伝統工芸や地場産業に携わるみなさまにお話をお伺いするコーナーです。
 今回は製造課長の服部秀夫さんにお話を伺いました。

『三河酒蔵の実現へ 〜心のふるさと〜

丸石醸造株式会社 代表取締役 深田正義 氏
岡崎市中町六丁目二番地五 TEL22−0646

▲製造課長 服部秀夫 氏

Q.どのようなお酒造りを目指していますか?

A.お客様のニーズの多様化により、日本酒の幅も広がりを見せていますが、今の酒造りは二極化していると思います。“地元に密着した地酒造り”と“大手のナショナルブランド”です。そんななか、私たち丸石醸造は地域に根付く“地酒造り”を目指しています。確かに今まではいわゆるナショナルブランドのお酒造りをしてきました。でも、“自分が飲んでうまい酒”を皆さんにも提供したい、そう思うと、工業化されたお酒ではなく丹精こめた手造りのお酒を造っていくことで、人と人、人と地域に繋がりを持たせることができると考えています。

Q.お酒を商品にする難しさは?

A.酒造りにおいて100%納得のいくことはありませんね。おいしい酒を造っても、「これでいい」という満足感よりも、いかに理想を近づけるかという気持ちの方が常に強いです。でもこれでいいと思っています。向上心を持ち続けることが大事であり、日頃の取組みが新しい発想への土台となります。
 商品にする難しさは、お客様のニーズに基づいて商品設計をして、その商品コンセプトに対して造り方をどう合わせるか、そして、いかに一番おいしい状態でお客様に飲んで貰えるか、という点ではないでしょうか。お客さんの声にあわせて造るお酒と、自分が造りたいお酒とのバランスをとることが、お酒を商品にするうえで非常に難しいことだと思います。

Q.最後に服部さんから見る「伝統工芸」について教えてください。

A.新しいお酒を造るにもやはり経験が発想の土壌となります。その経験がこれまでの伝統であり、生み出す発想がこれからの伝統になると思います。私たちは、お酒を通じて昔から伝わる古き良きものを継承しつつ、懐かしさを感じてもらいながら、いかに“岡崎の色”を打ち出すか、これからも挑戦あるのみですね。

※丸石醸造では2/9(土)・10(日)に酒蔵を開放します。
お酒づくりの雰囲気を見て、飲んで、体験できます ので、ぜひお越しください。
                                        

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