第11回会議 会議録





平成10年度第11回新事業創出研究会・三河スマートバレーネットワーク合同例会

開催日時:平成11年1月13日(水) 14:00〜16:00 於 岡崎商工会議所401会議室
出席者 :24人。
コーディネーター:草間晴幸 大阪大学大学院助教授
   同    :服部良男 岡崎商工会議所情報化委員会委員長

  内容:以下の通り。

「草間コーディネーター開会あいさつ」
 本日は、新事業創出研究会と三河スマートバレーネットワークの合同例会として、「スクールズオンラインジャパン」プロジェクトの内容について榊原さんにご講演をいただきます。さっそくですが榊原さん、よろしくお願い申しあげます。

「スクールズオンライン・ジャパン」プロジェクトの内容について
 潟<fィアフュージョン 代表取締役
 鞄s市づくり研究所   主席研究員   榊原  淳 氏

 メディアフュージョンの榊原です、よろしくお願いします。私は、榊原という名前がしめすように半田出身です。大学のときから大阪に行っていまして、今兵庫県に住んでいますけれど、三菱重工におりまして3年間ほど構造物を設計しておりました。
 その後転職しまして住友信託銀行でシンクタンクの創設メンバーに入りまして、7年間土地信託、工場再開発関係のことをしておりました。

 情報の話が世の中に出てきまして情報化と街づくりをテーマに取り組んでいるうちに地震がおきまして、その直後独立を決意しましてメディアフュージョンという会社をその年の夏につくりました。
 もう1つの都市づくり研究所はオーナーが別なんですけれどコンサルティング業務は研究所に入って勉強しながら情報技術というベンチャー企業をたちあげました。今日ご紹介する「スクールズオンライン」というのは子供たちのインターネット環境を整備するというNPO事業です。もともとわたしが住信基礎研究所時代からかなりボランティア活動をしていましてその中で自分の会社を持ちながらもできるという手法、人とめぐりあって進めているものです。

 スクールズオンラインの概要を説明させていただきます。
 スクールズオンラインというのはアメリカで行われているプロジェクトで去年まではプロジェクトリードという名前でした。
 ターゲットはプアーな学校ということでネイティブアメリカン、教会等の宗教的な学校、アメリカは格差が大きいのでインターネットが入っていないところがたくさんあります。
 こういったところにカムラン・エラフィアンという大金持ちがインターネット機器を寄付することを始めました。現在昨年までに2600ヶ所、目標400ヶ所になっていましたのでどんどん整備していると思います。

 昨年夏にアメリカで国際会議がありましてワールドワイドプロジェクトが始まって50カ国に同じようなことをやっていこうということになった。わたしが、日本事務局をカムラン・エラフィアンという人と知り合ってやることになった。
 今回この機会を設けていただいた目的は関西でやっていますけれど全国展開をしたいということで地域に受入態勢がでいないといけませんのでぜひお考えをいただきたいということです。

 なぜこんなことをビジネスとしてきびしい経済環境の中でNPO事業をやっているかということをご説明します。

 その前にメディアフュージョンという会社は何をやっているか説明します。私どもの業務は、行政向けのコンサルティングは都市づくり研究所でしていますので、それ以外のSI的なもの、情報通信システムを使って具体的なシステムをつくるとかというところをしています。
 まず、情報通信に関わる企画・調査及び事業化支援、システムの開発と運営、マルチメディア制作、実際に事業を動かすところに取り組んでいます。現在15名になりまして最初は3名で、今年4期目に入りまして規模は5倍になりましたけれど売上はなっていません。

 私どもが得意としている分野、大規模な検索システムということでインターネットの大規模高速検索システム(オブジェクト指向データベース)をつくっています。
 その中に人工知能等を利用したリコメンデーションシステムを名古屋商工会議所と一緒にやっている技術なんですけれど「ひょうごインターキャンパス」という検索システムを一昨年企画コンペで勝って、昨年プレイ版をリリースしています。

 文部省主催の生涯学習フェスティバルというのがあるのですがそこでお披露目をした。3D仮想空間ということでバーチャルキッズパークという仮想空間のプロジェクトをしています。これは病院にパソコンを置いて外の子供たちと仮想空間を使いコミュニケーションをするというものです。

 これは通産省のお金をいただいて始めたものですが、このあたりからNPO事業にはいりいこんできた。行政にもできない民間にもできない中間をどこからかスポンサーを見つけてきてやる、通産省、民間から寄付をいただいて私たちは新しい技術とか教育とかノウハウをNPO事業をやりながら蓄えていくことをしています。

