第12回会議 会議録





平成10年度第12回新事業創出研究会

開催日時:平成11年1月27日(水) 14:00〜15:50 於 岡崎商工会議所402会議室
出席者 :16人。
コーディネーター:草間晴幸 大阪大学大学院助教授
   同    :服部良男 岡崎商工会議所情報化委員会委員長
  内容:以下の通り。

最初に事務局より今後の予定説明
・第13回新事業創出研究会は2月10日(水)午後2時から4時まで、『WG活動経過報告』と『来年度補助事業申請』について開催。
・第14回新事業創出研究会は2月18日(木)午後2時から3時30分まで、『岡崎大学懇話会との合同協議会=今後の産学協調活動の展開』について開催。
・コーディネート活動支援事業のファイナルセミナーとして2月24日(水)午後3時から6時まで岡崎市情報ネットワークセンターにて『日米欧の地域活性化事例紹介』と題して講演会を開催。

「草間コーディネーター開会あいさつ」
 皆さんこんにちは、ご案内とは少々変わりますが本日の内容はまず、いながらネットの活動経過報告をしていただきます。また、今年度の最終報告書には、宅配システム「いながらネット」とVVCフロンティアの拡充整備、VVCを運用した通信制スクールシステムの構築の3点について書くつもりでおります。資料の中にそれぞれのプロジェクトを担当される方のお名前をのさせていただきましたが、各自でチェックしてご意見をいただければと思います。

 その後服部さんからVVCフロンティアの拡充整備についてお話しいただきます。これは知的資産のデータベースや岡崎の商業地区の地図情報をフロンティアに掲載していく進捗状況をご説明いただきます。
 3番目は私から提案させていただいたVVCを運用した通信制スクールシステムの構築については、関係者の方と密接にコンタクトが取れていませんので今日は余りお話しすることがございません。
 では、「いながらネット」についてお話ししていただきます。よろしくお願いいたします。

1.神谷WG「いながらネット」活動経過報告
「神谷」神谷です。進捗状況など説明いたします。その前に私どものメンバーに先回から柴田先生がご協力いただけることになりましたのでお知らせします。
 現在まで詰めましたことについてイクスの大河原さんから説明してもらいます。

「大河原」大河原です。資料の中に各自正月に考えてきたものをまとめてありますが、私が提案させていただいたものを発表させていただきます。提案書を一通り読ませていただきます。
 最近は車を利用できる郊外型店舗や、駐車場の広い公共施設や病院が主流になっています。それぞれの施設や諸官庁の申請なども、営業時間が日中に限られる場合が多く見られます。

 高齢者や福祉者、車に乗れない市民、共稼ぎせたい、帰宅の遅い単身者は交通手段や営業時間などに結構不便を感じています。また、市の地域広報や情報提供などは不在があり連絡不十分な地域もあります。40、50代の世代も高齢化へと確実に進んできます。
 特に1人老人世帯は生存確認すら必要な時代が到来します。福祉の面では岡崎市は少なくとも進んでいる状況下では無いと思います。

 提案内容は高齢者世帯や1人高齢世帯、介護必要者、交通不便地域世帯や帰宅の遅い世帯などを会費制会員として募集、MICSやFM岡崎、田園マルティメディアなど各メディアを利用して、諸官庁、岡崎市、病院、事業組合、民間企業の生活密着情報(諸官庁や岡崎市、岡崎市共済会などの広報や回覧、サービス、第3セクター、事業組合などの生産品斡旋品等)を募集し、情報提供をします。

 中央管理センターにてNTTなどを含めた通信メディアにて申し込みを受け付け、配送センターで一括処理、現在の町内会程度の地域端末及び配送センターを構築します。(出来れば地域在住のボランティアも出来るグループが良い)情報と品物の供給をします。
 あらゆる情報と商品を24時間、会員の都合の良い時間帯にサービスを提供いたします。これを動く地域コンビニサービスとでも呼びましょうか。
 特に病院で治療を受けた後の処方箋薬を帰宅後届けるサービス、また必要な会員には在宅介護、在宅生存確認など福祉活動の一役も請け負います。

