恵と企業の行動力によっていい事業につなげることはなかなか難しい、セミナーとしてお話をさせていただくことしか出来ないという気がします。先生には各自いろんな考えがあって事務局サイドとかけ離れた部分もあってこの部分が大学と企業がかけ離れている部分だと思います。
 また、学生サービスを考える上で、学内にいろんなお店に入っていただいておりますが大学はいつでも解放しておりますので是非事務局にお越しいただければご案内いたしますので企業の方もご遠慮なく足を運んでいただければと思います。

「草間」大学も給料を減らすことは出来ないので研究費を減らされる訳ですが、減った分を何でまかなうかは産学協調をやりなさいというように変わって参りました。
 国立大学も独立採算になりますのでお金儲けの出来る先生でないと勤まらないという欧米式になってくると思います。

M.当社は全国的に家具・インテリアを販売している会社ですが、世の中の流れで環境にやさしい、人にやさしいテーマでニーズが求められている時代です。
 また老人にやさしい家具なども求められていまして北欧から商品を取ったり販売していますが、社内でも開発の部門で研究していますが、どうしても企業の人間ではコストなど固定概念があって発想そのものが決まりきったものになりがちです。
 先程から先生のお話をきいていますと、今時の学生はユニークな発想を持っているようですので、例えば学生が考える老人にやさしい椅子とかテーブルを考えてもらう。
 他社の場合でも大学の先生や学生のアイデアを参考にして一つの事業に結び付けるような気楽に話せる機会があるといいと思います。当社でも環境とか人間工学の専門の分野でどこの先生にどのように聞いたらいいかは分かっていません。今後岡崎の地域の中で出来たらいいなと考えています。以上です。

M.私の大学には産業デザイン科がございます。卒業研究をご覧いただくといいと思います。私も審査に出ましたがなかなか面白い物もありますのでまたご案内いたします。

「草間」次、お願いします。

M.私どもの会社は第3セクターで市が半分、後は商工会議所や市内の企業が半分の出資をしていただき、主に教育事業とシステムの開発と運用管理で、教育事業はパソコン講座等で市民の方にご利用いただき、システム開発等は市役所の仕事が大部分を占めています。
 それから、一人暮しの確認についてのお話が出ていましたが、私も前は水道関係にいまして、確認には水道が一番いいように思います。
 水道は出っ放しや使用されない場合が異常発生のケースで、水道に電子メーターを付けて電話ケーブルやCATVにつないで監視できる方法を取ることができます。
 いながらネットで研究されるのであれば参考にしてもらえると思います。また、電気とガスと水道の3つで確認できるシステムにして、各社から定期検針の手数料をもらうことも考えられると思います。

「草間」ファイナルセミナーは御社で実施させていただきますのでよろしくお願いいたします。今後のミーティングなどでも使わせていただくこともあるかと思いますのでよろしくお願いいたします。最後に常務理事に閉会のあいさつをお願いいたします。
「板倉」本日は長時間ありがとうございました。今日は岡崎大学懇話会と新事業創出研究会の合同ということで大変いいお話をお聞きして、お世話をしておりますいろんな外郭団体の活動にも活かしていきたいと思います。今日はありがとうございました。
「草間」これで終わります。来年度もよろしくお願い申しあげます。

                                        以上






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