 新作のビデオを紹介します。
 「ネバーランド」という新作なんですけれどピターパンです。ピーターパンは子供と深い関係がありまして日本ではピーターパン基金がありまして、病気を持っている子供たちを支援していくということで作られていて、毎年クリスマスにピーターパンメールを贈る活動を世界的にしている。

 私たちはこういう活動をしていましたのでピーターパン使うことをすすめられまして新作をつくっています。スポンサーがなかなかつかないものですからMMCAという予算がついたもので最終審査に残ったものでまだ発表になっていない。600件応募があって10件ぐらいの中に残ったものです。
 仮想空間の中で子供たちが外の世界と会話をしていくというものです。チャットというもので会話をしていく。このソフトはチャリティーでやるのでなくて販売してそこから上がる収益をピーターパン基金に還元していくことを考えている。ピターパンのキャラクタービジネスでしてそれを展開していく。

 ここから本題になるのですがスクールズオンラインはこのような活動をしていく中で、私がアメリカに行ったときに、スターズライトという活動がありました。
 小児病棟に対して仮想空間をつくって子どもたちの手術前の心を落ち着かせるという大きなプロジェクトで代表がスピルバーグです。
 そこに行ったときシリコンバレーのハリー・サールというシリコンバレーインクの初代の代表の方とセッティングしていただいてお話をしていく中で何か手伝ってあげようということで紹介していただいたのが三菱商事の湯川さんという方で第二電電を立ち上げた方です。

 その方にこういうことをもっと大きくやりたいということを伝えた中でカムラン・エラフィアンを紹介された。カムラン・エラフィアンはビデオのチップ、ゲーム機、テレビにも入っているんですが、それを作って大当たりをした人です。それまで3回会社をつぶしているんですが4回目に当たりまして、株式を公開しましてキャピタルゲインがはいってNPO的なことを始めた。

 その方とお友達になって1年間かけて日本にプロジェクトを持ち込んだ。なぜ1年間かかったかというと受け入れ体制をつくるのにかかった。
 なにかと言うとアメリカと大きく違うことはISP、プロバイダーの料金が非常に高いのでこれをなんとか支援していただけるかたちにしたいということで時間がかかった。しょっちゅう日本にくる方なので会っていろんなところに話を進めていって結果大阪メディアポートに全面協力をいただけることになってスタートできた。

 スクールズオンラインですが世界中の英語を話せる子供はインターネットでコミュニケーションをはかってきた。今の日本では、インターネットの環境が整備されていないので世界に触れる環境と言うものをまず整備していかなければならない。
 インターネット環境を整備することが目標ではありません。世界とコミュニケーションのとれる環境を整えようと考えています。スクールズオンライン・ジャパンの大きな目的になっています。
 スクールズオンラインそのものは機会均等、平等といっていますが日本では英語の能力が足りないのが大きな問題になっています。こういうところまで視野に入れた目的を考えています。

 スクールズオンラインですけれどアメリカにスクールズオンラインインクというNPO法人となっていますが、日本支部と位置付けられています。
 スクールズオンラインインクはカムラン・エラフィアンがメインスポンサーになるわけですがシリコンバレーの有名な企業がたくさん入っています。
 ジャパンの目的は日本の子どもたちのインターネットを通じた国際教育・情報教育環境の創生。日本の子どもたちのインターネットを通じた平等な教育機会の構築への寄与です。
 早くこういう環境をつくって世界に目を向けさせようということを目的としています。事業内容ですが、当面と考えていただいたほうがいいのですが、インターネット関連機器や回線の設置をおこないます。子どもたちの指導者への研修を無償で提供。

 インターネットサービスプロバイダーの協賛を得て、無償のインターネットアクセスサービスを提供。ボランティアによる子供向けイベント等を企画・運営。具体的にできていませんが世界中の子供を集めてイベントをおこなう。
 運営経費を確保するための受託事業、入りの方をきちんとしようと考えています。提供するものですが新聞に書かれますと機器のほうばかり強調されますが、1番のインセンティブになりますので、大型テレビ、28とか9インチになります。
 セットトップボックスというテレビにつけるインターネットアクセス機器です。
 インターネットアクセスサービス、地域のISPさんの協力がないとできませんが、最大2年間関西では無償提供します。