 将来的には、新聞、牛乳等毎日の配達業務も会員の都合の良い在宅時にサービスできるシステムです。 また、商店街、石製品など名産品、同業者等の事業団体の情報提供にも活用でき、商店街で買い物をした方の重たい荷物は帰宅後に届けるシステムです。
 学校関係行事予定や、教育支援活動の情報提供などエリアは広がるのではないでしょうか。
 問題点としては草間先生から指摘もございましたが、運送業法や薬事法にひっかかるのかどうか分かりませんが、色んな問題が出てくると思います。むしろ規制があるからこそ、今取り組めばビジネスとして他に先駆けて立ち上げられると思います。モデル的な事業として許してくれる部分も若干あるのではと期待もしております。

 在宅看護などはどこまで許されるものかどうかなど、追々詰めていかなければいけません。また、各家庭に入り込んでいくことについては、なるべく高齢者を使っていきたい。再就職も難しい時代なので、高齢者にその地域の中で会社を起こし生きがいを中心に考えてもらい、地域に貢献してもらうことができると思います。活動してくると情報が漏れることを防ぐことも必要です。
 中央センター、配送センターなどの整備、システムの構築などかなり資金も必要かと思います。採算はすぐには取れないでしょう。テレビ電話などは、コストの安い物が出来れば福祉に使うということで市が無料で配っていただき、MICSの回線も無料で配るようなこともしていただければということをすれば、市も福祉行政を強化できると思います。

 お年寄りが使うとすればテレビ電話のボタンを押すとすぐにつながって、係の女性が「おばあちゃん元気」と声をかけて雑談しながら注文などを聞いて、あとは馴染みの係の人が都合の良い時間に届けるというシステムが必要でしょう。
 これが本当に動くと、現在の宅配便に頼むよりコストが安くなる訳で、在宅の確認をしながら届けることができるし、もっと言えば集金業務なども可能となるでしょう。
 いながらコンビニをやっていただく人がどこの老人がどういう状況か把握できて何でも話しが出来るような状況にならないと成功しないと思います。夢物語のようでもありますが、やったら面白いのではということで提案させていただきました。

 実際に進めればある程度調査の費用が必要になりますし、ある地域で試験的にMICSとかNTTとかの回線を無料で使わせていただいて、試してみたいという気もします。そうすると、次のステップへ進めるのかなと思います。以上です。神谷さんから補足してもらいます。

「神谷」先回から柴田先生が加わっていただいておりますが、受益者として何がうれしいですかというお話しをうかがったのですが、一言、「気にしてくれる人間がいること」ということでした。
 いきなり大きなシステムは出来ませんので試験的にやっていこうと考えています。資料の中に学区別・年齢別の人口の表をのせてありますが、梅園、根石、三島、連尺、広幡、井田のあたりが65歳以上の人口が多い訳です。これは、康生を中心とした商店街の周りです。このあたりのどこかで始めようかという話をしております。

 取扱い品目ですが、最後のページに資料がございますが、平成8年の消費者購買動向によるとどこで買い物をするかについて、ほとんどの品目で大型店というのがトップを占めているのですが、日常食料品や、電気製品はスーパーマーケットや一般商店での買い物が多くなっています。
 つまり、構えて買うものは大型店で、普段は近所のスーパーでいいよという事だと思います。この部分が我々がサポートできる部分だと思います。最初は日常品を扱っていこうと思っています。
 協力業者は商工会議所に協力を仰いである程度のプレゼンテーションをすれば集まるのではないかと考えています。今のところ限定はしていません。メーカーが直に協力してくれれば商品が安く物も入ります。 先程配達要員のところでシルバー人材の活用ということを申しましたが、サポートする側にも高齢者を活用していこうかと考えています。

 とりあえず必要な経費として場所を選定したあとのマーケティング調査、最低限電話を受けるコンピュータシステムが必要となります。
「草間」コンピュータが無くても、電話とファックスとEメールが出来るハードはもう売っていますね。それがあれば出来るでしょう。
「杉浦」具体的にはCTIの技術を利用して電話がかかってきた時点で誰からかかってきたのか認識できるシステムが必要です。すでに住宅地図と電話番号を結び付けるソフトや電話番号と住所録・販売管理を結び付けるソフトがありますので、過去の利用状況などが分かるようにして優しい対応ができるシステムにしたいと考えています。こうしたシステムを融合化させたソフトづくりをして、市外の人にも販売していければとも考えています。

