常務取締役
    
高木 紀彰 氏


特許取得について実際どのような取り組みをされていますか

 使用済みペットボトルから作られ、リサイクル可能なポリエステル系素材「カールロック」について、多くの特許を20年程前取得しました。特許については包括的な形でとってきましたが、今は多くの特許申請がでてきており、特許取得はまさにニッチ市場。またスピードが重視され、数年で産業構造が移り変わる現在においては、審査請求までが7年から3年に短縮されたものの、その意義が大きく変わってきているように思います。


 開発スタッフには、常に特許を読むことを奨励し、今出ている特許を理解することで、新たなひらめきを喚起するよう呼びかけていますが、具体的な特許取得については、実際自社だけで進めるのは困難であるのが現状です。そのため経験豊富で自社のことをよく理解していただいている社外顧問の方に相談をさせていただいた上で、事務的な部分を専門家の方に依頼する形で進めています。また、特許取得後は、年々上がっていく維持費を考え、自分のところで生かせる部分は活かし、後はその技術を必要とする企業に供与し、ロイヤリティーを受け取る形をとっています。


特許の今後についてどのようにお考えですか

 これからは大学との連携が無視できない状況にあると思います。大学に研究の一部を委託したり、大学で立ち上げられつつあるベンチャーと連携することで、新たな産業を興していくこと、それが日本の生き残りの道だと思いますし、それには特許は有効な手段のひとつであると思います。
 特許は何より実践の場から生まれ、「この製品をなんとか価値あるものに」という思いが、物事を大きく動かしていくように感じています。自社としてはそんな思いを忘れず、今後もオンリーワンを目指すために、ニッチな市場の一分野でシェアを100%にしていくような開発を続けていきたいと思いますね。

も ど る