 なぜこういう形態をとるかというと1に複数の子供がコミュニケーションをとりながら画面を見て先生がナビゲーターになっていろんなところにアクセスしていくというシュチュエーションです。パソコンでは1人が1台せいぜい2、3人となりますであえてこういうかたちをとっている。
 2にコストが安い、これだと数がかせげる。多くの子供に機会を与えるためにこういうかたちをとっている。
 3にセットトップボックスは電源を入れたらすぐにたちあがります。むずかしくないので詳しい先生がいなくても操作できる。3つの理由があります。

 今回3校で始まるのですがセットトップボックスが間に合わないのでパソコンでやります。なぜ間に合わなかったかというと、だいたい家庭用なのでアナログ回線仕様です。
 今回大阪メディアポートさんは専用線を入れてくれるのでLAN仕様でないといけないので、まだ世の中にまだぜんぜんなくてパソコンでやるようにしました。
 パソコンはNECさんにお願いしまして9台ほど手にいれてきました。コンセプトとは違ってしまいました。次の30校では開発中ですのでそれを購入してやろうとしています。
 提供サービスですが、地域のプロバイダーさんがどういうサービスで行ってくれるかということですが関西ではこういうことをやっているということです。

 まず、IPセットアップサービスまずアドレスは16ぐらいあげよう。提供機器はセットトップボックス、テレビ、8ポートハブ、ケーブル100m、コネクターこれだけのものを学校の規模によって3つか2つ、施設によって分けて公募をかける。
 これが専用線サービスの場合です。専用線サービスは関西の場合すでに光ファイバーが来ているところを対象にしています。兵庫県の奥とか日本海側とかは専用線が来ていませんのでそういうところはダイアルアップサービスにします。

 スピードはここには書いてありませんが256で入れます。初回は3校だけ512でいれます。なぜスピードが下がったかと言うと大阪メディアポートに電話がかかってきてなぜただでやるのといってくる方がいる。
 大阪メディアポートでは、光ファイバーを引く事が通信事業のコストのほとんどなんです。容量は変わってもコストは同じですが、価格体系を分けていますので開きが余り大きいのを只でやると文句を言ってくる人がいるので256ぐらいにしておいてくださいということです。
 ダイアルアップサービスですがメールサービスとダイアルアップセットトップボックス、テレビ、TA、ルータです。大阪メディアポートがISDNを使っていますので利用します。

 基本的にはローカルなところと規模の小さいところです。これが具体的なところです。どうやって整備するかというと基本的にボランティアの参加による運営です。事務局は少しだけカムラン・エラフィアンに経費をもらっていますが、ほとんどボランティアです。
 どういう方法をとっているかというと事務局は弱小ですので地元のボランティアに設備とかノウハウとか提供するのが事務局の仕事です。地元にそういう体制がありますかというのを大前提にします。そこからリクエストをもらって提供する。

 姫路の場合3つのうち1つは地元との密接な関係がありまして授業もボランティアがやっている学校があります。そこに決めました。
 うまくいっていない例では学校側がボランティアを受け入れない場合があります。問題があったときどうなるんですか。遠くから来るボランティアは長続きしない、地元との交流が大切になってくる、PTAが主体になってください。PTAが中心になってケーブルを引いて、後の運営を中心になってやってくださいとお願いしています。

 2番目に自治体との協調が大切になってきまして、公共施設が多いものですから、民間企業がやっていますとすぐに疑いをかけられます。最初に病院に機器をいれた時もかなり審査を受けました。これも同じように必ずちゃちゃが入ります。
 いい例が、日経新聞に大きく取り上げられました。1月4日です、次の日の朝会社に警察が待っていた。イラン人なのでどういう思想を持っているんだとか1時間ぐらい事情聴取を受けた。こういういいことをしょうとすると必ず足をひっぱられる。

 行政側の受入体制をきちんとつくっておかなければいけない。事務局側の大きな仕事として地元行政との協調関係をつくるということをしています。コンサルタントをしていますので行政の仕組みも良く知っていますがコネクションもたくさんありますのでまずこれをやります。
 関西では、県の教育委員会でまず説明して、学校からリクエストがあったら認めてくださいということを時間をかけました。マスコミをたくさん使って情報を流します。
 これがスムーズに行われる形をとっています。行政や民間が行う子どもたちを対象としたプロジェクトとの連携。スクールズオンラインという看板を大切にして事業を進めてはいません。