「神谷」この事業を進めていくことは空き店舗対策事業とジョイントしてしまうことになると感じています。空き店舗を本部としてお借りしたり、配達センターに活用もできる。商店街の方たちはこのシステムに商品を卸してくれさえすればいいのですから、距離的に近いことは大きなメリットだと思います。
 最後に実際に買い物に行ったりする時間の節約により、元気な高齢者の方の趣味やサークルなどの情報をのせていくことなどによって新たな展開も考えられ、夢の膨らむシステムのように思います。1日でも早くテストでいいから始めたいと考えています。
「草間」この提案書を拝見して問題となるのは組織をどうするかということです。多分来年1年は空き店舗対策事業のお店を借りることはできると思うので、この事業の補助金で実験プロジェクトを組んでやってみるというのが望ましいと思います。
 そこで、組織を株式会社にするのかNPOにするのかですが、私が思うにはNPOがいいように思いますが、柴田先生のレジュメにもNPOのことが書いてありましたので後でお話しがあると思います。ここまででご質問がございましたらお願いします。
 よろしいでしょうか。では柴田先生お願いします。

「柴田」資料の説明だけします。神谷さんから依頼があってアイデアをまとめて出したのがプリントです。私の立場は少し複雑でして、1つは受益者としての立場、2番目はVVCフロンティアのメンバーとしての立場、あとは先回神谷さんが発表されたことに対するコメントを書いてあります。
 いながらネットの提案書の中で興味があって参加したいのは、まず高齢者に対応できる地域活性化システムで、私の悩みでもあって、場合によっては私もそこで老後のビジネスというか小遣い稼ぎ位したいなと思っています。神谷さんの提案は非常に高邁で全体システムの構築を考えていること、社会システム自身の変革を意図していることに興味がございました。具体的には、町内会に変わるもの、MICSも活用したいと思います。

 2番目は、個人的な趣味としてVVCフロンティアの7つの提案のうちの1、5、7番目に興味があると申し出ております。
 3番目はいながらネットについて特に共鳴した点は、先程も申しましたが社会システム自身の改革がビジョンになっている点で、言い方を変えるとこの集まりに参加して一番面白かったのはダグヘントン氏の講演の時にスマートバレーとかシリコンバレーもいいけれども日本と社会が全然違うということ、社会システムを変えない限り成功しないだろうという話がありました。それとつながるだろうということです。
 4番目は学者として大学の教員として何か新しいソフトインフラストラクチャーとでも言いましょうか、人間システムのインフラが必要ではないかということが私の研究テーマになっていますので、そのことを書いたつもりです。ユースウェアと言うべきものかも知れません。
 5番目は県内でもたくさんこうした動きがありまして、私が参加しているのは県の高度情報化推進室が科学技術交流財団で似たようなことをやっています。ここでやっている成果も使った方が良いのではと思います。
 6番目は草間先生が指摘されたNPOで、私のもう一つの顔はコーディネーションを幅広くやっていこうとするグループに所属していてその資料も入れてございます。パートナーシップサポートセンターというのが去年の7月に発足いたしました。
 いわゆるNPOで、県内でNPOの申請を最初に行った4件のうちの1件です。この一員として岡崎近辺の企業とNPOのパートナーシップを推進するケーススタディーをやろうとしています。資料1に書いてありますが、1月21日に名古屋で講習会をやりまして、中に出てくるのは岡崎や西三河のことで皆さんの名前も出ていたらご容赦いただきたいと思います。ここで勉強してユースウェアを販売していきたいと考えています。以上です。

「草間」NPOのことが出てきましたがファイナルセミナーの講師になぜこの3人を選んだかと申しますと、ノッティンガム大学のシニアレクチャーの崔さんは、元々機械工学のご出身なので柴田先生と同じです。ところが4年前にMBA、経済学修士号をとられた私の同期生ですが23歳までは日本にいまして、その後アメリカとイギリスに居るのですが、イギリスはNPOの先進国なのです。イギリスの事情を話していただこうと思っております。

