理財部会1月例会結果報告

経済講演会:『わが国と東海経済の展望』

講師:日本銀行名古屋支店 
             支店長 武井敏一氏



日本銀行名古屋支店 支店長 武井敏一氏
本所理財部会3月例会では、日本銀行名古屋支店 支店長 武井敏一氏をお迎えし、経済講演会を開催しました!

○日 時:平成18年3月15日(水)14時〜15時30分
○テーマ:『わが国と東海経済の展望』
○講 師:日本銀行名古屋支店 支店長 武井敏一氏
○内 容
<わが国経済の現状>
 確実な成長、正常化の道を歩んでいる。この状態が11月頃まで続くと「いざなぎ景気」を超えることになる。今後もバランスの取れた景気回復が予想される。回復要因のとして、BRICSの成長など世界経済が拡大していること、バブル崩壊後の3つの過剰(雇用、設備、債務)が正常化してきたこと、好況な中国向けをはじめ輸出主導になっている。量的緩和政策の終結については、当面ゼロ金利を続けて、状況の変化に応じて自然体で実施される。
<東海経済の現状>
 大変好調で、日本をリードしている。製造業の強さにより成長率は全国平均を大きく上回る。製造業の強さが非製造業(サービス業)に波及して、2年前よりプラス成長となっている。万博、中部国際空港の効果がホテル、飲食、運輸、人材派遣へつながっている。労働力不足が顕著で有効求人倍率も、豊田市、刈谷市では2倍となっている。
 東海地区の強さとして、自動車、一般機械、電子部品の3つが挙げられる。自動車は、国内販売は横ばいだが、海外販売が好調で輸出はフル稼働。ほかに航空機の基幹部品の生産も始まっている。一般機械(工作機械)も生産、品質共に、世界トップレベルで海外需要も好調である。電子部品は、大型液晶パネル、フラッシュメモリー、LSIが大きく伸びている。
 問題点として、正社員の雇用を控えているので、質の高い製品の生産が維持できるかどうか。
<今後の課題>
 万博により、当地域は中部国際空港が開港し、道路交通網、都市の再開発などのインフラが整備され、自動車などモノづくりの強み、先端技術の積極的な活用、環境問題の取組みが世界へ宣伝された。それらをうまく組み合わせて地域の魅力を高め、観光にも生かしてゆくことである。(文責:事務局)