 ここに来る前に豊橋の別の事業にも支援をする話をしてきましたが、必ずスクールズオンラインのステッカーを貼ってくださいということではありません。もし決まれば何セットかお渡ししてやってくださいというかたちになります。
 非常にフランクな運営をしています。トップダウンの文部省、郵政省は課題の多いプロジェクトですが、そのプロジェクトにこれを利用してもらうことも考えています。

 組織構成ですが、まだ定款もできていませんが私が代表を務めさせていただいてカムライ・エラフィアンと共同代表というかたちです。
 理事として高木さんという方、この方はテレビ会議をつかって海外の学校と英語教育を10年間していて、ボランティアでずっとやっている。海外ではたいへん有名な人です。
 SVJの伊東さん、顧問に大阪メディアポートの社長さんと三菱商事の方にはいっていただいています。協賛企業は機器と人的・ソフト的なものです。

 この中でI*EARNというのがありますがインターネットを使った教育の国際組織です。ここは毎年国際会議を開きます、50カ国参加していましてチャタヌガというところで行いました。
 アトランタの近くなんですが集まってくるところはスペイン語圏、ヨーロッパ、アフリカなどいろんなところから来られます。そこで先生がセッションをします。

 日本からの参加者は私と高木さんとお弟子さんの3人だけです。その中のセッションでアルゼンチンが英語の教育のツールを出してきました。国旗が30個ぐらい並んでいて国旗をクリックするとその国の状態が英語で出てくる教材です。その中に日本がない。
 どういうことかというとその後発の国に日本が相手にされていないということです。日本から発信する情報があまりに少ないということです。あと10年たったら世界中あらゆるところにインターネットはつながりますが、共通言語は英語しかないわけで世界中の国が英語の情報が出たら一瞬のうちに共有できる。

 日本は共有できないと言う問題がインターネットの普及の次に来ている。誰が押さえているかというと先生自体も英語のホームページを見せようとしませんし、子どもも見ようとしません。
 なぜ英語を学ぶのか子どもたちが良く分かっていない状態にあって、プロジェクトを進めていく段階で子どもが海外に目をむけて学びたいと言う事をネットワークを通じてしていきたい。
 この会議の時にアメリカの事務局から英語しか通らない機械が配られたんですが、日本では使えないから持って行かない。隣の中国の人は持っていくんですね、中国語が通らないけれど問題ないと言っている。中国のある分野ではかなり英語教育が進んでいる、そういう状況にある事が世界に出るとよくわかる。

 いい例なんですが、私たちがやってきたプロジェクトのなかで、小さな子どものいる病院にコンピュータを入れました。プレイルームにみんなが集まってなにかやっているんです。
 ゲームをダウンロードしているんです。誰かにホームページにある事を聞いて一生懸命やっているんです。子どもたちはモチベーションが高くなればそういう所に進んでくる能力をもっている。面白いものをちょっと紹介してイベントをやればすぐに英語のページにアクセスしてくることがわかります。

 そういう意味で私たちは、I*EARNという組織、スクールズオンラインという組織をうまく利用して国際的な動きにもっていこうとしている。
 スケジュールですがパイロットステージは今年の1月に3小学校に設置します。遅れていまして、只でやろうとすると問題解決に時間がかかって、1月末までにできます。

 セカンドステージが6月末までで30施設にいれます。アメリカの最終予算のOKがとれれば公募をします。関西の全域でします。セカンドステージ以降全国展開を目指します。サードステージが2001年の3月までに200施設を整備します。
 今のところプロバイダのついている関西だけですが、他の地域でできれば展開していきたい。愛知県に関していいますと、中部電力さんに話をもっていっています。CATV系のところに豊橋や今日は、岡崎で話をしています。他に岐阜や長野へ話をしています。

 今後の予定なんですけれど2001年まで整備をしまして2年間まで無償提供をします。2001年は、学校の整備が前倒しになります。公共がインターネットを学校に整備するまでの位置づけで考えています。それ以降はお金を払ってやっていただこうということです。
 それ以降私たちは、何をやっていくかというと主にコンテンツとか子ども主体のイベントをやっていく団体になります。整備する対象は、スクールなんですが立派に設備が入っているところは優先度は低いです。