 川崎先生は大学を出られて10年間ジェトロの職員としてストックホルムに住んでおられまして、10年前に日本に戻って大学の先生をされています。NPOなど地域活性化が盛んなフィンランドのオール市やスウェーデンのことも研究されております。
 日本ではすぐシリコンバレーを例にして地域活性化をやろうとしている訳ですが、私はアメリカは力で物事をぐいぐいと進めていく面があって日本と随分文化が違うと思うのですが、ヨーロッパは今ある状況をうまくゆっくりと使ってその地域にマッチした発展の仕方をするということです。
 あまり知られていませんがシリコンバレーに匹敵するような街づくりのシステムがあるように思います。是非お話しをお聞きしたくお呼びする予定です。

 ちょうど柴田先生も7日から23日までアメリカへ出掛けられてシリコンバレーの現況も調査されてみえますので、NPOと地域活性化もからめて3人の方にお話しいただこうと考えています。

 さて、いながらネットをやっていくにはどういう体制でやっていくのかがまずクリアしなければならない問題です。初年度は実験事業としてやっていっても良いのですが、それ以降どうしていくかを1年終わってから考えるのでなく、やりながら考えていかなければなりません。
 狙うところは、私も服部さんも非常にいいアイデアだと思っていますので、是非進めていって欲しいと思います。センターを一時的に借りることと、来年度1年間の実験事業は多分出来ると思いますので、そのシナリオと1年後のシナリオを考えていかねければという気がします。

「柴田」今回出掛けるのはシリコンバレーの南、モントレーで、私の属する大学とモントレーの大学が提携していますので、そこでボランティアとか大学間の協力体制づくりの研究のために参ります。スマートバレーも今大きく変化しつつあって新しいNPO活動が動き始めているようなのでその調査もしてこようと思っています。

「大河原」事業としてやっていく気があるのかどうかを確かめなくてはいけません。どこかおこぼれがあって儲からないかと思っているようでは成功しません。本当にやる気のある人が、極論すれば自分の会社をつぶしてでもやっていこうという位でないと事業としては成功しないでしょう。
 また必ず利益がころがってくるシステムを作らなければ協力は得られないでしょう。いつまでもボランティアでは成功もしないし、意見も出ないでしょう。
 誰もおれがやろうとする人はいません。成功したら協力しようという方ばかりでは進みません。そのあたりをもう少し詰めて、腹を決める必要があると思います。

「草間」リーダーシップを取る人、マネジメントをする人が新事業を起こす時には必要だという話を12月末にしましたが、社長は誰でも良いのですが、センターを実質的に引っ張っていく人がいないと進みません。
 センターに常に詰めてやっていけるかどうかは来年度の実験事業で試してみることが出来るでしょう。ですから実験事業のプランをしっかり作っていただき、新事業としてやっていけるかどうかの判定の目安を作っておくことが必要だと思います。

 2月5日にコーディネート事業のサミットが東京でございまして、その時に来年度事業はどうするのかという話が出てくると思います。その時の状況を次回にお話ししますのでそれまでに、実験事業のプランニングを作っておいていただければと思います。
M.このいながらネットを進めていくにはとりあえずお金がいる。それがどこから出るのかというところで止まっているのではないかと思うのですが。商工会議所の事業となるのか、もしくは3、4社が集まって進めてしまって良いのかをきちんとしてもらわないというのが本音だと思うのですがいかがでしょうか。ここで何社かがお金を出すよという具体的なところがはっきりしないと止まってしまうと思うのですが。

「草間」少し誤解があるようですが、やりたいという人がいてお金が無い場合にまず、補助金で実験事業をやりましょうというのが本事業です。自分達で資金もあって時間もあるのであれば何もここで検討する必要は無いのです。
「神谷」我々としてはすぐにでも動きたいと思っているのですが、動き出すにはいきなり大きな資金と暇代が必要になってしまうのでどうするんだということで止まってしまっているのです。
「草間」先程言いましたように、1年間の実験事業のプランニングと、その後のプランニングを作ってくださいと申しあげているのです。
「神谷」実験事業にはどのくらいの補助金が出るのでしょうか。
「草間」1千万円位だと思います。細かい数字は2月5日に出てくると思いますが。来年度の実験事業にいながらネットを中心において欲しいということであれば次回までにどういう問題があって、場所や費用の問題などもさらに詳細に検討していただいきたいと思います。他にご質問があればお願いいたします。
 では服部さんからVVCフロンティアの拡充整備について、空き店舗事業とか知的資産データベースづくりも含めて経過などをご説明いただきたいと思います。

