専門分野を活かした「岡崎学」の構築を

4大学学長 まちづくりについて語る


 平成14年7月29日(月) 岡崎市にある大学、短大の4人の学長が「まちづくりにおける大学の役割」と題し意見を交わした(主催:岡崎大学懇話会、NPO法人21世紀を創る会・みかわ、岡崎商工会議所)。当日は、各々の学長から以下のとおり「まちづくりにおいて大学ができること」についての活発な意見交換がなされた。
※詳しい内容については、後日冊子を作成いたします。ご期待ください。




左から、中垣学長、竹市学長、内藤学長
寺部学長、草間コーディネータ



岡崎大学懇話会 4大学学長対談(一部抜粋)
愛知学泉大学・愛知学泉短期大学 理事長・学長 寺部 曉 氏
・大学の役割は「まちづくり」、「ひとづくり」。
・それぞれのまちが元気にならないと、日本が元気にならない。例えば、ドイツ・フライブルグ大学では、原発廃止の流れの中で自然エネルギーの開発に取り組みまちの発展を支えた。
・愛知学泉大学では、家政学部=ライフスタイル、経営学部=中小企業・地域産業の活性化、コミュニティー政策学部=地域のまちづくりがあり、新しいライフスタイルに必要な専門分野を設定している。
・大学も競争の時代、それと同時に共生の時代である。それぞれの大学が持ち味を活かし、コア・コンピタンスの形成とアウトソーシングにより、高いレベルの機能を提供すべきである。
・「学」分野は、政策づくり、まちづくりの専門家の育成、課題解決能力のある人づくりを目指す。「まちは学校」であり、教室の内外(社会・家庭など)を通じて人づくりに取り組む。学校の取り組みの中で、貢献したい。
・岡崎大学懇話会が共同作業として取り組むべき課題は「岡崎市が抱える問題を解決する」こと。その課題を岡崎市はリストアップしてほしい。観光マップ、ガイドマップ、英文マップなど学生たちの卒論のテーマとして取り組むべき内容がある。また、高校の総合学習に大学の先生を活かしたい。

愛知産業大学・愛知産業大学短期大学 学長 内藤 昌 氏
・日本近代の始まりは家康が開き、江戸のまちづくりは岡崎がそのルーツとなった。この事実を未来にどのように伝えるか、岡崎の務めめである。
・architecture(アーキテクチャー=建築)は、技術を総合するという意味で、神に変わって創造する役割を担う。したがって、21世紀の環境を設計することは、建築学の重要な任務である。
・愛知産業大学は、21世紀の新しい環境をどう創るか、具体的な方策を練るため、造形学部、経営学部を設置した。
・岡崎の伝統産業を活かし、固有の産業を形成したい。

人間環境大学 学長 竹市明弘 氏
・まちと大学の結びつきを見ると、西欧では、まち=大学という「大学都市」が多く見られる。日本 ではそのようなまちはないが、人間環境という視点で岡崎市とつなげることができる。
・岡崎では、病院、美術博物館、商業施設など都市機能の分散が進んでいるが、都市機能の整備方針 を行政から聞いてみたい。
・人間環境大学では、今年4月に環境都市創造コースを設置した。まちづくり、地域活性化にはいつ でも参加の用意がある。
・人間形成を考える上で、「精神・心」、「自然環境」、「歴史・文化」は非常に重要な問題である。そ れらの分野については協力できる。
・産学官民連携の動きの中で、学は中立性を基盤に役割を果たす。
・岡崎で生じている問題を、日本、世界の問題として普遍化させていく。

岡崎女子短期大学 理事長・学長 中垣洋一 氏
・自然豊かで商工業のバランスがとれた岡崎は、人づくりに最適なまちと言える。岡崎には特徴のあ る4大学が立地している。大学は地域社会に活かされる側面があり、大学には地域活性化に貢献す る役割がある。岡崎市の図書館構想が示されているが、大学図書館の活用など図書館問題について も大学の機能が発揮できる。
・大学相互の交流を密にして、学術的・実証的活動を進め、行政施策に積極的に参加すべき。4大学 の持ち味を活かし「岡崎学」の構築を進めたい。
・公開講座を積極的に進めるとともの、中高校生のための介護講座の開設、障害者教育の実践など、 地域社会に貢献する生涯教育の機会を提供したい。



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