 目標にしているのは小児医療施設、子ども病院の院内学級とかプレイルーム、児童館、不登校児の施設、養護学校、教護院、普段整備の対象に入らないところに優先していきたい。児童館はオープンでうまくいく。私はパソコンを寄付しましたがうまく利用されている。
 病院は受入態勢ができるかにかかっているが、子どもは大変喜びます。最後にビデオで紹介します。どういったことをそろえなければいけないかを紹介します。1番は地元のISPの整備です。ISPの協力をどこからかもってこなくてはいけない。窓口になってくれる人がいればスムーズに進みます。

 必要な設備はこちらで購入して提供しますので後はISPさんが大きな問題です。CATVさんがどれだけがんばってくれるところにかかってきます。地元の地域系通信会社、NTTさんは全国ですのでローカルな会社がいいです。

 大阪メディアポートを口説いた戦略は、早い回線をただで整備しておけば国の予算がついて整備する時にそのまま囲い込めますよです。郵政省さんが地域のプロバイダさんにボランティアを支援しなさいというFAXを流しているのでこれがきいている。これらが重なって社長さんがゴーを出した、NTTさんは全国サービス組織なので話をもっていきにくかった。

(ビデオを紹介)
 アメリカのスクールズオンラインプロジェクトの様子です。セットトップボックスと大型テレビ、ワイヤレスのキーボード、できることはこういう設定をしてウェブのブラウジングとメール、チャットなど、非常に色がきれいです。たぶんテレビ会議ができるようになります。
 まだ動いていませんがこういったことを国際組織の中でやっていこうということです。最後に、活動が地域にどういうふうに貢献していくかということを自分自身で位置づけている事があります。公共財政がひどい状況です。兵庫県の場合3分の2ということがあって、すぐにNPOを使おうと言う話がでてくるんです。

 NPOと行政と企業が協働というキーワードでこれからの地域作りは進んでいくべきで、役割分担がNPOしかできないことがたくさんありますので、行政とうまく連携すると言う事を政策の中で進めていく。例として教育分野に関してNPOと行政が協働して新しい教育スタイルを定着させようと思っています。
 大阪府で説明した時にこれからいろんなNPOがでてくる。どんなNPOがいいかわからない。これを行政としてどうやって判断したらいいか。手法としてNPO法人格をとってたらいいと言うようにNPO法人は使われるのかと思った。

 法人格はふつうのNPOには敷居が高いのでNPO事業を調査できる能力を持っていただきたい。これはベンチャーの支援も同じでお金をばらまいていてそれでうまいことをやっているやつもいるわけですからきちんと見分ける、物事のいい、悪いを見分ける力をもっていただき、うまくコーディネーションして事業を進める事が大きなキーワードでそういう人材を育てていかなければいけないと感じます。
 以上で紹介を終わります。

◆質疑応答
(服部)ありがとうございました。質疑をお願いします。

(草間)榊原さんとは大阪大学でのご縁がありました。今日は新事業創出研究会とMSVNの合同例会です。新事業創出研究会で2つ新事業の提案がでています。
 1つが宅配のネットワークで1つがバーチャルコーポレーションを利用した通信制スクールシステムの構築です。こういう話をしますと西三河の人は固いものですから、最終的に儲かるかという話になる。先回もこの提案をした時に、教育はビジネスになるかという話でした。2001年3月まではハードを無償提供しますということですが、それから有料になりますね。2001年3月以降の戦略はどのように考えていますか。

(榊原)ビジネス的な本音を話します。カムライ・エラフィアンは何を考えているか。彼はチップをつくっている会社で、セットトップボックスに入れているので儲かります。ブラウザーも入れていますので世界中に広まれば儲かります。そういう目的があります。
 しかし、心の中は、子どもの頃から海外とコミュニケーションしていたら戦争はおこらないという祖国での体験を世界に展開しようと言っている。実際にはパレスチナとイスラエルに2つ寄付してコミュニケーションさせたり、南アフリカの黒人の学校に入れています。これがビジネスの目的です。

 有名になるとビジネスチャンスも増える。私どもはバーチャルキッズパークという仮想空間から始めたのですが、もともと好きだったという事が大きいのですが、ビジネス的に理由を後づけをしています。おおきなメリットは、いい人がとれます。ベンチャー企業は労働条件が厳しいのでなかなかいい人がとれないですが、仕事に満足感が得られるので効果が上っています。
 有名になることもあるのですが、マイナスに出ることも多い。私の企業とビジネスの話はできないと思っている人が多い。アメリカへ行くとい言われるNPOはマイナスがおおいが、企業のトップとコミュニケーションができる。