「服部」岡崎のDB構築というキーテーマで進んで参りました。ある意味ではいながらネットもDB構築です。この新事業創出やMSVN、21世紀を創る会、岡崎商工会議所のDB構築など、複雑にVVCと絡み合っております。
 VVCフロンティアは作って以来リアルな世界ではほとんど活動していないファジーな会社ですが、実際にはすべての部分に関わっている状況です。
 現在空き店舗対策事業で3,300万円の補助金により、3月まで五つのおもしろ館を運営していますが、そのなかのキーワードは情報化ということでつながっております。3号館は情報館として草間先生が館長で、私が館長代行となっておりますが、狙いはあれを中心にして商店街や商工会議所のDB構築をしようとするものでした。

 商店街のDBとさらにマッピングまで補助事業でやろうと考えておりまして、今商店街のDBづくりをしておりまして、さらに商工会議所の4300強の会員のDBを構築しようとしております。少なくても商店街の200強のデータをデジタル化することにしております。
 VVCフロンティアは今後岡崎で行われるいろんな新規事業、活性化事業の基本となるDBの構築に対する、ハードやシステムをここで事業にしていきたいというコンセプトでやっています。
 現在、これらを3月までに作り上げる事と、岡崎商工会議所が県内の21商工会議所の幹事として補助金で情報化の色んなことをやっており、VVCフロンティアでお手伝いしています。
 もう1つ、大きなプロジェクトは、実は通産省が第3次補正の補助金でいろんなDBをシームレスでつなぐようなプラットフォームを作ってそれにマッピングを付けたようなものの実証実験をやりたいとしておりまして、岡崎がそれに名乗りをあげております。

 さて、VVCフロンティアの拡充整備とは、地域の活性化のために単なるウェブサーバーとしてではなく、基本的な物をここで作り上げていくことを考えております。非常に漠然とした話で先程も補助金が先か事業が先で補助金が後かというお話しがございましたが、VVCフロンティアはとにかく補助金無しで数百万年を集めてスタートしました。
 やってみて分かったことは、補助金は誰かがやってみて実績をあげて初めて付くもので、ぺーパー上では決して付かないということです。田園マルティメディアやMICSの通信事業にどういう付加価値を付けていくかという問題も起きています。
 フロンティアそのものの活動よりも、その活動を支えていくような民間と行政をつなげられるような基本的なソフトとハードのインフラを作られていくことによって活性化して、それを使って産学官が色んなプロジェクトを入れ込んでいけるようなものにしていきたいと考えている訳です。

 その中にDBというキーワードでいきますと、大学の学生のDB、先生のDBをどう入れていくか、また色々切り口はありますが最後に、例えば介護や介護保険の問題について行政にある情報、民間の病院の中にある情報をどうインテグレートするか。
 さらにNTTや沖電気などと話しているのは、今までの既存のデジタル電話とのインテグレートをどうやっていくかなど、ただインターネット・コンピュータだけでは難しいと思います。そういうものをVVCフロンティアの中でビジネス化する。ビジネス化とはそうしたインフラを使ってビジネスを立ち上げてもらうべき基本的なビジネスということで、ここには岡崎市や第3セクター、大学も含めていきたい。
 そのためにNPO法人に適合するNPOを作り上げていきたい。いろんな形が考えられますが、我々がそうしたものを作ったら箱物はどうするのかという話も投げかけております。

 以上がVVCフロンティアの拡充整備ということですが、最近分かったことは何かやっていないと補助金は付かない、やった実績に補助金が付けるというのが国の考え方で、プランがあるだけでは補助金は出ないということが先程の論点の答えとなるという気がします。
 それからMSVNの掲示板に各種補助金情報が載せてありますが、特にこうしたDBづくりの補助金は取り易い部分があるのでいくらでもあるような気がします。通産省だけでなく、切り口を変えれば厚生省の補助金にも関係してくるかもしれません。
 もう少し勉強してそうしたものに合うように捜していくのがコーディネーターの大きな仕事になってくる。さらに取るためにはどのような計画を書いて、どういったプラン、仕組みにするかがコーディネーター活動支援事業のポイントになると思います。以上です。

