伝統工芸や地場産業に携わるみなさまにお話をお伺いするコーナーです。
今回は岡崎フスマの浅井孝氏さん・坂美希さんにお話を伺いました。

   

岡崎フスマ 浅井 孝氏(あさいたかし)さん・坂 美希(ばん みき)さん 
北野町字西河原79−2 TEL31−1914


 フスマと言ってもなかなかピンと来ないのですが…どんなことをされているのですか?
 親の代からふすまに携わり始め、私と妹で2代目になります。両親の姿をみてきたせいもあって、将来表具の世界に入ることは昔から決めていました。学校卒業後は6年程京都で修行の日々を送りました。「はけ」の使い方を覚えることから始まり、補彩・日本画の裏打ち・仮貼り・表装など色々なことを学びました。修行の内容を見ると、「なんだかふすまというところからはピンとこない」と思われる方もいるかもしれません。そもそも両親は、ふすまの量産をしていました。私が修行に行った先で様々な技術を学び、幅広く扱うようになりました。屋号こそ「岡崎フスマ」ですが、普及品から上等品まで取り扱い内容は多岐に渡っています。例えば、ぼろぼろになってしまった掛け軸などは、掛け軸の洗浄をし、裏打ちをしなおす等極力お客さんの要望にはお答えしています。

兄妹で同じ仕事をされているそうですがいかがですか?
 兄妹でやるとやりにくいのでは、と思われることもあるようですが、うちはそんなことはありません。やっぱりお互いにこの仕事が好きというところで共通点があるので、けんかをしてもそれはでき上がりの作品をより良いものにしようと思ってのこと。やはり、出来上がりの作品を見てお客さんに喜んでもらえることが、我々職人にとっては一番やりがいを感じ嬉しいことですからね。兄妹ということで、遠慮なく意見が言えます。

伝統工芸についてどうお考えですか?
  岡崎にはいろいろな技をもった職人さんがたくさんみえます。そういった異業種の方達と、技でコラボレーションをしていけたら、と思います。そして、もっともっと伝統工芸をPRをしていかないと、と思います。例えば、ふすまや掛軸、お寺にある絵などを修復する技術はあるのに、認知度が低いのが残念です。岡崎にもそういった技術があることを知らずに、市外の業者に頼まれている方も見えるかもしれません。同じ技術を持った職人が岡崎にいるのであれば、わざわざ遠くまで足を延ばさなくても、近くで頼まれたほうが何かと安心だと思います。
 うちは「岡崎フスマ」とはいえ、幅広く取り扱いをしています。ふすまの張替えはもちろん、ふすま絵や掛け軸の修復等幅広く手がけています。ぼろぼろになってしまった掛け軸等「もう直らないかな」と諦めてしまう前に一度ご相談下さい。お客様のご要望にお答えし、喜んで頂ける仕事を今後もしていきたいと思っています。

 ◇ も ど る