 事業についてトップの人と話をする機会ができて、ついでにビジネスの話ができるのでネットワークが広がる。教育と言うことを考えてみますといろいろCDROMを作っている人に聞いたのですが教育のコンテンツで儲けている会社を見たことも、聞いたこともない.売れる量がぜんぜん違うのでコンテンツというところではまだまだで、当分は無理。しばらくこういう活動をして広げていくしかない、ノウハウを蓄積するための前段階と考えている。

 短期的に儲からないとだめという方は教育ビジネスには入り込めないと思います。英語教育のソフトもつくろうと思っていますしインターネットの環境ができたら使っていこうと思っています。短期的には難しいのでふんばれるたためにもスポンサーを見つけてしばらく続けようとしている。

M. 受託事業はどういうところからありますか。
榊原 受託事業は国からお金をもらおうということでいまも努力を続けているところです。企業からはとれないので、国の開発委託を、これだけのネットワークを税金を使わず整備しますので子供をキーワードに新しい技術開発を展開しようと考えています。
 そこでライセンスをつくれば売れる話になってきます。実現できるかわかりませんが、イベントに関して言いますと受託事業ではありませんがスポンサーを集めるときに子供をマーケットにしようと考えています。
 教育ビジネスのためでなくて自立するためで、アメリカに頼るのではいけないので、ちょっと違います。教育と言うことでビジネスをしていくのは協賛企業さんがこの環境を利用して勝手にやってくださいということです。会として何かやろうとは思っていません。会の運営費を確保する手段です。

M. 91年度以降はどういう存在になるのか。
榊原 91年度以降はコンテンツとイベントと考えています。ネットワーク上で国際交流を推進していくNPOとして確立するつもりです。基本的にはスポンサーを得て展開していく。

M. 子供というマーケットか国際交流と子供をふくめたマーケットということですか。
榊原 子供あるいは英語です。

M. SVJの仲間にさせていただいています。メーリングリストで発信し過ぎか思いますが、インターネットはたいへん面白くて感じておりましてシニアにもいいし、障害をもった方にもいいし、子供にもはやくから接するといいと思います。
 いまの本職は、保健・医療・福祉ですがどちらかというとお年よりのほうが多いわけですが、障害を持ったお子さんのデイケアということを今後導入していこうと考えています。
 今、計画中で2001年3月までには、2000年の末には完成すると思いますが、高齢者施設群その中に託児所、学童保育ですね。私どもは24時間で動いているわけでして、夜勤の看護婦さんの子供さんを預かることができれば、お年寄と子供のコミュニケーションもとれるでしょう。
 そこにはインターネットを入れたいと考えていました。スクールズオンラインがそこのところをやっていただけるでしょうか。
榊原 スクールズオンラインを日本でやる前はバリヤフリーキッズネットワーク、SVJの連携プロジェクトですが、もともとはバーチャルキッズネットワークと言う名前で、NPOにかえてお金も日本財団から少しもらって進んでいる。
 そこで整備しているのは1つはハタ児童館(神戸市)でしてそこは非常に素晴らしい施設で、児童館と老人福祉施設が一緒になって廊下でつながっている。
 同じ敷地内にあるところはできてきましたが、きれいな施設でどこからか移築してきた建物です。お年寄と子供が一緒になって遊んでいる情景があります。
 これは非常に興味があるところでデンマークスタイルです。そういうのをぜひ整備したい。問題は地域でIPSの協力が得られるかということです。電話代の話がでてくる、負担できる能力が施設側にあればすぐスタートできます。それでないと機械を入れただけで使えなくなってしまう。

M. 西尾、幡豆地域はCATVを今年の12月に導入と言うことになっていまして懇話会の方からも働きかけができるか、個人的に契約している業者に話をして進めるか道がなくはない。
榊原 それさえ整えば、継続できて、地元のボランティアさんが地域と一緒にやることがわかれば可能です。こういう説明をしていただければいいんですがCATV会社が、今入ったらスクールズオンラインのセットがついてくるというような話をしていただいた方が会社の中は通りやすい。逆転の発想でセールスに使ってください、そのように進めてもらったほうが早いんじゃあないか。