「草間」補足いたしますとVVCフロンティアは3年前に12社の方に出資していただいて動き始めました。当然何百万円では何年も維持していけませんので、昨年度は21世紀を創る会岡崎から補助金をいただきまして、本年度はコーディネート活動支援事業からサーバー維持費、DB構築について補助金を充てていただきました。
 DBは、ホームページで例えば商店街の地図を作るとすると、ある商店をクリックするとその商店のホームページにリンクで飛ぶ訳ですが、それをDB化すると検索の時間等が速くなるのでその技術を作りたいと申した訳です。

 せっかくVVCフロンティアの拡充整備のところで地図情報はきちんとやっているのでさらにその面を発展させていきたいと来年度の実験事業としたいと中部通産局にも申し出ています。それに、いながらネットをメインに置いて実験事業をするということでうまりリンクさせて計画書を作るつもりです。
 NTTがらみの事業もソフト開発をすべて全部任せてしまうと地域活性化につながらないので、少なくともプロトタイプについて今後は大学懇話会や岡崎の企業と大学がくっついてやっていきますという形にしたいと考えています。

 ところで3月1日に中部通産局が音頭を取ってコーディネートフォーラムが名古屋でございます。その時にパネルディスカッションがありまして、中部で選ばれた3件のコーディネーターが参加します。その時に岡崎商工会議所を中心とするグループではこの3つの新事業を考えていて、参加企業はこれですと発表しなくてはいけないので、確認のためそのメンバーを資料でお示しいたしました。

 NPOの話につきましては、要するに地方自治体の事業の発注は通常価格が決まっているのですが、これだけ財政がひっ迫してきますと今までの価格ではやっていけないのでNPOを活用して依託すればもっと安い事業経費で出来るだろうというのがNPO法の出来た流れだという気がします。
 ですから、今までのビジネス形態と違った形で新事業を育てていこうというやり方がNPOだと言えるのです。来年度は実験事業としていながらネットを進めていくのはいいのですが、次年度以降どうするかを考えると、NPOがいいのか法人でいくのか考えなくてはいけませんという話です。
 特に介護保険や老人医療などの問題になった場合、必ずプロジェクトを出してくるのが地方自治体になるのでNPOの方が委託され易いと言えるだろうと思います。

「服部」国は今回NPO法人ならば補助金を降ろすと言っているのです。所管は経済企画庁で、窓口は愛知県ですが地方行政は国が認めた法人格を認めない訳にはいかない。日本のこれまでの市民活動には無かったものです。
 今後我々が産学官というものをNPO法人を使って各企業・大学・行政をつなげていくか、グレーなエリアで誰も分かっていないだけに面白いことだと思っています。

「草間」2月5日のコーディネートサミットの議題は「コーディネート活動を今後ビジネスとしていくには今後どうしたらよいか」と、なっていまして、通産省もそうした方向に向かっていきたいとしているようです。

「事務局」岡崎大学懇話会の研究者のDBづくりは、すべての大学に依頼してご了承いただきました。今現在、先生方のプロフィールなどを送っていただいております。まとまって参りましたらまたご相談させていただきます。
 それから、就職のための学生のDBはいろんな情報が欲しくて企業とやりとりしたい学生は、インターネット上で意思表示してくださいという仕掛けをしています。ほぼ500名ほどがエントリーしてきていますが、すべてがメールアドレスを持っている訳では無いようです。
 例えば愛知大学では希望する学生すべてに学籍番号などでアドレスを振り分けていますので、現実にいくつかの大学でメールアドレスを持つようになってきています。

 今年は余り増えないかもしれませんが、多分来年度は千を超す学生がアクセスしてくると思われます。企業側がどういう課題をもっているかのアンケートは調査表送付の段階になっておりますので、届きましたらご協力いただきますようお願いいたします。

「草間」今日はこれで終了といたします。本日はどうもありがとうございました。
◎第13回新事業創出研究会は2月10日(水)午後2時より岡崎商工会議所で開催する。

                                       (以上)






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