M. まだ、始まってないですが、日本では個々にはどういう形でやるのか。基本的には将来は英語のウェブサイトを見るということですが。一番の問題はそれをやっていくボランティア、インストラクターは子供たちに何をピックアップしてやっていくかが重要な部分でないか。
榊原 英語は将来ですね。使い方ですが、一切拘束しません。それでは使えないと言う話になりますので、今回3小学校で、入れたところは本来整備対象になっていないほど進んでいる学校ですが、たまたま線が入っていないだけで地域と一緒になってネットデイをやったりしている。
 進んでいるところをまず入れたのはモデルになってもらい、各地の取り組みをウェブに上げていっていろんなところがまねしてゆくようにする。最初は英語のページは絶対無理でしょうがイベントとかを開いていって子供に関心を持っていかせようということです。
 時間かかると思います。もう1つやりたかったことは英語のウェブサイトの検索システムを日本語で引けると言う形を模索しているのですがスポンサーがつかなくて困っている。

M. 英語の検索を日本語でするのですか。
榊原 子供がゲームというとゲームが出てきてある程度のサーマリーが日本語で書かれている。自動翻訳でなくてできたら、たくさんの有償ボランティアの手で作れたらと思っているのですがなかなかむづかしい。
 とりあえずやれるところは子供が興味を持つウェブサイトのリストをつくる。ゲーム、エンターテーメント、音楽と絵がきれいとかそういうリストを作っていこうと思います。
 これはうまくいくかわかりませんけれど、学校に入れるとフィルタリングの話になると思います。アメリカでもフィルタリングが10%ぐらい使われている。
 専用のフィルタリングがありまして日本でもやろうとしていまして準備しているところです。それはホワイトページ、いいページを提供していく、リストを徹底的につくりますし、アメリカにリストがあるのでいいページをひっぱってきて提供する。まずはゲーム、エンターテーメントでいく。

M. スクールとは関係ないですがコンピユータを使って障害者の就労支援をやっているのですがハード的なことをお伺いしたい。
 例えばインターネットの接続の講習会をやる時にパソコンだと1人1台ないといけないとか、キーボードの位置とかむずかしい面もあって、教える場合の設備がかかってしまってボランティアで教える人の負担がきてしまう。これは使えると思ってしまったんですけれどワイアレスのキーボードは日本語対応ですか。
榊原 いまいろんなマシンを使っています。セガ、ザイラー、ニシデンとかこの会社にブラウザーを提供している。機種によって違うのですがテレビに出ていたのはザイラーのもので、日本語は通りません。
 ただし、ニシデンが同じようなものを出していますのでそこが作り続ければあります。私も障害者の就労関係は4年やりましたのでよくわかっています。
 障害者にぴったり合うものは一人一人全部作らなければいけないのでどんないいものを作っても合いません。作れる人がどこにいるかということで、病院でやった時もいいろんな工夫をしていくわけです。
 万能なものはないのでいたちごっこです。1ついいのはドリームキャストのインターフェイスは非常によくできている。あれがそのまま使えるのはいけるんじゃないかな。ゲームのインターフェイスは非常によくできているが、文字を打ったりするときに時間がかかります。仕事になることは別です。

M. 文字を打っていく仕事でなくて編集するとか。
榊原 編集となるとセットトップボックスは基本的にはブラウジングの機械なんで文字を打てるぐらいしかできない。
 これから高度なものがでてくるので変わると思うし、ゲーム機のインターフェイスを改良されている人はいっぱいいる。いろんな手段があると思いますけれど編集とか、DTPとかはパソコンではできない。あくまでもホームユースで安くベラウジングできる環境を提供している。

閉会あいさつ
服部 今回榊原さんにお越しいただきましたのはMSVNで、愛知県の長崎室長さんの縁で実現しました。初めて新事業創出研究会と合同例会をしました。
 それぞれの会とちょっと毛色が違ったものになったと思います。これからも、岡崎地域、三河地域だけでなくて全国ででいろいろなNPOを含めて事業をやっている方と、フェイスツーフェイスで会えるようなものを一緒にやっていきたい。

 新事業創出研究会でもひとつの刺激になって新たなものが出てくることがありうると思います。今日は結論が出ていませんけれど個人の結論としてはスクールズオンラインを三河地域でスタートしながら、考えながらそれをきっかけにいろんな物が出てくることが今日の結論となればいいと心から願っています。
 この後、具体的な話もしていただいて、ここが活動の拠点として、またここが影響を与えて豊橋やいろんなところに伝わっていく接合点になればいいと思います。これで第1部を終わらせていただきます。
  第11回新事業創出研究会は1月27日(水)午後2時より岡崎商工会議所で開催する。
                                       (以上)






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